岸田ひろ実

夫の突然死、知的障害のある長男の出産、手術の後遺症で自分は下半身麻痺に。こうやって説…

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夫の突然死、知的障害のある長男の出産、手術の後遺症で自分は下半身麻痺に。こうやって説明するとものすごい人生に思えますが、娘と息子と、毎日笑って楽しく過ごしています。娘・岸田奈美 → https://note.mu/namirairo

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2023年9月、55歳になりました。ひろみGOGO!でまいります!

誕生日にグループホームで暮らす母に会いに行きました。 私「お母さん、私、今日が誕生日やねん」 母「そうかいな。それはおめでとう!ほんであんた、いくつになったんや?」 私「55歳やで」 母「へぇ〜、あんた、えらい歳になって〜。私は83歳や、私もえらい歳やわ。アーハッハー」 相変わらず元気でよく笑う母から誕生日におめでとうを言ってもらえた。嬉しかった。 そへと、確かに私もえらい歳になっていた。人生の折返し地点はとうに過ぎている。母と比べたらその「えらさ」はまだまだだけ

    • 6月9日、今日はパパの18回目の命日なりけり

      え?18年?いや、18年て!ほんまに? と、疑いたくなるくらいあっという間に月日が過ぎた。 あっという間だけど、これでもか!!!ってくらいいろんな出来事があった。いやありすぎた。 大変なこと、悲しいこと、悔しいこと、腹が立つこと、泣いたこと。 たくさん、たくさんあったけど。でもでも、過ぎてみれば全部が大切で。 それがあるからこそ、楽しい!嬉しい!幸せ!が何倍も何倍も大きくて。 結局、全部ひっくるめておもしろくなっていて。 6月9日がくるといつも、これまでを振り返っては「

      • 「大丈夫」の処方箋がまた一つ増えた 〜season2〜

        2022年12月14日、予定通り再び入院となった。今回は肝胆脾外科。 総胆管でつまっている大きな胆石を取り出す手術をするためだ。 ちなみにどれだけ大きい胆石なのかというと、1年に一度、見ることができるかできないかくらい大きい代物。先生曰く、めったとない大きさだそうな。 そういった事情で一般的である、数cmだけの傷で済む腹腔鏡手術では無理とのこと。みぞおちから下へ20cmほどお腹をぱっくり開けての手術を受けることになった。 入院当日は、先生や看護師さんが入れ代わり立ち代わ

        • 「大丈夫」の処方箋がまた一つ増えた 〜season1〜

          昨年12月15日に胆嚢結石症の手術をした。 10年近く大きな胆石があったのだが、炎症を起こすことなく静かにおとなしくしていたので経過観察。 最近では胆石の存在すら忘れていた。 11月半ばから食欲がなくなり、急に胃が痛くなってきて。 これは以前に経験したことがある急性胃炎の症状だと、胃薬を飲んでみたけど一向に良くならず。 それから1週間ほど経った頃、今度はみぞおちや背中、右脇腹が痛くなり、熱はないけど体がだるくてどんどん辛くなってきて。 「なんか体がしんどくて・・・もし

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          案ずるより産むがやすし、横山やすし!〜良太のグループホーム、行くとか行かないとか〜

          ずいぶんと久しぶりにnoteを書いています。 どれだけ書いていなかったかというと・・・半年近く。 noteの機能がものすごく使いやすくアップデートされていてびっくりしたくらいのお久しぶりになっいました。 この2年ほどで母の認知症が急に進行し、家族だけではどうにもこうにもならなくなり。 母も私も、娘も息子も、岸田家みんなの気持ちがすっちゃかめっちゃかのズタズタ、ボロボロになって。 そこからいろいろあった末、母は「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」に入居することにな

          案ずるより産むがやすし、横山やすし!〜良太のグループホーム、行くとか行かないとか〜

          岸田家みんなが幸せになるための選択

          ちょうどヘルパーさんにお世話になれなくなってしまった中、娘の体調不良も重なり、この1週間とちょっとは1人で母と、母のこれからについて全力で向き合うことになりました。 通院、認知症検査、ケアマネさんと施設探し、施設の方との面談。そしてプラスで息子のヘルパーさんとショートステイ先探し。もちろん家事と少しだけ仕事も。そんな日々の中でも母の認知は緩やかに進み続けて・・・。 今年に入ってからは、母の認知や持病の状態がかなり悪くなってきました。特に認知の部分では、娘の私や孫のことを小

          岸田家みんなが幸せになるための選択

          先週の岸田ひろ実

          みなさん、おひさしぶりです! 昨年末は原稿を書き終えることに集中していて、すっかりnoteも書けずに新しい年を迎えました。 執筆以外でも、12月は ※障害者週間 もあり、講演をさせていただく機会も多くいただきました。 ※障害者週間とは https://www8.cao.go.jp/shougai/kou-kei/shukan/shusi.html 仕事を、ゆっくりペースですが復帰したこともあり、少し慌ただしくなった日常。気がつけばあっという間に時間が経ち、1日がすぎ、年

