見出し画像

COOの「限界」と「超越」 ~メンタルモデルの破壊創造定着~

毎年のように感じる限界

COOとして早6年が経とうとします。自分自身は学生起業でいきなりCOOとなり、何もわからないところからのスタートでした。そして、だからこそ毎年のように自分の限界を感じます。スタートアップにとってのCOOとは限界との戦いだと思うのです。CEOは旗を掲げることが仕事です。その旗は出来るだけ大きく、魅力的なものが良い。そこに実現可能性という視点は多くの場合不要です。COOはその掲げられた旗に対してどう実現していくのかを考え、実現していく必要があります。そして、毎年掲げられる壮大な旗に、あまりにも高い目標に心が折れそうになるわけです。賢く考えれば「そんなものはできるはずがない」その一言で終わりにすることができます。「これが現実的です」と。ただそれを言った瞬間にCOOとしての役割を終えます。それができるかどうかを考えるのではなく、それをどう実現するのかだけを考えるのが数多あるプロフェッショナルCxOがいる中で、何のプロフェッショナリズムも持ち合わせないCOOとしての役割だと思うのです。少なくとも自分はCOOをそう捉えて仕事をしてきました。そして今年もまた大きな限界を感じる瞬間がきました。目標の桁が一つ上がったのです。二倍なんて次元じゃありません。桁が上がるということは10倍になるということです。最初は何を言ってるんだと思うわけです。そんなことは現実的ではないと。ただそこからがCOOとしての勝負です。自分が不可能だと考えれば自分の部下は全員不可能だと考える。だからこそ、短期間でそれが可能ではないかと本気で考えられる自分に変わらないといけない。それがCOOとして限界との戦いです。

どうやって限界突破するか

これから先、自分が限界を感じた時にどうやって限界を突破し新たな思考、メンタルモデルを構築するかについて書いていきます。重要なことは、これは価値観や自分の能力を変化させることではないということです。自分の物事に対しての認知方法=メンタルモデルを変化させることで、短期間で人間は思考が変化し、限界を突破できる準備ができるということです。壁にぶち当たったり、大きな目標に立ち向かう必要があったり、限界を感じた時、参考にしてもらえれば幸いです。

その1:新しいコンセプトを探す

限界を感じた時にまず行うべきは新しいコンセプトと出会うことであり、それを探すことに全力になることです。人が限界を感じる要因のほとんどは既存の物の見方(メンタルモデル)にあるからです。そしてそのメンタルモデルを変える最も効果的な方法は新しいコンセプトに出会うことです。新しいコンセプトは既存のメンタルモデルの大きな楔を打つことができます。新しい可能性を感じ始めるのです。今までの考え方では無理だったけど、こんなコンセプトをもとに考えたらできるかもしれない。そういう可能性の感じるコンセプトに出会うまで、探し続けるべきです。コンセプトは世の中に散らばっています。本でもネット記事でも人の話でも。わかりやすい名詞としてたくさん存在します。全ての状況において全てのコンセプトが有用なことなんてありません。自分のその時に感じる限界を打ち砕く、コンセプトに出会えるかが重要です。限界を感じながらコンセプトを探し始めると、希望の光のように見えるコンセプトに出会うことがあります。今年の自分もまさしく、新しいコンセプトに出会ったことにより、光明が見えました(新しいコンセプトについては別の機会でまとめようと思います)。限界を感じた時には悩むことでも、自分で考えることでもなく、新しいコンセプトを探す。それが見つかるだけで限界突破の半分は達成したようなものです。

その2:インプットを3倍に増やす

コンセプトを見つけたら、インプット量も一時的に3倍まで増やしてください。増加したインプットは新しいコンセプトに紐づいて、一気に視野が広がっていきます。ここで重要なことはコンセプトがコアにあるからこそ、新しい情報が有機的にそのコンセプトと繋がって、情報の密度が高まるということです。インプットに関してはもちろん常時行なっていくことも重要ですが、個人的には新しいコンセプトと出会った瞬間こそ、最も吸収性の高い時期に突入すると考えますので、新しいコンセプトに出会ってからの1ヶ月間は特にインプット量を増やすことをオススメします。

