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ヒロミ的CDのツクリカタ(3)~ボイストレーナーとの出会い~

変わっていくことってちょっとこわいことだと思いませんか?
良い方へ変わるのだとしても、悪い方へ変わるのだとしても、今までの自分と違う自分になっていくことはとても勇気がいるし、不安なことだと思うのだけど、みなさんはそういう経験ありますか?

ちょうど一年前、私はとても喉の調子が悪く、思うように歌が歌えませんでした。今まで普通に歌えていたところも失敗するようになったり、今まで出ていた高さの音が出せなくなったりして、私はとても不安で焦っていました。
声帯を痛めちゃったのかな?とお医者さんで診てもらったりしましたが、声帯はどこも悪くありませんと言われ、でもなかなか治らないので、もうダメなんだ、歌うことをやめた方がいいのかな、と思ったりしました。
今まで出来ていたことが出来なくなるって、すごく不安なんです。このまま私、どうなっちゃうんだろうって頭の中は不安がグルグルしっぱなし。

いろんなことを試してみたけど調子は戻らなくて、諦めかけていた時にふと思ったんです。「今の自分を受け入れるしかないんだ」って。昔はできたとか、もっと出来るはずとか、そういうことばかり考えて必死に取り戻そうとしてたけど、そうじゃなくて、今、出来ない自分を受け入れるしかないんだなぁ、ってことに気がついたんです。
今の自分から目を逸らさないで受け入れることが出来なければ、それ以上どこにも進めないな、と思いました。出来ない自分を受け入れることは辛いことでもあるけれど、まず受け入れることでやっと、じゃあここからどうやってもっと良くなっていこうかを考えることができるんです。
出来ないことを認めるということは、難しいけどとても大事なこと。今はここまでしかできないけど、努力を続ければこのくらいまで出来るようになるよ!って、絶望を希望に変えてがんばることができるんです。

そんな風にして私は、出来ない自分を認め、ここからもっと良くなるためには何が必要なのかを考え、そして、自分の発声を根本からやり直すことに決めました。そうやって心を決めると、不思議なもので、やるべきことや会うべき人というのは、実はもう自分のそばにあって、私は少し先に見えているものへ向かって飛び込んでいけばいいだけでした。

思い切って飛び込んだ私は、信頼できるボイストレーナーと共に新しい一歩を踏み出すことになりました。今までの発声のクセを壊して、新しく正しい発声を取り入れる、これはとてもとても根気のいることです。何しろ、今まで長い間好き勝手に歌っていたクセが体中にしっかりとしみついているので、これを壊すというだけでも相当な苦労です。そんなやっかいなことを引き受けてくださった先生は、相当根気強い性格に違いないと思っています(笑)
上手くできなくて、本当にできるようになるんだろうか?あまりの先の長さに気が遠くなってしまっても、先生は諦めずに何度だって同じことを指導し続けてくれる、これが本当に私の力になりました。毎回毎回、同じことを注意され続けるんだけど、聞く私はできてないから仕方ないとしても、言う方だってウンザリしてしまいそうですよね。だけど先生は匙を投げないでいてくれた。先生が諦めないのなら、私だって諦めない、きっと出来るようになる!と信じる力になりました。

そんな先生とのはじめてのレッスンからもう1年がたちます。無我夢中であっという間だったけど、クセはまだ取れていません。相当手強いです(笑)
が、少しづつ正しい発声と良い声で歌える瞬間も増え、変わりつつある自分を感じています。新しい発声、初めての感覚。変わっていく自分に不安もあるけれど、自分の意思で良い方向へ変えていくのだから、一年前と比べたらとっても前向きな変化ですよね。

何も変わらずにずっと同じでいることは一番楽チンなことかもしれない。新たな挑戦もないから失敗もない、穏やかで心が安定した毎日、それも素晴らしいことかもしれない。
だけど、もっと良くなりたいと願って努力して、失敗して悔しかったり上手くいって嬉しかったり、そういう心が忙しいデコボコの毎日も悪くないと思うんです。(胃には悪そうだけど、笑)
もっと良くなりたいと思える自分が嬉しいというか、その方が私らしいし、人生何倍も楽しいんじゃないかな、って思っています。
今のところ失敗の方が多くてヘコむことも多いけど、ガッツリ喜びを感じられる時まで、まだまだ頑張りますよっ(๑• ㅂ• )و✧

ありがとうございます!創作の力と糧に!