滝川に通いながら・・・。

『とにかく早く片付けないと・・・』そんな思いにさせられてしまった自分。掃除用具や洗剤も大量に必要だったため、インターネットを使い購入したものの発送先を自宅にしたくても不在なので、ちゃ~しゅう工房宛てで発送手配したのですが、どうもそのことから、再開するものと思われたのか、窓越しに作業してる姿からなのか、知らない間に噂は「再開する」となっていたようで・・・。

時々お客様から『いつ開店ですか』と聞かれたときは『閉店したんです・・・』と伝えながら片づけしていたのですが、ある日のコンビニでコーヒーを買って会計していると店員さんに『いつオープンするんですか?』と聞かれてしまったのです。私は『えっ??なんのことですか?』と返すと
『ちゃーしゅう工房さんですよね?』と聞き返されてしまうこともありました。滝川に来て1週間くらいの頃に知らない人に声を掛けられたりで、世間の狭さや噂の広がりを感じたのでした。

その頃は自宅から滝川まで片道2時間の移動をしながらの片づけでした。さすがにガソリン代だけでも結構かかるので、お店や車の中で寝泊まりした日もありました。そろそろ片付けも一人で行うことの限界を感じた頃、周りの人たちから『このままお店をやったら?』と言われることもありました。
しかしながら開店資金もない。貯金はありましたが、いつかの車やバイクのために貯蓄していた小さいお金でした。
そんな時、大家さんが『小野君ならここでやってもうまくいく。やれないか?』と言うのです。
私は『だってこの場所は他の人に貸すって言っていたじゃない?』
大家さん『その話はなくなったんだ。お金のことだったら車を買うように借りればいい』と言うんです。
私はサラリーマンを定年退職した後にちゃーしゅう工房を開業できたらという思いはありましたが、コロナ過の中での開業は時期が早すぎると思ったのです。
それで私は信頼できる相談相手5人のうち、一人でも反対したら開業しないでおこうと考えて、5人に相談にいきました。結局は5人とも私の予想に反して賛成という結果になり、最後のひとりには帰り際に「開店祝」と書いてあるご祝儀袋までいただいてしまいました。
『こうなったら開店するしかない!』となった私は、大家さんに意向を伝え、開業準備をはじめていくことにしたのでした。と同時に引っ越し先を探さなければいけなくもなりました。ついでにと思った私は大家さんに部屋の相談をすると、大家さんはすぐに空いている部屋の鍵を渡してくれ、その部屋に住むことにし、引越し作業と開業準備、店の片づけと清掃を並行して始めたのでした。

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