東大読書

東大読書 感想

「東大読書」という本を読んだので,まとめと感想を書いてみようと思う.

これから本をたくさん読みたいと思っている自分にとって,それぞれの読書の質を高める事は非常に重要であり,他の本を読む前に読書の質を向上させたいと思い,この本を手に取った.

まずこの本,大変読みやすかった.文章の中の重要部分に強調のマーカーが引いてあるのだが,時間がない人はその部分だけ読むのでも,内容を理解できると思う.自分は速読の練習のつもりで,マーカー部分を中心に30分程度で読んだ.

この本を一言で表すと,「よく考えながら読書しましょう」という事.それはそうだ.何も考えないよりは,考えながら読書した方が良いに決まっている.この本では,「何を考えながら読めば良いのか」という点を詳しく解説している.

考える事は,「仮説」「質問」「要約」「意見の違い」「自分の意見」である.

まず,「仮説」について.これは,読書をする前に考える事だ.本の表紙や装丁から内容を推測し,仮説を立てる.その際には付箋などにメモを書いておくのがおすすめで,読み進めている間に間違いが分かれば,順次修正していくと良い.これによって,読解力,深読みする力が身につくという.

次に,「質問」について.本を読む際,自分を「読者」ではなく,「記者」だと思って読書をする.それだけで,読書に対する積極性というのはある程度能動的に変わりそうだ.これによって,得られた情報が,知識として定着しやすくなる.個人的な意見だが,これによって,会話力も向上させる事ができるような気がした.人と議論をする際には,その人の話に対して,質問を考える事が多い.相手に常に気持ちの良い質問をぶつける事ができれば,交友関係は簡単に良いものにできるだろう.

次に,「要約」.長く書かれた文章を短く簡潔にまとめる能力は,社会に出てからも重要になる能力だと思う.要約する事によって,情報を取捨選択する能力を高める事ができるし,得られた情報を精緻化する事にもつながる.また,要約によって,次に書かれている内容を推測する事も可能になる.推測しながら文章を読むことによって,推測の内容が正しかったとしても間違っていたとしても,記憶の定着化につながるように思える.

次に,「意見の違い」について.似た内容について書かれている2つ以上の本を同時に読む事を推奨していた.これは,記憶の定着の面からも有効なようだ.同じ内容について書かれていても,著者によって意見は正反対になる事もある.それらの違いは,言葉の定義の違いや,単純に意見の違いによって引き起こされる.それぞれの意見がなぜ異なっているのかを考えながら読む事で,物事を多角的に考える能力を身につく.多角的に考える能力というのは,東大の入試に合格するためには必要不可欠な能力らしい.

最後に,「自分の意見」だ.本の中では,「議論をする」という表現をしており,アウトプットの場所を作らないといけないという事だ.インプットした内容を活用する事で,読解力が向上し,得た意見を自分のものにする事ができる.この際に最初に立てた仮説に対する答えを考える作業をする.一連の作業を通して,次の目標や,次に読むべき本などを決める事に繋がる.


この本を読んだ感想

自分は今まで,特に何も考えずに本を読んでいた.1冊の本を時間を決めずに読み,読んだら読みっぱなし.後で本の内容を聞かれても,まったく覚えておらず,読んだ気になっているだけ.これ程無駄な事はない.今後は,本に書かれていた読書方法を参考にして読書をしたいと思った.


本の読み方については,いろいろな意見がある.速読の技術を向上させ,1冊10分程度で読んでしまう事を推奨している本も読んだことがある.

東大読書で書かれていた内容は,それとは逆である.仮説や質問など,メモを取りながら読書をする事や,2冊同時に読む事を推奨している事から,速度については遅くても問題ないという意見に近いだろう.

ただ,速読の技術を使いながら,東大読書に書かれている方法で読書をする事ができたら,読書の質は大変良いものになるのではないだろうか.速読については詳しく知らないが,時間をかけずに良いインプットをして,その知識を自分のものにする事ができれば,それほど良い事はないのではないか.今後も読書方法については試行錯誤しながら,読書を重ねていきたい.

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