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数検1級を受験しました。(2回目)

このnoteでは、私が受験した数検1級(2024/04/14(日))について、受験勉強、試験の出来、合否発表などを冗長に記述します。数検1級に興味のある方、受験予定の方で、時間のある方はぜひお読みください。

数検1級の概要は次の通りです。


1.2024年4月の試験まで

2022年7月に数検1級を初めて受験しました。このときの詳細については、以下をお読みください。

前回の受験のときは、対策の勉強をけっこうした記憶があります。この蓄積があったので、今回はほぼ対策をしませんでした(試験前の1週間に、前回の勉強の際にまとめたノートを参照する、程度のことはしましたが)。こんなことを言うと「前回の受験は1年9ヶ月前だから、色々忘れているのでは?」というツッコミが来そうです。しかし、私は数学が好きで一応得意(笑)なので、きちんと学んだことはなかなか忘れません(と言いつつ、前回の試験対策の際に覚えた$${\tan x}$$のマクローリン展開における$${x^3,x^5}$$の係数などはすっかり忘れていました…)。

なお、「なぜ、数検1級に合格しているのに、また受けるのか?」と思われる方もいらっしゃると思います。簡単に理由をいくつか述べておくと「楽しいから」「試験を受験することで、その経験を大学受験指導に活かせるから」などです(私の仕事は「数学の先生」です)。大学受験業界の講師の中には、実際の試験を長期間受けていないからか、アドバイスがトンチンカンな人たちも存在します。試験を受験する経験は、「先生」にとってもプラスのことが多いと確信しています。

2.試験当日(2024/04/14(日))

試験は午後の実施です(1次:13:10-14:10(60分)、2次:14:40-16:40(120分))。会場は新高円寺駅から徒歩8分の東京立正中学校・高等学校でした。前回の受験の経験から、試験の流れが一通り理解できていたので、色々スムーズでした。

で、肝心の試験ですが…。

1次試験:
前回より計算量が多い!(最近の数検1級1次はこんな感じのようです)
$${5}$$次行列の行列式の計算問題や、とても面倒な共分散を求める問題などがあり、これらに苦労しました。前回は25分で7問をすべて解いて残りの時間で見直しをしたのですが(結果は満点)、今回は全部解くのに50分もかかってしまいました。それでも、一応全部見直しは出来ました。なお、前回出来なかったベルヌーイ型の微分方程式が出題されましたが、今回はきちんと解けました。前回は2次の必須問題で出たこの話題が、今回は1次試験で出るとは…。

試験当日中は「満点だ!」と思っていたのですが、翌日になって偏微分の計算のミスに気づきました。「あー満点を逃した!」「もっときちんと見直しをしていれば…」と落胆しました。ただ、当日のことを思い出してみると、この偏微分の問題も何度か見直しをしていました。大量の計算問題の処理を焦って行う状況の中、見直しの精度が低くなってしまう(目が誤答に慣れてしまう?)のは、(良いことではないが)仕方ないことなのかもしれません(悔しいことには変わりありません)。予想得点は6点/7点中です。

2次試験:
前回は必須問題のうちの1問(上記のベルヌーイ型の微分方程式の問題)が解けず、3点/4点中でした。前回の雪辱を果たすべく、「今回は満点を取るぞ!」と思って臨みました。
まずは選択問題を解きました。今回は第1問(互除法)と第5問(有限和の整数部分)を選びました。どちらも有名な話題であり、かつ大学入試でもしばしば出題されるような問題だったので、私にとっては簡単でした。2題合わせて33分で解きました。
次に必須問題です。今回は、第6問(2次形式と直交行列)、第7問(重積分の計算)でした。基本的な話題ですが、計算ミスの恐怖に怯えつつ(行列式の計算を$${2}$$回くらいやり直した)、慎重にやりました。2題合わせて62分で解きました。
この後はじっくり見直しを行いましたが、最後の15分くらいは何もせずボーっとしていました。「もう大丈夫だろう」という気持ちが強かったのかもしれません。予想得点は4点/4点中です。

選択問題の中の「選択しなかった問題」の中にも、面白そうな問題がいくつかありましたが、それらを試験中に解く元気は無かったです。
個人的には、以下の話題が面白いと思いました。解説を書いたので、宜しければお読みください。


3.試験後から合格発表まで

2022/04/25(木)に数検協会から解答が発表されました。出来は、自己採点と同じ、1次:6点/7点中、2次:4点/4点中でした。まあ、多分受かっているでしょう…。
そして、2024/05/09(木)に合格発表がありました。結果は…。

合格を確信していたものの、結果を確認するときはドキドキしてしまいました。「合格」の表示を見て、安心しました。ただ、合格は出来たものの、満点合格を逃したことが本当に悔やまれます(それも1次試験で失点!)。点数の詳細については、後日郵送されてきますので、追ってお伝えします(おそらく上記の自己採点の通りだと思いますが…)。

[追記(2024/5/21(火))]
2024/5/21(火)に合格証、合格証明書、個別成績票が送られてきました。成績は自己採点の通り、1次が6点/7点中、2次が4点/4点中でした。1次でのミスが悔やまれます…。

4.最後に

前回の「数検1級を受験しました。」のnoteの最後と被りますが、数学の先生にはぜひ、数検1級をぜひ受けていただきたい、と思っています(統計に興味のある先生であれば、統計検定でも良いと思います)。「最近、制限時間内での試験を受けていない」「新しいこと(忘れていることを含む)を学ぶ、と言うことから遠ざかっている」「試験勉強というものを久しくしていない」「生徒が受験勉強や試験を受けるときの気持ちを再体験したい」という方には、数検1級は(手軽に受験できる、という点で)オススメです。ぜひ受けてみませんか?(私は数検協会の回し者ではありません笑)


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