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2018年 Album Of The Year ジャンル別

2018年 Album Of The Year - Long List ver. -

11月中頃、各所より年間ベスト関連の掲載を依頼していただきました。ありがたい。こういう依頼が、自分の一年を振り返るのにとても役立っていて、「この新作について、あいつと長々LINEでやりとりしたな」とか、「あ、この新譜聴いた夕方に渋谷へライブ見に行ったな」とか、結構、鮮明に思い出せるものです。

さて、今年の年間ベストですが、凄い悩みました。。。
なぜなら、良い作品があまりにも多くリリースされたからです。
特に、JAZZ。
ジャズは毎月のように、ビックリするような新しさを提示したアルバムが次々とリリースされていて、ストリーミング・サービスがなければジャズの新譜だけで破産する勢いでした。
今年新しいバージョンが出版された【Jazz The New Chapter 5】では、今回も引き続き参加し、選盤にも関わりました。
これは公表しても良いと思うので書きますが、あのニューチャプター5に掲載されているアルバムたち。実は、掲載候補として取り上げた250作以上の中から、試行錯誤して選んだものなのです。
ニューチャプター4以降にリリースされた作品も取り上げるため、2017年のアルバムも掲載されていますが、2018年の上半期だけでいかに充実した内容のアルバムが世に出たかが分かるのではないでしょうか。

ということで、オールジャンルで年間ベストを選んでしまうと、ほとんどがジャズ作品になってしますので、自分勝手なジャンル基準で振り分けて選んでみました。今年は自分の聴取環境が、レコードとCD、BandcampとSpotifyでしたので、Bandcampにあるものはアルバムの中からのオススメの一曲を、Spotifyにあるものはアルバムそのままのリンクを置いておきます。

最後までお付き合い頂いたのち、まだ聴いていなかった未知の作品に出会える切っ掛けになれば、本望です。

<前半>

【ROCK & POS (バンド編)】 - 後日ソロ・ミュージシャン編を公開 -

ビッグヒット作がバンド音源であったかと問われると、2018年は思い浮かびにくいかもしれない。しかし、シカゴとN.Y.、モントリオールから出てくる音源には、ロック・バンドにしか出来ない演奏の揺らぎやハーモニーの重ね方に、いくつもの新しさを感じて興奮した。それに反比例するかのようにリズムに関しては、面白いと思うバンドには出会えなかったのが心残りだ。

自分がライナーノーツを担当したカー・シート・ヘッドレスト / Twin Fantasyがリリースされた2月くらいから予兆は感じていたが、ロックバンドにも”コンセプト・アルバム”的な、頭から最後まで一つの物語が進んでいくような作品が、いつの間にか増えていた。ブームだったプレイリスト偏重からくるシングルの乱立から次第に移行し、来年はロックバンドのアルバムに「大作」と呼ばれるような練りに練られたものが、次々とリリースされると思う。

1. bernice : Puff LP: In the air without a shape

2. Car Seat Headrest : Twin Fantasy

3. Virginia Wing : Ecstatic Arrow

4. Monobody : Raytracing

5. Dirty Projectors :  Lamp Lit Prose

6. Grapetooth : Grapetooth

7. The Dodos : Certainty Waves

8. The Sidekicks : Happiness Hours

9. Low : Double Negative

10. Ava Luna : Moon 2

11. Middle Kids : Lost Friends

12. Bodega : Endless Scroll

13. They Might Be Giants : I Like Fun

15. LUMP : LUMP

16. The Garden : Mirror Might Steal Your Charm

17. Hop Along : Bark Your Head Off, Dog

18. Spiritualized : And Nothing Hurt

19. The Milk Carton Kids : All the Things That I Did and All the Things That I Didn't Do

20. Wild Pink: Yolk In The Fur

【OHTERS : フランス語圏/ 南米/ アフリカ/ クラシカル/ サウンドトラック/等など】

フランス語が公用語の一つでもある、カナダはモントリオールやケベックからは追いきれないほど面白い作品がリリース。イシス・ヒラルドは、最先端のミュージシャンをいとも容易く繋げて、恐ろしいくらいど真ん中な新作を発表した。南米はブラジルやチリのインディー・ロックも、欧米のサイケデリック・ロックとは違った音響で、「ワールドミュージック」というカテゴリーは最早、無意味だと教えてくれた。相変わらず、最新クラシカルの牙城レーベルであるNEW AMSTERDAM RECORDSからは、ジャンルを飛び越えたミュージシャンが今年も新作を出している。アフリカからのミュージシャンたちや南米諸国からの新作をあまり聴けてないので、12月の中頃にディスクユニオンのラテン/ワールド館が発表する年間ベストを見て、知らなかったミュージシャンを買いに行くのを2019年正月の予定とする。

1. Clau Aniz : Filha de mil mulheres

2. Arooj Aftab : Siren Islands

3. Chiquita Magic (Isis Giraldo) : It's different


4. Tosin Aribisala : Afrika Rising

5. Quartabê : Lição #2 : Dorival

6. Ammar 808 : Maghreb United

7. Tigue : Strange Paradise

8. Yeni Nostalji : Yeni Nostalji

9. Imarhan :Temet

10. Gilberto Rodriguez y Los Intocables : Sabor Maracuyá Desnuda


11. Hailu Mergia : Lala Belu

12. Okonkolo : Cantos

13. Ninos del Cerro : Lance

14. Nick Zammuto : We The Animals: An Original Motion Picture Soundtrack

15. Ricardo Dias Gomes : Aa

16 . Gurrumul : Djarimirri: Child of the Rainbow

17. Nacho Vegas : Violetica

18. Fatoumata Diawara : Fenfo

19. Melissa Laveaux : Radyo Siwel

20. Magos Herrera & Brooklyn Rider : Dreamers

【Electronic Music】

大枠としてエレクトロニック・ミュージックとカテゴリー化してみると、随分とバラエティに富んだ作品がリリースされた年だったと感じる。アンビエント系は、より音と音の狭間のレイヤーを重視する音作りに、イーブンキック系は曲展開に工夫を凝らしアルバム・コンセプトに沿った音で全体をまとめるような作品に惹かれた。そんな中でも、ラフでアイディア勝負なRemixを突然BandcampやSoundCloudにアップしてくる、Jay SilkやAse Manualには、90年代のハウスのようなワクワク感を味合わせてもらった。Jay SilkやAse Manualの音源は権利の関係上、あっという間に削除されたりするので、アップされた曲を見つけたら、すぐに聴いてみることをオススメする。

1. Jaymie Silk : Jaymie Silk Edition (series)

2. Colin Self : Siblings

3. Lotic : Power

4. Oliver Coates : Shelley's on Zenn​-​La

5. Heather Leigh : Throne

6. Mind Over Mirrors : Bellowing Sun

7. Uppy : Medicute

8. KYO w/ Jeuru : All The Same Dream

9. Arp : ZEBRA

10. Sweet Valley : Eternal Champ II

11. Marie Davidson : Working Class Woman

12. Essaie Pas : New Path

13. Elysia Crampton : Elysia Crampton

14. ginla : Codex

15. Leon Vynehall : Nothing Is Still

16. Hieroglyphic Being : The Red Notes

17. Eartheater : IRISIRI

18. Lucrecia Dalt : Anticlines

19. Laurel Halo : Raw Silk Uncut Wood

20. KOKOKO! : Liboso


後半は、後日アップ予定


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