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半年間のカエル会議をやってみた記録③中間報告会以降の取り組みと会社の変化

この半年で、株式会社ワークライフバランス等が推奨している「カエル会議」を外部講師を交えて実施してきました。
※カエル会議とは…チームで目指す目標を設定し、その目標を達成するにあたっての課題抽出、改善案の策定をする会議
働き方を「変える」、早く「帰る」、人生を「変える」という3つの意味がこめられている

その中でやってきたこと、感じたことを、乱雑に記録したいと思います。パート3です。
今回は中間報告会という一つの区切りをを経て、どのように変化したか。そして、最終報告会を終えた後の話まで書きます。
なので、「乱雑な記録」はラストです。

パート①はこちら


パート②はこちら

〇中間報告会を終えてから~最終報告会まで

引き続き、カエル会議は月に2回程度行われました。
ただ、中間報告会までの進捗を踏まえ、
チームごとにカエル会議での実施内容が少し変わってきました。

Aチームは、自分たちで会議を回すようになりました。
毎回の会議で、「何を話し合うか」「その議題に何分使うか」「どこまで話し合うか(どこまでの結論を出すか)」をあらかじめリーダーが考え、それに沿って話を進めていきました。
また、チーム内で、司会と書記を交代制で担当し、リーダーだけが話すようなことのないようにしていました。

Bチームは、中間報告会までを経て、目標を自分事として考えることができず、嫌々取り組むメンバーが多かったことから、改めて全員がそろって、目標を話し合うところから再スタートしました。
話し合いの中で、「残業削減」というよりは、「若手の育成」に特に焦点を絞り、取り組んでいくことになりました。
その目標を決めてからは、非常に活発に意見が出てくるようになりました。もともと「残業削減」だけをフォーカスすることに対して反対していた人が特に大きく変化し、積極的になっていました。

Cチームは、
「そもそも残業をしている理由は何か」
「自分たちはどの作業を優先的にやらなければならないか」
「自分たちの役割は何か」
という根本的なところを話し合うために、自分たちの予定を15分単位で細かくつけることを始めました。
その結果、自分たちの役割として「やるべき作業」が1週間で実質40%程度しか時間が取れておらず、「やらなければならない作業」に60%程度取られていることが判明しました。
その後、自分たちの「やるべき作業」をするための時間をまずは作ることを決め、空いた時間で「やらなければならい作業」をやるというスケジュール管理をまずは心がけることになりました。

このように、同じ会社なのに各チームで3種3様の違った取り組みがどんどん進んでいきました

また、事務局としては、中間報告会で各チームから出た会社向けの意見に対し、しっかりと回答を得るべく、該当部署への聞き取り等を行いました。
特に各チームから、
「中間報告会で出した案はどうなっているんだ」
「絶対に回答しろ」
という結構強めなご意見をいただいていました。
会社に対して意見を言う場や、それに対する納得いく回答を得る機会が今まで全くなかったようで、社内の部署間での交流が全然できていなかった証拠だろうなと思いました。

そんなことをカエル会議で話し合っているうちに、あっという間に最終報告会です。
最終報告会は、中間報告会と同様で、取り組みの現状を発表しました。そう、「最終」報告会としていますが、取り組み自体は今後も継続していくものです。あくまで、2018年度の「最終」となります。
別のイベントとくっつけて最終報告会を行ったため、中間報告会よりも参加者は多く、7割程度は参加していました。

〇最終報告会を終えて

新年度になり、最終報告会で発表した取り組みが別部署でも取り入れられ、活動が始まりました。
例えばCチームが取り組んでいた「振替休日を取得するための、休日見える化カレンダー」やAチームが取り組んだ「スキルシート」を別部署も取り組み始めるなど、社内で着々と「働き方改革」への気運が高まっています。

ここで、半年間のプログラムは終え、今回のトライアルチームは一旦ここでプログラム自体は終了となりました。ただ、各チームで、4月以降も同じような会議は取り入れ、今後も継続していくことになりました。また会社としては、第2期として、別の部署での取り組みを始めていく予定になっています。

今回取り組んでみての感想です。

私は当初は、noteの記事でも書いているように、
「働き方改革・ワークライフバランスという考え方こそがこの社会を変える唯一の手段」
だと考えていた人間で、ある意味上から目線ですが、自分自身も、自分の会社の人も含め、「救いたい」という気持ちで、取り組んでいました。

ただ、実際取り組みが始まることになった際に、
「取り組み自体無理」
という意見があることはわかっていたのですが、
「残業時間削減を目標にしたくない」
「いっぱい働くことに意義がある」
「残業代がないと生活ができないから減らしたくない」と思っている社員の人もいることがわかりました。
そういう人がいるのはニュースで聞いたことはあったのですが、実際に目の前でそれを言われたことは今回初めてで、本当にそういう人もいるんだなぁという、自分の視野の狭さを恥じました。

「救いたい」というのは自分のエゴで、現状の制度によって、ある意味救われている人もいて、一概に「働き方改革は絶対必要!取り組まなければならない!」と推進してよいものではないと思いました。

その後、再度「働き方改革とは何か」「本当に取り組むべきか」ということを葛藤していたのですが、
やはり「働き方改革・ワークライフバランスは必要だ」と思います。
反対している人たちのインサイトをしっかり見抜き、そこも包括されたしっかりとした「目標」を立て、取り組むことが出来ればよいのだと思いました。

ただ、その取り組み方を間違えてしまうと、不平不満がたまってしまうだけになってしまいます。
いろんなネットニュースで、「働き方改革の現実」とかいうタイトルで、否定ぎみのニュースを見かけるのですが、そうならないように、少しでも多くの人に、「正しい取り組み方」「こういう取り組みはやめたほうがよい」ということを伝えていきたいと、改めて思うのでした。


最後に、余談ですが、つい先日、Aチームの方と飲んだ時ですが

「本当に最初はなんでやるんだよ、時間の無駄と思っていたけど、すごくやってよかったと思う。
俺は今までがむしゃらに働くことが良しと思ってたから、残業時間削減とか興味なかった。
けど、今回の取り組みで決まった制度をやっているうちに、自分のことだけでなく、後輩育成をもっとやらないといけないとか、自分の立ち位置を考えて見ることを変えないといけないと思った。半年前と今の自分でまるっきり価値観が変わったよ。」

なんて言ってもらうことができました。
それまでは、反対派はずっと反対しているような感覚でいたので、こういう言葉をようやく聞くことができて、「あぁ、やっていてよかったんだなぁ」と、実感できたものですから、こうして記事をしたためる気持ちがおきたということでした。

おわり

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