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スマホ中毒がもたらすドーパミン依存社会

先月友人から、メルカリで読書感想文が出品されているという話を聞いた。

手先の器用な人が悩ましい小学生の人たちを思って製作してくれたのだろうか。なんと去年も同じようなことがあったらしい。

最近の子供たちは本を読まずにスマホやタブレットばかりで、会話もほとんどしないという。

YouTubeやSNSが日常にあった世代にとって、刺激のまったくない読書をするというのは苦痛でしかないのだろう。

非常に便利なのは間違いがないが、あまりにも多機能すぎてすっかりスマホが手放せなくなって依存性に気がつかなくなっている人が多い。

スマホ中毒は、薬物中毒よりやっかいである。一説にはスマホ依存はコカインの400倍も依存性があるといわれている。

ある記事で読んだがスマホを触ったり、情報を得ることで快楽物質であるドーパミンが放出されるらしい。つまりスマホでオーガズムを感じているのだ。

1.情報に対しての刺激を与えられたことで、脳はドーパミンを放出する。

スポーツ選手などでよく必須とされるドーパミンは、シナプスに作用し、シナプスの結合が強化されることにより、ドーパミン受容体の活性化によって興奮性の変化やシナプス伝達の修飾が起き、行動が強化されるといわれている。

 ドーパミン受容体にはD1、D2、D3、D4、D5のサブタイプが存在し、全て7回膜貫通構造を持つGタンパク質共役型受容体である。Gs/olfに共役してアデニル酸シクラーゼを活性化するD1様受容体(D1、D5)とGi/oに共役してアデニル酸シクラーゼを抑制するD2様受容体(D2、D3、D4)に大きく分類される。線条体、前頭前野、海馬、側坐核などにおいて、神経細胞の興奮性やシナプス伝達に対して多様な修飾作用を持つ

ただ問題はこのドーパミンによる興奮性の作用に依存性があるというということである。

 神経細胞は強い刺激をもとめて、自然と過激な空間に渇望が生じている状態となり依存が形成されて「慢性中毒」となる。

新鮮な刺激というのは教育上大変結構なことだが、むやみに子供のころから浴びせるように情報に触れさせている親にも問題がある。

2.同じ情報では脳が満足できないため、自然と強い刺激を求めるようになる。

脳は視覚にしろ聴覚にしろ、同じ刺激に何度も触れると、すぐに刺激を覚えて慣れてしまう。

子供のころから過激なコンテンツや言論が飛び交うような空間におかれると、始めは脳が興奮を覚えるのだが、すぐに慣れてしまい、その情報を日常化させてしまう。

過激な情報を渇望する連鎖のため、ポルノやいじめの過激化につながるといわれている。

「斬新さ」というのはこのドーパミン神経系反応が興奮機能として作用する錯覚である。

ドーパミンは学習・記憶、注意、実行機能などの認知機能を調節しやる気を奮い立たせるというメリットがあるが、過ぎたるは及ばざるがごとしで、現在のスマホ社会ではドーパミンに依存しすぎるきらいがある。

脳が刺激に慣れてしまうと、大学での勉強や、仕事に向かう自分の人生がまったく味気のない単調で、つまらない人生に思えて、自分の存在意義を見出せなくなってしまうようになる。

とくに人との繋がりのない情報依存の人たちが陥りやすく、インスタ女子などですでに問題となっている現象だ。

少子化問題や労働意欲の低下も少なからずスマホが影響しているのだろう。

令和の時代、さらに刺激を常に求めていっそうドーパミン依存社会が加速していくに違いない。

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