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Value Stream Mapping(バリュー・ストリーム ・マッピング)のススメ

先日、社内複数部署を対象にValue Stream Mappingを実施しました。
今回はその紹介と、期待できる成果についてまとめます。

同じ内容を動画(約10分×2)でも話しているので、こちらもどうぞ


Value Stream Mappingとは

Value Stream Mapping(以下、VSM)とは

・生産や物流、ソフトウェア開発などの工程を改善する際に用いる

・現状を把握し将来のあるべき姿を明確にするために作成されるプロセス図のこと

・ もともとはトヨタ生産方式における手法

・トヨタ自動車では「物と情報の流れ図」と呼ぶ。

というもので、「価値の流れ」を可視化して「プロセスを改善」するための手法です。

具体的な完成イメージがこちら

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用語の説明**

 VSMには独特の呼び方をする用語があります。まずは用語をご紹介します。

・プロセスのタイトル:そのプロセスの名前
・リードタイム /LT (Lead Time):プロセスが次ステップに移るまでに要した時間の合計(PT+WT)
・ 実行時間 / PT (Process Time):実際にそのプロセスを実行している時間
・待ち時間 / WT (Wasting Time):プロセスで待機状態の時間
・ SR /完成と正確性の割合:上流プロセスから受け取ったものが手直しせずに使える割合

 なんのためにやるのか?どのような効果があるのか?

主にこんな効果があります。

・ リードタイムを可視化することで、どこのプロセスにどれだけの時間がかかっているかが可視化される。

・ プロセスを可視化した上で、効果が高そうな改善ポイントを選べる。

・ プロセスを改善した上で、どれだけの時間的コストを短縮できたかを可視化できる。

・ すべての業務プロセスを可視化をすることで対外的に説得力が生まれる!

例えば、可視化することで・・・

・ 今、このワークフローに200hかかっていることがわかった

・一番無駄なのがどこかわかった / カイゼンすべきポイントがわかった

・カイゼン後 50h になった!

などが実現できるます。

 必要なもの

必要なものは、いたってシンプルです。

・横にながーい紙 or 書き込みOKな壁

・ペン(2色)

・必要な参加者全員

・1.5 ~ 3h(場合によってもっと必要な時も)

Step0. アイコンを理解する

** Step1. スタートとゴールを定義する

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・ まずはスタートが"どんな状態か"を定義します。
・そして、ゴールの顧客が"どんな人か"。商品が"どんなものか"などを定義します。

 Step2. タスクと人数を入れる

・ スタート〜ゴールのタスクをかきだします。
・ そして書き出したタスクごとに必要な人数を入れます。


 Step3. WT、PT、LT(WT+PT)を入れる

・ このステップでは、各タスクの時間に関係する値を入れていきます。

**Step4. 同じ担当者の場合は実線、別の場合は点線を結ぶ

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・ 担当者の変わり目を明確にし、スイッチングコストを意識できるようにします。

** Step5. ツールを書く

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・ 各タスクで使っているツールを明確にし、ツールの変更に伴うスイッチングコストを意識できるようにします。

 Step6. 環境を書く

・ 各ツール、タスクの環境を明確にし、環境の変更に伴うスイッチングコストを見える化します。

** Step7. 不具合がなく、正常に実行できる比率を書く

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**Step8. グルーピング

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ここまでで

・ どのタスクが手戻りが多いか
・ どのようなタスクがLTにおけるWTが多いか
・ PTは一瞬なのにWTが長いタスクはどれか

が見えて来ます。

** Step9. 無駄なタスクにマークをつける

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・ まずは、どんなマークをつけるかというとこのようなマークです。

・ このマークを該当箇所につけていきます。

Step10. 改善案を記載する

以上で完成です!!

活用法

まず一番大事なことが

・ 常に見えるところに貼っておくこと

です。能動的に情報を取りに行かなくてもみんなで集まってディスカッションができるようにする目的と、どんな人でも改善点を見つけられるようにするためです。

そして、

・ 改善ポイントに対するアプローチが完了したら書き直してみる
・みんなでディスカッションしながらアプローチを考える

ということをしていくだけで日常の中で

" 無駄なところを改善する = 効果が高いところに手をつける"

という習慣が定着すると思います。


主にPjM、PO、セールスエンジニア、AWS ソリューションアーキテクトなどを務める。「映像業界の働き方を変える」をモットーにエンジニア組織を超えたスクラムの導入、実践に奔走。DevLOVEなど各種コミュニティーにおいてチームビルディングやワークショップのファシリテーションを行う