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絵本って、どうやってできていくの? ラフ本から原画に入るまで編

ラフ本から原画へ

こんにちは、絵本作家のはっとり ひろきです。

前回、アイデアが浮かんでから、ラフ本が出来上がっていくまでを

僕の絵本「いっぺんやってみたかってん」を使ってお話ししましたが、

今回は、その続き ラフ本から原画へ移っていくまでを

お話ししたいと思います。

ラフ本が出来上がると、いろいろなことが わかってきます。

話しの流れ、絵のわかりにくさ、文章の量など、

絵本は、絵と文で成り立っています。

注意が必要なのは、絵で言っていることは文では言わない。ということ。

例えば「清々しい野原がありました」という文がある場合、

「清々しい」という言葉を、絵で語っていれば、

文章で語らなくても良いということです。

「清々しい」は感じてもらえれば良いのです。

そのように、いろんなことを ラフ本の段階で調整していきます。

そして、修正すべきところを 上から書き込み

次のダミー本を作ります。

下の画像を見てもらえば、それがわかると思います。

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この時点で大切なのは、客観的な目線を 入れることだと思います。

子供たちに読んでみるか、

出来ればプロの編集者に見てもらうのが良いかと思います。

僕は、そのために プロの編集者に見てもらえる絵本の塾に行きました。

絵本の塾が必ず良いとは言いません。

皆さんに合ったやり方で

他人の意見も聞いてみるのも良いのかもしれません。

ラフ本の練り直し

原画に移るまでには、まだまだ時間が掛かります。

ラフを何度も作り直して、編集の方とも確認しあいます。

良いものが出来た!と思っても、

もしかしたら、それは自分の思い込みかもしれません。

見つめなおしたら、それを越えるものが出てくるかもしれません。

描きなおしたラフ本⇩

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練り直す

ちなみに どう 変わったのか

直す前のラフと、直した後のラフの一部を比べてみます。

下の画像は 1枚目が直す前、2枚目が直したラフ、3枚目が出来上がり

ブランコがツッコミを入れている場面

最初は、誰が言っているのか わかりづらかったので

アクションを 大きくしてみました。

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ラフ本の書き込み

ラフ本の書き込みですが、

僕は、出来るだけ描き込んでいます。

もっと描き込まれている方もいれば、そうでない方もいます。

人それぞれだと思います。

ちなみに、比べとみると こんな感じです。

この時は、ブランコくんのチェーンも

不自然さがないか 細かく描いています⇩

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ラフの量

ラフ本の状態で どれくらい描いたのか

どれくらい 考え直したのか

よほどの才能や経験が無い限り 一発で良いものは出来ないと思います。

客観的に 何度も考えて より良くしたいものです。

下の画像は、「いっぺんやってみたかってん」のラフの一部です⇩

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思い込み

出来れば、ラフの段階で気が付けると良いのですが、

自分の思い込みによって、間違いに気がつかないこともあります。

下の1枚目の画像の文は

「すべりだいくん つかまえた!」とあります

ところが、作者の僕は、

「すべりだいくん つーかまーえた!」だと思い込んでいたのです。

逆に考えると、

「すべりだいくん つーかまーえた!」

と読んで欲しいのに、

「すべりだいくん つかまえた!」と書いていたのです。

これになぜ気がついたのかと言うと、

編集の方に読み聞かせをしてもらった時に、気がつきました。

他の人に読んでもらって 初めて気がつく思い込み。

そんな ことも ありました。


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原画を描く

コンテストなどに応募する際、既定のサイズがあり、

それより3ミリから5ミリほど塗り伸ばす、とあります。

印刷の際、ギリギリのサイズでは、

切れ目が出てしまう可能性があるからです。

トンボ(ページの大きさを表す線)も

よくわかりませんでした。

アルファベットのLが重なったような印

Tのようなマーク

要するに、Lは、内側と外側の線

Tは、センターの位置なんですね。

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あとは、ラフに沿って、自由に絵を描いていくだけです。

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ここで お話ししている内容は、

僕の作り方をお話ししているだけですので、

参考程度に見ていただけたらと思います。

自分が、絵本作家を目指していたころ、なかなか知りたい情報が少なく

いま、そんな方々に少しでもお役に立てたらと思っています。

次回は、原画から本屋さんに並ぶまでをお話しできたらと思います。

これからも、ゆっくりですが、絵本作りのことや、

それに関連することなども お話しできたらと思います。

良かったら スキや、フォローも よろしくお願いいたします。

最後まで見ていただき ありがとうございました。


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