【百科詩典】しょうひしゃ【消費者】

(①週休二日制の実施、②実際の働き方の変化、③コンビニの広がり)
この三つの変化は、新たな階級としての「消費者」を大量に生み出した。
ここで言う「消費者』とは単に市場における消費行動をするもののことではない。
金さえあれば、誰からも命令されることなく自由に働き、自由に生活し、自由に余暇を楽しむことができることを内面化したものの謂である。(中略)
「消費者」が持った解放感は、日本の歴史上稀有のものだったように思える。
金の力が、個人を解放するという幻想を多くの日本人が共有したのである。
ただし、金さえあればの話である。

〜平川克美「『消費者』主権国家まで」