【百科詩典】せいとぞく【聖と俗】

僕が育ったのは坊さんと歓楽街、聖と俗の正反対が同居する世界でしょう。
貧相な坊さんの脇を、綺麗に着飾った舞妓さんが通り過ぎる。
一方でそんな彼女らが、寂しくて故郷には早く帰りたいと、お宮に願をかけてる姿を見たりもする。
人間とはそもそも一筋縄ではいなかい存在なんだと、自然に感じた。

~鷲田清一