その3:ゴールの更に3倍先を想像してみる

新しいコンセプトと出会い、インプット量が増えると今まで見えてなかった可能性が見えてきます。ここで人間の性質を利用してその目標の認知的難易度を下げていきましょう。つまるところ、もっと難しいこと、もっと大変なこと、もっと大きなことを想像してみるのです。その目安がゴールの更に3倍先です。時間軸で3年後のゴール設定をしているのなら約10年後を。現時点でのゴール設定の更に先を想像すると、なんだか今のゴール設定がそこまで難しいことではないように認知し始めるのです。比較して相対的に難易度が低いと脳が勝手に錯覚し出します。例えば富士山に登ることを想定した時に、富士山だけを想像すると難易度は高いように見えます。しかし、一度エベレストを想像し、どうやってエベレストを登るのかを調べ、イメージしていくといつしか、富士山がそこまで難しいものではないと認知しだすのです。難しいゴール設定の時こそ、更にその先を見ることで認知的難易度を下げることができ、もしかしたらできるかもと限界突破の道筋が見えてくるのです。

その4:日々使う言葉を変える

思考というのは言葉で行なってます。言うなれば、自分の使う言葉によって思考は構成されているわけです。日常的に使う言葉を変えたら、勝手に思考も追従していきます。意図的に使う言葉の規模や単位を大きくしたり、ポジティブな言葉にしたり、強い言葉に変えてみてください。今まで1億と言ってた言葉を10億に変えるだけで、人間の思考は10億に耐えられるようになります。それが可能だとこれまた錯覚し始めるわけです。一週間で良いので自分の使う言葉を意識的に変えてみてください。それだけで一週間後に自分の思考が大きく変化していることを実感すると思います。

その5:誤差の仕事を全て捨てる

世の中の仕事には全てに意味があり、全てが重要です。手を抜いてやって良い仕事なんて一つもありません。しかし、それと同時にそれぞれの仕事が持つ会社全体への影響度というものがあります。経営者なのであれば、影響度が高いもののみに手をつけるべきです。限界を感じる瞬間というのは往々にして業務量が水準を超えており、心に余裕がなく、集中する時間に欠けている場合が多いです。そんな時はいっそのこと、良い機会として今持ってる仕事を捨てていきましょう。そして、その時の基準となる判断基準はその仕事が誤差の範疇なのか、そうじゃないのかという基準で分けていってください。その仕事の成果がどうであったところで全社として「誤差」の範疇に収まるのであればそれは経営者がやる仕事ではありません。目の前の重要度や緊急度で判断するとこの判断を見誤ります。確かに目の前に非常に角度の高い商談があったら行きたくなります。自分にしか対応のできないお客様がいるかもしれません。しかし、その成果が会社として誤差の範疇なのであればいっそのことメンバーに任せてしまいましょう。経営者は誤差の仕事なんてするべきではありません。短期の数字がそれで少し悪くなろうが、それは誤差です。

その6:成功するイメージだけを想像する

ここまでくると随分と思考に大きな変化が生じてるはずです。新しいコンセプトとインプットで光明が見え、時間軸と言葉で脳が錯覚し、実態として誤差の仕事が全て消え去った。最後はこのイケると思った状態をとにかく鮮明にイメージすること。そのイメージだけを一定期間持ち続けることです。この期間、イケない理由を見つける必要はありません。なぜなら思考変化によって限界を突破することが目的だからです。だからこそ、成功するイメージだけを、成功する理由だけを見つけてください。すると、いつの間にか成功することが前提となります。その上でリスクを察知したり、ワーストケースを考えられるようになるわけです。

その7:成功した時の報酬を具体化する

最後にこの限界突破という行為はものすごく背伸びをすることです。それはとても苦しいことでもあります。本来、ここまでの背伸びをする必要はないかもしれません。しかし、成長するには、大きな目標を達成するには、こうやって限界を常に超えていかなければなりません。自分のためにもそこまでする理由を見つけてあげてください。この限界を突破した時に何が起きるのか、その具体的な報酬(金銭以外も含めて)を鮮明に具体化してください。これが見えていない限りは、この限界突破はいつか苦しくなり、限界を迎える可能性があります。限界突破とは一定のロングスパン背伸びすることによっていつの間にかそれが自分にとって当たり前となる思考変化を指します。そのロングスパンを耐えられる理由をきちんと見つけておきましょう。途中で離脱することほど、非合理的なことはありません。

限界を突破できなくなった時がCOOの潮時

COOを務める身として、一番恐れることは自分が経営におけるボトルネックになるということです。そして、限界を感じる時というのはまさにその最高潮なわけです。その度に限界突破を試み、これまでなんとか限界を超えてきました。そして、それはこれから先も毎年のように続くでしょう。それがCOOという役割なんだと思います。自分の限界と向き合い続ける。それができなくなった時、僕はCOOを辞めるのだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?