何者

今日が僕の個展の初日です

昨日絵の搬入と展示の作業をしていた時から感じていた事なのですが

今回の個展、やけに怖いんです

凄く寂しかったり

切なかったり、するんです

おかげさまで寝不足ですよ。


前々から画業三年目、個展三回目、石の上にも三年だ!と自分に言い聞かせてきました

今年一年間は特にその思いが強かった

その思いが僕に目標を与え、情熱を湧かせ、背中を押してきたのです

それがついに短い一週間という会期の初日を迎えてしまいました

最近のプライベートの問題とも相まって、全ての糸がこの個展で束ねられる気がしてなりませんでした

この個展が一つのターニングポイントになるのだという思いがとても強いのです

どんな結果であれ全てを自分で受け止めなくてはならないのは今までの人生でも同じ事でしたが、今回のこの個展には一旦全てを束ねその答えを僕に突きつけるには充分なパワーがあります

僕の人生の今までの全ての中間結果がここで露わになるんだろうと思うとどうも怖いのです

絵を始めた時、聞いていた「お前は画家になる」という耳打ちが今でも鳴り止みません


しかしその裏では常にいろんな意見が聴こえていました

「才能が無い」

「辞めておけ」

「無理だよ」

「何してんの?」

「終わったな」

「この程度で?」

「嘘でしょ?」

「本気じゃないでしょ?」

全部ずっと聴こえているんです僕には

僕はその中から「画家になる」という言葉に耳を傾けただけです

心の中ではずっと葛藤でした、自分との戦いです、僕は負ける事はないですが、それがまた問題なのです

僕は負けることもできないのではないか?

それがとても怖いのです

先程も申しました様に

今回の個展は今までの飯田大輝の人生の全ての糸が束ねられている様な感じがしています

その答えを、答えにもならない結果が僕に突きつけられる気がしています

弱い人間です、自分でも理解しがたいほどにです

自分の、オブラートに包む考え方、行動、発言、がそのまま芸術に現れています

負けない様にしているんです

逃げてるんですよねきっと

これが今の自分なんだと思えば次どうするのか?と僕は考えますから、充分収穫なのですが、個展を開くとはこんなに怖い事だったとは今まで知らなかったのです

怖くなって、寂しくなって、切なくなって、喫茶店に入って珈琲を、飲んでタバコを吸っています

心臓を鷲掴みにされています

タバコに火をつける手が少し震えています

僕はまだ立ち向かえていません

だからいまだに聴こえるのです

「お前は画家になる」と

僕はまだ何者でもないのでしょう

今回の個展が終わった時、自分の中で新しい何かが確実に芽生えている事は間違いないですから

楽しみでもあり

怖くも感じるのです

それを打ち砕くには

絵を描くしかないと僕は思うのです。

今日から6日間、銀座一丁目のギャラリーSOLにてお待ちしています。


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