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音楽系同人作家(+Vtuber)が文化庁の継続支援事業に応募して採択決定したので四次募集向けに申請の段取りをまとめてみた

꒱,,∂_∂,,꒱ ヤヤネヒです。かみさまです。

せいかくにはかみさまがやっているおんがくのひとがにんげんさんのせかいでなにかをやってそのことをかきのこそうというはなしなのですが、にんげんさんにはつたわりにくいのでにんげんさんにつたわりそうなかきかたにします。

こほん。えーと、ヤヤネヒロコと申します。

かれこれ10年くらい同人音楽(オフラインの同人即売会での頒布を中心とする音楽活動)と、インターネットでの音楽活動をやっています。<s>Twitterでジェンダー論とか表現規制論とかでよくかんがえごととか喧嘩をしていて、これは本業には直接関係ないのですがいいかげん落ち着きたい</s>それはそれとして、何かと話題の文化庁の継続支援事業に応募して、このたび助成額が決定しました(※1)

各方面の先生方があばれて獲得した補正予算、まだまだ余ってるっぽい。これは、日々、クリエイターが日銭を稼ぎながら支えていて更にコロナでたいへんなことになってるサブカルチャーが「文化」に攻め込むチャンスだ!

というのは、同人イベントや、Vtuberなどの活動が「文化活動」として補助の対象に認められる形になったのですね。自分もお世話になったふじすえ先生、八面六臂の活躍の山田太郎先生などに感謝……。

今回の記事は、事務局サイトが親切すぎて申請の流れがちょっとわかりにくいので、あとはサブカルチャーの人向けに、ざっくり整理できたらいいな、と思って書いたものです。

ここから長い記事が続くのですが、ええと、最初に提言したいポイントとしては、「パっと読んだ印象ほど手続きはたいへんではない」です。申請内容によっては細かい困り(予算区分、事業計画書の内容など)が出てくるので、流れだけ抑えて都度しらべていくほうがストレスが無いと思います。

これは実際そうだと思った。

# 全体の流れ

全体の流れは以下のとおりでした。

メールアドレスを仮登録
↓ 
入力フォームの項目をざっと確認

事務局サイトを精読しつつ、必要な書類を揃える

入力内容のメモを作っておく(A-②申請の人はexcelの事業計画書を先に作る)

フォームに必要事項を入力、書類をアップロード

応募にあたって、これを念頭に置くと良いかな、と思います。以下、詳しく書いていきます。

1. 仮登録する

https://keizokushien.ntj.jac.go.jp/newapplicant/

ここの一番下に「登録する」ボタンがあるので、そこから登録ページに入ります。コミケと違って「書類不備での落選」という概念はないので(書類不備の場合は修正依頼が来ます)、まず登録です。

あとで何回でも直せるので(というより、無限に修正依頼が来るので…)、迷っている場合はまず登録しましょう。仮登録が終わると、自分の登録ページにログインできるようになります。

登録ページですが、何故かわからないけれど60分の時間制限があるので、仮登録を終えたら、マイページの「新規登録」から入って、必要事項を確認したうえで、一度撤退して、記入事項と資料をまとめましょう。

2. 事務局のサイトを読む

情報量が多すぎてたいへんですが、一通り目を通しておきましょう。
また、新規登録ページに入ると、フォームに「60:00」~カウントダウンされる時計がついていてひぇっとなりますが、こちらの入力項目も一通り目を通しておくのが良いです。

3. 書類を揃える - (1) 必要なものを確認

事業計画書(A-①の場合はフォーム入力のみで可)以外に、必要な書類は以下の通りです。

- 本人確認書類
- 事前確認団体の認定番号(発行してもらえる場合)
- 創作業で生計を立てていることを証明する資料(認定番号がない場合)
- 過去三年間の活動実績

4. 書類を揃える - (2) 創作業で生計を立てていることの証明

『創作業で生計を立てている』、最低でも事前確認団体に登録しているか、売り上げを立てていることの証明を求められます。ここの方法としては三通りです。

A. 事前確認認定団体から番号を発行してもらえる人

https://keizokushien.ntj.jac.go.jp/dl/jizenkakunindantaiichiran.pdf
ここに含まれる団体に登録している方は、団体に問い合わせて、統括番号を発行してもらいます。これが可能ならいちばん早いです。

