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フルーツの見学施設とRPG(ロールプレイングゲーム)の融合は可能か!?それを具体化する為の大切にしている基準について。

今回は2011年、沖縄フルーツランドを果物の見学施設から物語の世界に変化させようと考え始めた頃のお話です。

当時のお客様からのクレーム
「フルーツランドという施設名なのに、フルーツがない!」

その解決にあたり、具体的な方法を探っていた時期でした。

最初は、コンサルタントや専門家と呼ばれる方に依頼したのですが、
回答は全く得られませんでした。

次に、自分で取り組んでみようと、
年中フルーツを実らせられないかという研究を行いました。

3年間の農業法人での経験から、
全期間フルーツを実らせることは不可能でした。

さあ、色々取り組みましたが、解決策は見えません。

そんなある日、
園内を歩いていると、ふとあることが思い浮かびました。

「園内を歩くことは、RPGの世界の冒険に似てるな・・・
RPGのゲーム要素で解決できるのでは!?」

ふと思っただけのことでしたが、
イメージしていくと、
問題点と解決方法が、パズルの様にどんどん当てはまりそうです。

忘れもしない2011年年末、結論が出ました。

「フルーツの見学施設とRPGの世界は融合できる!」

さて、話はさらに遡り、
私が小学4年生の頃、1983年にファミコンが誕生しました。
その衝撃は今も忘れられません。
家のテレビでゲームができるなんて夢の様でした。

ファミコンから始まり、ディスクシステムやツインファミコン、
SONYのPCエンジン、スーファミ、セガサターン、
プレステなど様々なゲーム機に触れてきました。

私達の世代は、その進化と共に成長してきました。
だから、ゲームが体の中に染み込んでいます。

改めて、仕事目線で分析してみると、
キャラクターの設定やルール、
物語のあり方やマーケットの創り方に至るまで「答えの宝庫」でした。

それを問題解決の手段として捉えてみると、
今まで悩んでいたことが嘘の様にアイデアがどんどん出てきました。

2013年、施設体験型絵本トロピカル王国物語という独自のテーマパークがスタートしました。

それから約10年が経ちましたが・・・、
本日も造り込みは続いております。
観光施設とRPGゲームの融合は、日々強化されています。

さて、アイデアを具体的にするには、たくさんの素材を使用します。
木材やコンクリートからセンサーなどの電子類に至るまで、
様々なもので仕掛けを造っていきます。

最後に、仕掛けを造る過程において大切にしている2つの基準を紹介いたします。

1、今一般的に使われている技術や素材で造ること。
(新しい技術はできるだけ使わない)
新しい技術は、すごいし魅力的なのですが、高価だったり、
修理できる人もいない為、一回限りの仕掛けになる可能性があります。
生産中止もよくある話です。

それに対して、
一般的になっている技術や素材は安いし、使い勝手もいい、
壊れてもすぐ入手できます。つまり、長期のメンテナンスが可能です。
ちなみに、トロピカル王国物語の装置は、10年以上現役です。

2、仕掛けの造り込みは、できる限り自分も関わる。
制作スタッフさんと一緒に造り込む経験は、色々なことに役立ちます。
一番大きいのは、次のアイデアに繋がりること。
稀に、そのアイデアが、全体をさらにバージョンアップさせるきっかけとなることもあります。

最後に、これらの経験は、話のネタ(制作秘話)になります。
他人に全部任せると、話ができません。
壊れたら終わりという悲しい現実が残るだけです。

まだまだこれからも造り込みは続いていきます。
いつまで続くのか考えたことはないのですが、これは好きなことの延長です。
好きなことは続けられます。
これって大事なことですね。

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