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「熱力学エントロピーの世界地図」その17 ひーろまっつん 松尾浩一

 昨日の岸田首相の会見を聴いて、私は、心底、幻滅した。何故ならば、岸田首相の経済認識自体が、日銀と全く同じで、間違った見解を持っていることを示していたからだ。 

 これまでの日本経済は、決して、デフレに苦しんで来たのではない。日本円自体の、お金自体の価値が全くない状態を、日銀が、継続して来たことに、この30年余りの間、日本経済は苦しめられて来たのである。

 つまり、この日本は、日本円のお金自体の価値が全くないことによる、潜在的インフレに苦しめられて来たことになる。

 何故、インフレが潜在的になっていたのかといえば、バブル崩壊から、最初の20年間については、日銀が金利をゼロに設定して、お金自体が全く増えない状況を作り出し、その結果、比較的、ゆっくりとした、インフレによる物価上昇をもたらしてきたが、あとの10年間については、異次元の金融緩和策を、これまでは、国際的な協調のもとで行なって来たため、あとの10年間に関しては、過度のインフレ状態が、隠れてしまい、見えなかっただけなのである。また、この30年間で、日本政府が、消費税を、3%から10%にまで、大きく上昇させてきたことも、不況下における物価上昇、つまり、スタグフレーションに、大きく影響してきたと言える。

 その証拠に、これまでの30年間にわたる日本経済においては、日本円自体の、お金の価値が全くない状態によって、経済不況が、継続して来たのである。

 そして、この30年の間に、物価は、徐々に上がっていき、今では、30年前の約2倍から3倍にまで、つまり、200%から300%にまで、物価は高騰しているのが現状である。

 タバコ一箱の値段も、30年前は、80円だったのに、今では、600円もするのだ!

 そして、この30年の間に、金(ゴールド)の価格も、約3倍以上にまで、つまり、300%以上にまで、高騰しているのが現状だ。

 そして、お金自体の価値は、金利によって決まるために、金利がゼロ、または、マイナスの状態では、決して経済は発展も、成長もしないのである。

 つまり、お金自体の価値が全くない状態で、お金自体が全く増えない状態では、経済は、決して、発展も、成長もしないのである。そのため、経済発展・経済成長のためには、さらなる物価上昇が必要だという、日銀が、心底、間違った認識を持っていたことによる、その結果が、今日の日本経済の姿に如実に現れているのだ。

 そのため、これまでの30年間という非常に長期にわたる日本の経済不況の原因は、日銀の、これまでの、心底、間違った、日本円のお金自体の価値を無くした状態を、30年間という非常に長期にわたって継続して来た、これまでの金融政策自体が、根本的な原因なのである。

 つまり、日銀が、お金が全く増えない状況に、わざと抑制して来たことが、これまで、日本経済が衰退して来た、大きな原因なのである。

 お金自体が全く増えない状態なのに、何故、お金の流れである経済が成長するというのだろうか?

 つまり、この事実に、これまで、全く気づかずに来た、日本政府と日銀が、日本経済を根本からダメにした犯人なのである。

 これまでの日本経済がデフレによる不況に苦しんで来たというのは、はっきり言って、非常に大きな間違いであり、大嘘である。このことは、ただ単に、日本政府が日銀のこれまでの大罪を隠すための、ただの言い訳であり、大嘘に過ぎないのである。

 何故ならば、デフレという経済現象は、好況時に起こる経済現象であり、市場に出回るお金を、極端に、金融引き締めによって減らさない限り、不況時でのデフレの継続など、決して起き得ない経済現象だからである。ましてや、これまで、約10年間にわたっては、異次元の金融緩和策を継続して行ってきたのであるから、好況時から継続した、デフレという経済現象など、起こり得るはずが決して無いのだ。

 そして、現在のアメリカ経済の好況時におけるインフレは、過度の金融緩和がもたらした、インフレである。アメリカは、これまで、一時的に、金利をゼロにしたことはあったが、約3ヶ月間という、非常に短期間で終わらせ、金利をプラスの状態に保ったまま、これまで来たのである。つまり、アメリカは、自らの国の経済成長を止めることは、これまで、一切して来なかったのである。つまり、日本とアメリカ経済の、この差が、現在、国の経済における、大きな差となって、現実に、現れているのである。

 そして、現在、アメリカ経済では、現在、過度の金融緩和によるインフレからの物価上昇を食い止めるために、金利を大きく上昇させて、インフレ抑制を図っている最中である。そして、このままの好景気を維持していれば、インフレ状態を、やがては脱して、物価が、落ち着いてくることと思われる。


 好況時には、お金自体がする仕事が、活発になるため、お金自体の価値が上がるために、デフレという経済現象が起き得るが、バブル経済が終焉し、好況時が、終わりを迎えた時に、これから不況に突入していくという時に、日銀は、わざと、金利をゼロに設定して、お金自体の価値を完全に無くす行為に出た。これが、そもそもの間違いの発端であったのだ。

 これから、経済が不況に入っていくという時に、お金自体のする仕事を、完全に無くしてしまった状態を継続して行なっていては、はっきり言って、経済不況から脱することができなくなるため、不況が、より長引くだけではないか!?

 つまり、経済の不況時に、お金自体の価値を完全に無くしてしまったら、不況から立ち直る術を、全く無くしてしまうのである。

 そのことに、これまで、日本政府と日銀は全く気づかずに、これまで、30年間という非常に長期間にわたって、ゼロ金利、マイナス金利と言った、お金自体の価値を、ゼロにしたり、マイナスにしたりと、心底、バカな真似を継続的に行なって来たために、日本経済が、全く成長せずに、さらに、マイナス成長にまで陥る事態を、自ら招いて来たのである。

 その上、異次元の金融緩和策により、市場に出回るお金の数を、人為的に異次元的に大量に増やしたため、現在における、過度のインフレを招くことになり、さらに、日本の経済不況を長引かせる要因を作ったことは、いうまでもない事実である。

 こんなバカなまねしかできない、日銀の総裁に対し、これまで非常に高額な給料を支払って来た、日本の国には、はっきり言って、経済について、全く理解していない人間が、この日本には、非常に多いことを、物語っている事実であろう。

 そして、昨日の岸田首相の会見における、今現在の日本経済に対する経済認識も、はっきり言って、全く逆で、間違っているため、この首相に、このまま、日本の経済の舵取りを任せていたら、この先、日本経済が立ち直ることは、一切、期待できないと、私は、思わざるを得なかったのである。

 それは、何故ならば、岸田首相は、デフレからの脱却という言葉ばかりを強調していたが、日本経済は、30年前のバブル崩壊と共に、既に、デフレ状態に終わりを告げ、不況に入っていくことになり、それからずっと、日本においては、潜在的インフレが原因である、不況状態が継続して来たことを、岸田首相は、全く、理解出来ていないためである。

 つまり、これほどまでに、経済音痴も甚だしい、岸田首相に、このまま、日本経済の舵取りを任せていたら、全く持って、日本経済の回復を見込むことは、決して出来ないと言わざるを得ないのである。

 そして、今の日本政府と日銀には、この日本政府と日銀の大罪が、国民生活を非常に大きな貧困状態にまで陥れた、この全責任を、絶対に取らせなければならないと、私は、思わざるを得ない。











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