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日本人は日本語のメディア環境に閉じ込められている

というテーマで連投ツイート。案外たくさん読んでいただいたこともあり、記録として、ツイート9本をnoteの投稿にまとめ直しました。このテーマは大事に思っているので、これから色々試行錯誤していこうと思っています。

日本人は日本語のメディア環境に閉じ込められている。それは日本語話者が1億人以上いることで日本語メディアが産業としてそれなりのサイズで成立するから。人口の少ない小国ではメディア産業は成立せず彼らは英語その他のグローバル言語のメディアを読む。繰り返すが、日本人はそこから隔絶している。

「インターネットであらゆる情報にアクセスできる」と言っても、結局それは自分がどの程度広範な言語を操れるかに大きく依存する。「操れる」というのはその言語で「検索」できるということ。あるいは、その言語の情報が日常的に入ってくる情報環境を整備できているということ。これは簡単じゃない。

この課題感について自分ごととして向き合っている日本の人はかなり少ない印象。人口の1%もいない感覚。その水準はほかの国では当たり前ではない。日本語の情報の質が高いかどうかの問題ではなく、その外側に圧倒的物量で広がる非日本語情報の世界についての感覚を持てていない人がほとんどということ。

これは本当に逆説的な話で、日本語で世界についての情報がある程度取れてしまう環境をみんなが頑張って作っているから、非日本語の情報をわざわざ取りに行くという「小国的な振る舞い」をするインセンティブが日本人にはない。けれど、それによって日本人が失っているものはかなり大きいのかなと思う。

スケールをずらした比喩になるけれど、要は生まれてから死ぬまでずっと地方紙だけ見ていて、全国紙で何が言われているのかその存在を意識することすらないような状況をこの国の人たちは自然と選んでいる。グローバルなスケールで。エリートも非エリートもみんな変わらずそうというのが自分の感覚。

また別方向にずれた比喩になるけれどアメリカ留学時に思ったこと。かの国ではエリート含めて長期休みに広大なアメリカの国内を旅行する。エリートでも海外行ったことない人がとても多い。これすごいアメリカっぽいなと思うのだけど、日本人のメディア消費は同じ構図でとても日本っぽいのだと思う。

まあ何が言いたいかと言うと、色んな技術とかのお陰で潜在的にできることが増えたとしても、ちっぽけな人間が歴史的に負荷のかかった特定の環境に産み落とされる構造は何も変わっていないということ。地球人として考える。言ってる人はたくさんいても、できてる人は誰もいない。つまり、これは課題だ。

この課題は軽々しく「解決する solve」なんて言葉を当て込むようなものではなく、まずはその課題の存在を「認識する recognize」、次にその課題に「取り組む tackle」という感じかなと思う。自分なりに細々とやっていけたらなと思うし、できればその取り組みを共有するようなこともやっていきたい。

終わり。読んでくれた方ありがとうございました。

#メディア #日本語 #日本 #世界 #社会 #情報 #英語 #外国語 #エッセイ #コラム #ブログ

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望月優大

85年生。日本の移民文化・移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長。3/13発売の近刊に『ふたつの日本「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書)。現代ビジネス、Newsweekなどに寄稿。株式会社コモンセンス代表として非営利団体等への支援にも携わっている。

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コメント4件

はじめまして。
YouTubeのコメント欄を見ていると、英語のできない悔しさを感じることが多いです。自分の感覚を世界に向けて発信できない、発信されているものを的確に読み取ることができない悔しさ。
その上で、各民族固有の文字を見ていると、「海の向こうからは平仮名もこう見えるのだな」と相対化されて感じます。
固有の言語は「檻」ですが、そうはいっても固有の美しさがあり、いずれを選ぶことも捨てることも出来ないのがジレンマです。
海外在住です。日本に限らず各国ごとに偏った情報が行き交っているのを、日々実感しております。近代国家における、弊害かもしれません・・・。
日本人が日本語に縛られているのはその通りだと思いますが、小国には自国メディアがないというのはちょっと。。。
まさに仰る通り。私も日本語と英語の書籍出版数などを比較したことがあります。
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