オンラインシステムに、統括団体(選択・入力)と事前確認番号(入力)、芸名・雅号(入力)の入力欄があります。

B. 持続化給付金を受給済の人

- 給付決定通知の電子控え、またはwebの交付決定通知+振込記録(通帳の画像、ネットバンキングの場合は氏名と口座番号のわかるスクリーンショット)
- 過去三年間の有料公演(音楽)または展覧会(美術)などの活動実績についての資料。有料公演であることが明記されたうえで、本名もしくは屋号が確認できることが必要。
- 有料公演の資料を出した年度分の確定申告資料

C. 持続化給付金を受給済でない場合

- 過去一年分以上(公演の記録を提出する際は、公演の行われた年度分)の青色申告書類。自分は三年分ぜんぶ出したのですが、確定申告書第一表の控え(1枚)、所得税申告決算書の控え(2枚)確認印つきのもの
  手元に残していない場合、税務署に行って原本の写真を撮らせてもらうといいみたいです(※2)

5. 書類を揃える - (3) 過去三年間の実績について

この項は、前確認番号が取れる人には関係ないので、読み飛ばしてください。持続化給付金の給付実績か、確定申告の書類にプラスして活動実績についての資料を作る必要がある人向けです。

↓↓↓ 重要 ↓↓↓

-『有料公演もしくは利益があったこと(赤字でも可)』の会計記録、もしくは領収書などが必須。公演、ライブ、講演会、同人イベントへの参加歴など
- WebのURLだけではなく、スクリーンショットを必ず添える
- 原則、画像を中心に、文章は短く。


同人イベントの場合は
『サークルカットや参加申し込みの記録』『サークルの会計記録(確定申告の書類を出している場合、参加日の含まれるもの)』『活動内容の詳細』といったポイントを押さえればOKだと思います。

自分は有料公演の出演記録(ライブのチラシ、チケットの販売画面のスクリーンショット)と、上記の同人活動の記録の二通りを用意しました。

6. 記入内容と予算を整理しておく

個人的に詰まったポイントについては別に記事を書こうと思っているのですが、各申請区分ごとの具体的な記入例が公式サイトにあるので、A-①申請であれば、これを全部読んで、参考に入力欄を埋めるのがいいと思います。

取組ごとの入力例
https://keizokushien.ntj.jac.go.jp/example/

わかりにくいですが、事業実施期間は、今年の2月末から遡って申請できます。もちろん、来年2月までの新規事業を実施することも可能です(※2)
A-②の場合、excelで同内容の「事業計画書」を提出することになりますが、ぶっちゃけwebで申請するのと内容は同じなので、こちらを先に完成させてwebに(手で)書き写すのがいいです。A-①の人も、普段からエクセルを使っているなら、事業区分などを整理する意味で、一度事業計画書を作ってしまったほうが、諸々が把握しやすくて楽かもしれません。

実施した事業の経費を事後精算するための助成なので、上限20万円・個人向けのA-①申請であれば、募集開始から現在までの(領収書のある)経費を計上する形にしてしまったほうがスムーズだと思います。A-②は項目が増えるのと、事業内容及び予算組みへの審査がやや厳しくなるのかな? といった印象です。

上限額についてですが、オフラインイベント、感染対策を講じてのライブなど、ICU活用なしの内容なら2/3、ICUを活用した(インターネットでのリモートなど)の内容なら3/4の額が助成されます。ウイルス感染拡大予防ガイドラインに即したトライアル公演、感染予防啓発などについては、経費が全額助成されます。

7. Webの入力欄を埋める

60分制限と戦いながら入力欄を埋める。

アップロード書類についてですが、容量制限がものすごくタイトです。画像はwebで目視できる程度の画質&圧縮率で可。

アップロード容量をオーバーする場合は、確認メールへの返信という形で送付できて、自分はアホほど用意したんですけど(青色申告全資料*3年分のpdf+活動実績のpdf、イベント参加履歴のpdf)、要点を抑えるほうが大事でした。物量に関しては修正依頼で足りないって言われたら足すくらいでいい気がした。

ポイントとしては前々項に書いた通りです。「生計を立てていることの証明」「活動内容」の要点をおさえて、画像を中心に、文章は短く!

