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世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい

Jazztronik / 良いとこどり mix
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友達に Jazztronik をおすすめするためにプレイリストを作りました。
興味のある方の為にシェアします。

ジャズ、R&B、ダンス、ポップス、ピアノ。
様々なジャンルを自由に行き来する Jazztronik の美味しいところを凝縮させた YOKUMOKU のクッキーアソート的なプレイリストです。
もらうと嬉しいあれです。

好きな曲を見つけたら、是非その先にフルアルバムまで聞いてみてください。

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今日のブログのタイトルはドキュメンタリー作家、映画監督の森達也さんのエッセイから。

世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい 

森達也さんの映画の代表作はオウム真理教のドキュメンタリー " A "。
最新作はゴーストライター問題の渦中にあった佐村河内守さんのドキュメンタリー " FAKE "。

「白黒なんてありえない、見るものによって悪は正義になるし、正義は悪に変わる」
対象は見る角度によっていくらでも変わる、と言うのが森達也さんの主張。

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なぜ森達也さんのエッセイを思い出したかと言うと、昨日、麻原彰晃についてのこの記事を読んだから。

面会「拒否じゃなくて」部屋から出てこられない、父・麻原彰晃(松本智津夫)は昏睡状態にあります。

書いているのは麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚の三女・松本麗華さん本人。

記事の中では麻原彰晃は精神が崩壊していて、判断能力が無いにも関わらず、治療を受けられていないと書かれている。

今から4年前、僕は森達也さんの講演に行った。
その講演の少し前、森達也さんは初めて麻原彰晃の裁判を傍聴しに行ったらしい。
麻原彰晃の臀部はオムツで膨らんでいて、6人の医師の精神鑑定を見るまでも無く、麻原彰晃の精神が崩壊しているのが一目で分かったという。

松本麗華さんの記事ではこう書かれている。

当時、ある精神科医の先生は、父に治療をすれば数ヶ月〜半年で病気がよくなるとおっしゃっていました。なぜその数ヶ月の治療期間すら、裁判所には認められなかったのか。それが残念でなりません。

なお、先生は最近も、父は治療すれば半年ぐらいで病気がよくなるとおっしゃって下さっています。

父は現在も心神喪失の状態にあります。心神喪失の状態の人への死刑執行は、刑事訴訟法479条1項に反し違法です。

憲法31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と規定しています。

では父は?

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日本という国は犯罪者にも人権を与えている。
心身崩壊している麻原彰晃は治療を受ける権利がある。
訴訟能力のない麻原彰晃は死刑判決を受けないはずである。

僕は守れないルールは変える必要があると思っている。
ルールは守られない限り機能していないのと同様だから。
そしてそのルールがある今は、麻原彰晃は死刑判決を受けないべきであり、精神治療を受けるべきだと考える。

麻原彰晃を救いたいわけじゃない。
「人権を持った一人の人間が、国家に隔離されて死に追いやられる」
これはおかしいよね。
これからのために、僕たちは考える必要があると思う。

僕は森達也さんのファンだから、オウム真理教のことについての多くのことを、森達也さんの作品を通して知ってきた。

森達也さんはオウム信者ではないし、あくまで外の立場からドキュメンタリーを撮っているのだけれど、「ドキュメンタリーに客観性、公正さは存在しない」
これは森達也さん自身が言っている。

そんな森達也さんの作品を通してオウム真理教のことを知ってきた僕の知識には、かなりの偏りがあるだろう。

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去年、新宿で友人とオウム真理教について話していた。
その時も僕は今回と同じように「麻原彰晃が死刑判決を受けるのはおかしい」と主張していたんだろうと思う。

しかし、その友人が口を挟んだ。
「私の父がサリン事件の時近くにいて、間一髪で被害を免れた」
あの時、私とお母さんはニュースを見ながら父が無事か心配でならなかった、と。
それを聞いて、僕はさっきまで唾を撒き散らして大声で主張していた口を噤んでしまった。

被害に遭いそうだった彼女の前でこれで、実際に被害に遭った遺族の前で僕は同じことを言えるのだろうか。

法律や事件に対して知識が乏しい今の僕の覚悟では、不特定多数の見ている自分のブログで主張するのが精一杯。
安全なところから抜け出せず、情けない。
無責任かもしれないけれど、でも、少しでも多くの人にこういったことがあることを知ってもらいたいし、考えるきっかけになりたい。

先日終結したオウム真理教の裁判の結果は、ここに数秒で読める記事にまとまっています。

オウム真理教の裁判が終結
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インターネットがある今、僕は海外からも松本麗華さんの書いた文章を読むことができる。
しかし、森達也さんが " A " を作った20年前は違った。

サリン事件後の当時、日本国内に " A " を上映してくれる劇場は無く、森達也さんは海外に行くしかなかったとどこかで読んだ。
当時から今のようにインターネットが普及していたら、森達也さんの行動はきっと変わっていただろう。
もしかすると、今ほど " A " が海外で評価されていなかったかもしれない。

20年前、若かりし森達也さんの逆境に負けないバイタリティのおかげで " A " は日の目を見ることになり、僕は時を超えて事件について考えるきっかけをもらえた。

今回この記事を書くにあたって " 世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい " のアマゾンレビューを見た。
そこには、作中にあったらしい「僕は思考停止しているのかな」という森達也さんの言葉が抜粋されていた。

僕はそれを見て無知の知と同じ構図を思う。
本当に知識がある人は自分を無知だと思い、本当に考えている人が自分が思考停止しているかもしれないと疑うんだろう。

この記事を読んで森達也さんに興味を持った方。
森達也さんの作品を最初に手に取るのに " 世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい " はとてもおすすめです。
本の中ではオウム真理教についてだけでなく、小人プロレスについてや、放送禁止歌についての記述もあった ( と記憶しています ) 。

世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい

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道に迷いながら自転車を漕いでいたら日が沈んでしまった。

たまたま辿り着いた公園には、ベンチに座り、夜を眺めるおばあさん。

あなたは何を見て、何を考えているのか。

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今回久しぶりに note に投稿しました。

読んでいただき本当にありがとうございます。

毎日ライブドアのブログに記事を書いています。

琴線に触れたら是非他の記事も読みに来てください。

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