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北欧に根ざす、好奇的でクリティカルなスタンス①

少し前になってしまいますが、8月26日に行われたデンマークを代表するのブランドデザイン会社Kontrapunktと、KAOSPILOTを始めとするデンマークの教育機関と協働で学びをデザインする株式会社Laereによる「戦略デザインリーダーシップ」のワークショップの振り返りを今更ながらしていきたいと思います。(実はMediumに下書きでずっと眠ってました。。)


私はこれまで、Laereさんコーディネートによる、KAOSPILOTのCreative LeadershipのワークショップのModule02までを受講してきました。
今回はそのLaereさんと、同じ場所に東京オフィスを構えるKontrapunktさんが共同でワークショップを開催するとのことで、KAOSPILOTのワークショップや、これまで学んできたデザインプロセスと、北欧の実際のデザインアプローチとの間にどんな共通点や違いがあるのかを理解したいと考えて受講を決めました。

なおこのイベントには、polcaを通して、4名の方に応援をいただきました。結果参加金額には届かなかったものの、会場のShibaura HouseさんとLaereさんのご好意もあり、参加することができました。
本当にありがとうございました。(だいぶ遅くなってしまいました…)


共通認識としてのダブルダイアモンド

このワークショップでは、ダブルダイアモンドのモデルを中心に、それぞれのステップでの具体的な方法論と背景にあるマインドについて展開されていきました。

ダブルダイアモンドについてはこちらの記事が非常に参考になるかと思います。(少し前まで日本語の記事もあったのですが、翻訳したメディアがなくなってしまいました。。)

一般的には Discover / Define / Develop / Deliver という4つのステップとして、また左側は問題発見の発散収束、右側は問題解決の発散収束という形でよく言われていますが、この2つのダイアモンドについて、英語圏や今回のワークショップでは以下のように、 “Designing the Right Things”“Designing Things Right” とよく説明されています。

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今回のワークショップでは、Research / Strategy / Concept / Design という4つのフェーズで説明されていました。基本的にはさほど大きな違いは無いようにも思えますが、全体的にこちらの表現の方が、前段階のステップに重点が置かれているように思えます。

彼らは、このダブルダイアモンドをいわば “土台” として扱い、ここにさまざまな手法を組み合わせてプロセスを構築していきます。
そうすることで、より充実した議論が容易に行えるようになり、共通認識のなかで集合知的に主体性を持ったクリエイティブな活動が可能になるとしています。

初めてチリコンカンを作るなら、まずは魅力的なレシピを選ぶだろう。そのレシピを使って何度か辛い思いをしたら、次はスパイスをほどほどにするかもしれないし、逆に刺激が病み付きになってスパイスを加える場合もあるだろう。つまりはこういうことだ。
“人は自分のニーズや好みに合わせて、オリジナルのレシピをひねり出すものだ。”

When you cook a chilli con carne for the first time, you might start off with a recipe that appeals to you. Once you have burned your tongue a couple of times, you either go easy on the spices, or you even spice it up as you can’t get enough of the burning.
Generally speaking, you tweak the original recipe to your own needs and taste.

https://medium.com/digital-experience-design/how-to-apply-a-design-thinking-hcd-ux-or-any-creative-process-from-scratch-b8786efbf812 より


つまりダブルダイアモンドはあくまで土台であり、基本レシピなのです。上達していくためには、自らそのレシピを基準に様々なアレンジを加えていく必要があります。

ミミクリで一緒に働いている志田ちゃんのコラムの中でも「考え方の考え方を考えなければ、アイデアの量は質に直結しない」という言葉があります。またデザイン思考を対象に「道具を持つことと、使いこなせるようになることは同義ではありません」と述べています。

レシピを覚えて本の通りにできるようになったとしても、オーナーシェフになったり、お店を開いたりはできませんよね?(もしかしたらできる?)

何れにしても自らアレンジを加えて、初めて自分なりのチリコンカンの味が初めて生まれるわけです。

このワークショップではそんなダブルダイアモンドを土台に、どのようにプロセスを形作っていくべきかのフィロソフィーがいくつも共有されていました。

9ヶ月くらいたってしまいましたが、少しずつ改めて読み解いていこうと思います。

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