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僕らツクルバが投資を受ける理由、資本主義を乗りこなす

※本記事は旧ブログからの転載です。

2016年1月27日に資金調達のリリースを出しました。

随分間が空いてしまいましたが、毎月新メンバーも増え、4月から新卒も入ってくるので、改めて意思表明を兼ねてアンサーブログを書くことで、本ブログ初投稿にしたいと思います。

そもそも”投資”とは

投資(とうし、英語:investment)とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない商業活動はこれに含まない)。広義では、自己研鑽や人間関係においても使われる。
どのような形態の投資も、不確実性(リスク)が伴う。一般に、投資による期待収益率が高い場合、不確実性(リスク)も高まる。この一般則に反する取引が可能な場合、裁定取引が行われ、収益率の低下またはリスクの増大が起こる。
ベンチャーキャピタル(venture capital、略称:VC)とは、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のこと。主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下するのと同時に経営コンサルティングを行い、投資先企業の価値向上を図る。担当者が取締役会等にも参加し、経営陣に対して多岐にわたる指導を行う。
(出典:Wikipedia)

つまり”投資”とは、要は資本(分かりやすいのは資金=お金)を効率よく使うことでより増やす活動のことですね。そしてその中でも”ベンチャーキャピタル”はツクルバのような未上場企業に対して”ハイリターン”を期待して、資金と人的資源を投下する投資会社(orファンド)です。投資会社は、いくつかの形態にわかれますが、分かりやすいのは企業や個人からの直接投資と、ファンドを通じた投資がベンチャー投資の主流です。この辺は私が専門家でないので細かい説明は省きます。

何故ツクルバが投資をうけるのか

ツクルバは設立から5期目と暦は浅いですが、メンバーのおかげで黒字経営を続けている企業です。投資を受ける必要があるのか?とよく聞かれました。

僕は起業当初、ベンチャーキャピタルから投資を受けることは懐疑的でした。なぜなら、投資を受けるということは、ハイリターンを返すことが約束となります。しかも、自分たちの成功を誰よりも自分たちが確信を持っているので、自分たちが自分たちへ投資することが一番効率が良いと思っていたからです。

しかし、元ウノウCEOで現メルカリCEOの山田進太郎さんに相談をしたことがあり、そこから考え方が変わりました。その頃進太郎さんは、新サービスのメルカリを立ち上げたばかりの頃で、すでに外部から資金を調達していました。僕はこう聞きました、「進太郎さんって、もう既に沢山お金がありますよね。成功すると思っているなら、自分で自分に投資した方が効率がよくないですか?」すると進太郎さんは、「うーん、まあね。でも、投資を受けるということは自分に対するプレッシャーをかけることにもなるんだよね。絶対に上手くいかせる覚悟っていうか。あとは他人資本を巻き込むことで応援してもらえるしね。」

進太郎さんがどういう意味で言ったのか真意はわからないですが、これは僕には衝撃的でした。

起業家にとって一番畏怖するべきは、”最初に掲げた自分自身の高い志や目標が風化すること”だな、とその時思ったのです。その後に、共同代表の中村に相談して意思を固め、第1回目の投資ラウンドをEastVentures・アカツキ・個人投資家から実施することになりました。資金を投下される(≒ここでいう投資をうける)という行為は、赤字で困っている企業が受けるイメージだけがあるかもしれませんが、それは誤解です。”目指すべき地点に到達”する為に資金や力が足りないから、自分たちではまかないきれない量の資金を集めサポートを募る。逆を返せば「他のことに資金を使うなら、ツクルバに使った方がリターンが良くなるから、投下してくれ」という自信と覚悟があるということです。

つまり僕たちは、困ったから資金を集めるのではなく、確かな自信と覚悟の元で、未来の設計図からの逆引きをして投資を受ける決断をしました。

ツクルバが目指す未来

ツクルバは、創業者や創業期メンバーが亡き後も永続的に発展し、価値を生み出し続ける企業となることを目指しています。米国でいうと、General Electric,Apple,Walt Disneyなど、日本でいうと、トヨタ、ホンダ、ソニー、リクルート などはイメージし易いでしょうか。

「おいおい、いきなりデカイこと言い出したな」と思うかもしれませんが、これは僕らツクルバが共同創業者2人だけだった時から一環して言い続けていることです。

1人目の社員にも、真顔で伝えてます。社員が5人になった時にも、そしてもちろん今でも言っています。

資本主義を乗りこなす

“志と算盤”という言葉を、僕たちは頻繁に使います。自分たちがやりたいことを成す為には、メンバーの指標となるべき志(=ビジョンやミッション)とそれを成し遂げる算盤(=実力)が必要です。企業の”実力”とは、影響力の大きさや組織の強さ、資金量や独自資産の有無などの複合的な指標になると思います。

さて、ここで一つ思うことがあります。

「これからの社会において、”規模の拡大”や “成長主義”は本当に必要なのか?シェアや個の台頭によって資本主義はもはや崩壊し始めているのではないか。」と。

確かに、ツクルバが展開する事業の多くも、時代背景に合わせて自然と”シェア”であったり”リユース”といったテーマを持っています。しかし、例えば、従業員持株会が筆頭株主のまま上場したリクルートの例や、本来GDPに現れなかった個人間取引を事業化したメルカリを挙げても、資本主義は崩壊ではなくその姿を変態させているように感じています。

僕らは、この変化する資本主義社会を乗りこなし、新しい解になりたいと考えています。でなければ、事業が自己満足の範疇を超えないと思っているからです。いたずらに規模の拡大だけを追わず、利益の最大化は目的ではなくあくまで手段。(※”いたずらに”追わないだけで、規模の拡大も手段として必要なことです)

そんなツクルバが資本主義の仕組みを上手く利用して、社会にとって必要な企業になることを目指したい。長期の目線を持って組織と事業をつくる企業が、最後は社会的にも金銭的にもリターンを持たらすと信じています。

歴史は後づけ、未来はつくれる

僕らがこれで会社が大きく成長し、社会的にも金銭的にもリターンを出したとしたら「やはり長期的な目線を持つことが大事だ」と言われたり、はたまたツクルバは共同代表制なので「共同代表の方が大きく成功し易い」と言われるかもしれません。

もし逆の結果が起きれば、「やはり理想ばっかじゃ儲けられないからダメ」「代表は1人にするべき」と言われるかもしれません。

歴史はいつも後づけで、結果で語られます。しかし、未来は今からつくることができます。僕らはツクルバを正解にしたいと思い、今を生きています。それは並大抵のことではないと理解しているつもりです。尋常ではない努力をやり尽くした上で、時代に見染められるような運がないと、最終到達地点には行けないでしょう。

でもだからこそ、人生掛けてやる価値がある。

最高のパートナーである共同代表の中村と、今集まってくれているツクルバの礎を共につくってくれるメンバー、そして僕らに夢(とお金)を託してくれた投資家の方々と共に、未来のツクルバをつくっていきたいと思います。

※本記事は旧ブログからの転載です。