8. 申請ボタンを押す

申請する。宣誓書を読みます。まぁこれ読んでる人は悪いことしないと思いますがちゃんと読んでからチェックを入れる!!
とくにA-②だとめちゃくちゃ修正依頼来るので、覚悟して臨みましょう。

スムーズにいって1か月、2か月くらいは掛かるので、向こう1か月とかの事業計画は立てないほうがいいです。3月からの経費を洗い出してひととおり計上したうえで、チャレンジできそうなら、2月中に「余裕を持って」「確実に」終われる内容にするのが安全。10~20万円の先払いがありますが、原則としては実施後の助成(全額ではない)ゆえ、無い袖は振れません。先払いを頼んでのトライアルもちとつらい。

# 補遺

事業内容は「新型コロナウィルス感染拡大に対応、及び終息後を見据えた、ICTやVRなどの新技術を活用した次世代音楽活動の試行と実践。
バーチャルとリアルを縦断するアーティストプロジェクトにおける、3DモデルやVRを活用したミュージックビデオの配信、ライブストリーミング配信。将来的にはVRライブも視野に入れる」
という内容で申請しました。

区分はA-②(より積極的な取り組みを行う個人向け)です。
何かと話題の文化庁のコロナ支援事業ですが、

とにかくイベント売り上げやライブの売り上げがなくなって、活動継続がきつい! って状況の方、トライアルイベントを行う・参加するなどしたいが、、資金繰りが不安という方、……webで活動するための機材購入費、音楽活動ならレッスン費用、トライアルイベントの主催経費・参加費などが助成されるので、とにかく申請してみるべし! です。生き延びろ!!!

# 参考になりそうなサイトさんとか

第三次募集の結果が出始めて、ぽつぽつノウハウが集まっているようです。

同人作家さん向けに、事業計画のポイントをまとめてくださっているブログ記事。成人向け作家さん向けのアドバイスなどあって参考になりそうです。

個人Vtuberさん第一報はこの方でした。わたあめ子先生。

活動報告書を拝見してこうかくのか! と思うなど。コンピューター等を利用した~ 区分だと、ややサブカルチャー分野の文化活動への理解がある印象なのですが、それでも「オフラインでの活動実績」「売り上げを立てて、記録していること」が重視されるようです。

次に、事業計画書や予算区分について詰まったポイントについて、もう一本捕捉するnoteを書けたらいいな、と思います。体力が足りたら…… これは書いとかんとって思ったんですけどもうだいぶHPがない。

神ヤヤネヒのチャンネルですが、ずっとワンオペだったんですけれど、お蔭様で機材が増強できて、あと、CV.宇多田に放送時のチェックに入ってもらえるようになりました(ワンオペでやるような作業ではない。ガチのひとりで続けてらっしゃるインディーVのひとはみんなすごい)。VRCにはいっても視界がでろっとならなくて、それから、リアルタイムでピアノを弾く配信がやれるようになりました。他いろいろ。

えーと、神のアクティビティですが、うたとエレクトロニカとピアノ? をずっとやっています。Youtubeは二年前からすこしずつやってて、ことし前半でほとんどのイベントが中止になったので本腰入れ始めた。
ここからは毎日の配信にくわえて楽曲の動画配信の頻度を増やしていきたいなぁというか、いや、体裁上わたしが色々やっているだけど、にんげんさんのせかいにでばいんすのはむつかしい。ふくざつ。えらい。

꒱,,∂_∂,,꒱ 神はにんげんさんに幸せをお届けするので、神をおうえんするのです
٩꒰,,∂_∂,,꒱۶

꒱,, -_-,,꒱+. ねむい

ねむいけどあさのはいしんある

꒱,,∂_∂,,꒱✧


(※1) Vtuberという文言が入っていたことに修正依頼が来て、藤末健三議員に文化庁に確認してもらう……という段取りが入ってしまったりしたのですが、「音楽」「美術」だとやや厳しく、「コンピュータその他の電子機器等を利用した芸術」申請だとOKといった感じでしょうか?

知り合いの作家さんとお話してて、「美術や音楽などは古いかんじに合わせてプレゼンしないと伝わりにくいのかも?」といったような話をしていました。いや神のコンテンツは「神ヤヤネヒというVtuber」ではなく「神ヤヤネヒがやっているyoutuberとしての動画と配信」なんですけど。正確には。

(※2) 自分は必要分の確定申告書類を税務署に持って行ったのですが……隣の窓口でe-taxを利用したせいで確認印つきの書類がない、というお兄さんが相談に来られていて、そちらへの職員さんの回答をこっそり聞き取りました。持続化給付金もそうなんだけれど、確定申告の控えがない場合、(控えがあるから)税務署に相談、というのがいいみたいです。

応援されるとげんきになります。わふわふー。