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インドネシアIII 母国語を失う

駅で待つこと1時間。
無事ヘレンと合流、sorry と何回も謝られた。
全然大丈夫なのに。

ヘレンはとても魅力的な女性だった。流暢な英語に、いろんな引き出しを持っておりトピック問わず会話できる。
とても優しく、律儀で気配りもできる、おまけにとても頭がいい。
数分でこの人は信頼できる人だなと直感で思った。

一通り会話をした後、観光地へ連れて行ってくれる。
どこへ行きたいと聞かれ、
自然が豊かなところへ行きたいな。
んーボゴールがいいから行こう!
ボゴール?どこにあるの?
ここから電車で2時間くらいかな。

軽くランチでマック行こうみたいな感覚で言われ、笑ってしまった。
こういうノリは嫌いではないですよ。

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片道切符を手に早速電車の1両目へ乗り込む。
しかし、インドネシアでは1両目は女性専用車両であることをヘレンが慌てて教えてくれた。
なので2両目へ逃げるように移動。
日本と同様、女性からの視線が痛々しかった。

電車が動き出した。
僕らもたくさん話をした。
彼女は本当に色々な知識を持っており、興味深かったのはマレーシアの言語の話。

マレーシアの母国語はマレー語である。このマレー語はインドネシア語とよく似ている。
しかし、マレーシアではイギリス連邦であることから英語を第2言語としている。
ただ近年、中国系マレーシア人、マレーシア人の多数はマレー語ではなく、英語を使用する。
これは英語が便利だからという理由ではなく、マレー語を忘れてしまったのだ。
そしてインドネシアでも英語とインドネシア語が混ざった言語が使われており、政府はインドネシアからマレーシア同様母国語が失われるのを恐れている。

日本ではあまり馴染みがない話であるだろう。
戦後ほとんど他の国に頼ることなく、また国内の民族紛争や宗教論争に巻き込まれることなく、経済成長してきた。
なので日本語だけ話せれば、それだけで充分経済は回った。

対するマレーシアは主要貿易相手国が英語圏であるシンガポールであることや移民の受入に積極的なことから、徐々に言語が変化していった。

僕が言いたいことは母国語を維持する必要ってあるのかなと。
だって国内しか使えない母国語よりも英語やスペイン語など世界で大多数の人が使っている言語の方が良くないかなと思う。
言語の壁が低い方が外資系企業の進出もしやすい、旅行も言葉の問題で悩むことも減る。
いいとこ尽くしだ。

日本のように母国語を維持するのも別に悪くないと思う。
ただ、インターネットが出現しこれだけ世界との距離が縮まる中、母国語しか話せない国というのはデメリットでしかないだろう。
さらに日本は少子化による労働力不足が危惧されているから余計にそう思う。(AIで補うのであれば話は別だが。)

言葉というのは変化していく。
マレーシアのように他の言語と混ざることもあれば、日本のように新しい言葉が増えていくとこともある。
それは時代が変化しているから、新しいものが増えているから、世の中が更に便利になっているからだ。
言葉は時代の流れとともに変わっていく。
何もネガティブに捉えることはなく、新しい時代を迎えているというポジティブな捉え方でいいと思う。

今電車がすごいスピードで駅を過ぎていった。
それ以上に世界の変化のスピードは速い。
そんな時代の変化を楽しんでいきたい。

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あまり旅の紹介できませんでした。
次回はたっぷりと。
ではでは。

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