          先週の岸田ひろ実

          話せない良太の話が聞けたわけ〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          平成29年11月から、2030~2040年に向けた情報通信政策のビジョンについて検討を行う、総務省の「IoT新時代の未来づくり検討委員会」に委員として1年3ヶ月ほど参加させていただきました。 年齢・性別・障害の有無・国籍・所得等に関わりなく、誰もが多様な価値観やライフスタイルを持ちつつ、豊かな人生を享受できるために、ICT、AI、IoTをどのように活用していけばいいのかを、身体障害のある私の視点と、知的障害のある息子の視点から、深く広く考えさせていただきアイデアを出させてい

          話せない良太の話が聞けたわけ〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          子どもの言動の全ては、注目されたい、愛されたいから〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          わたしは一人っ子です。 「きょうだいがいなくて寂しいね」と、何度となく言われてきたけれど、寂しいと思ったことは一度もありません。 いたはずのきょうだいが、いなくなったとなれば話は別だけれど、最初からいないので、何がどう寂しいのか比べようもなく。 私の感覚では、寂しいどころか、親の愛情は独り占めできるし、欲しいものを取り合うことも我慢することもなく。どちらかというと良いことしかありませんでした。 でも、わたしが大人になってからは、一緒に買い物に行ったり、悩み事を相談した

          子どもの言動の全ては、注目されたい、愛されたいから〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          新しい人生をスタートさせます〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          このお話を清々しい思いで書くにあたり、BGMは大好きなアンバートン。おいしいコーヒーを淹れて、かわいいお花を愛でながら、いつもとちょっと違うゆったり美しい環境をしつらえました。 新しい人生は自分が幸せで、好きなことを好きなように、ゆったり美しくこんな感じでいこうと思うのです。 いよいよ、私の新しい人生のヨーイドン!なのです。 ここでは、これからの何か壮大な意気込みとか、具体的な目標などを書くわけではなく。ただこれまでの10年間を振り返ってみて、その思いを書いて残しておきた

          新しい人生をスタートさせます〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          正しいことは続かない。楽しいことは続けられる。〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          良太から始まったウィルス性胃腸炎は、マスクに手袋に、消毒と、気をつけていたものの、たったの2日間で、良太→おばあちゃん→奈美ちゃん→私と、家族全員が感染してしまいました。 そのしんどさたるや、ものすごかった。一晩中、吐き続けて頭はクラクラ、手は痺れ、寝返りすらできなくなり・・・。 今年2度目の、死ぬかもしれないくらいのえらいこっちゃでした。 完全復活するまでにちょっと時間がかかってしまったせいで、わたしのなんちゃって一人暮らし部屋にもしばらく行くことができませんでした。

          正しいことは続かない。楽しいことは続けられる。〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          忙しくない時の忙しさを大事にしたい〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          わたしは今、とても忙しくない。そう、暇なのである。 なぜかというと、半年前に重度の感染性心内膜炎で命がけの手術を受け、再び授けていただいた大切な命を守るために休職させていただき、療養に努めているからです。 この病気になるまでは仕事が中心。 特にコロナの前は毎週、新幹線や飛行機に乗っての出張で、スケジュールに追われていっぱいいっぱいでした。 もちろん、そんな機会をいただいていることがとても嬉しく、大いにやりがいを感じていました。 その一方で。 「いつも忙しそうだね」

          忙しくない時の忙しさを大事にしたい〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          うまく言葉を話すことができない息子とのコミュニケーションはイマジネーション〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          知的障害のある息子、良太は、うまく言葉を話すことができません。それでも、身振り手振りや、知っている言葉を組み合わせて、息子は一生懸命になんとかして伝えようとしてくれます。 そんなわけで、母としても、なんとかして息子の伝えたいことを理解したいと思うのです。 「それってこういうことかな?」 「あっ、わかった!あのことだね!」 と言ってみるものの、息子はしぶい顔をして首を振ったり、時にはふてくされてしまったり。なかなかうまくいかない日々を繰り返してきました。 でも、そんな奮

          うまく言葉を話すことができない息子とのコミュニケーションはイマジネーション〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          バリアフリーな生活で最も楽しいことは掃除だった〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          1月に体調を崩し、2月に入院、手術。桜が満開の3月に退院からの自宅療養。 これから元気になっていく嬉しさと、再発したらどうしようという不安がいったりきたり。思うように体調がもどってこなくて未来がこわくなったり。 気持ちも体もちょっとしんどくなっていたそんな中、高齢で物忘れがひどくなった母のケアと、ダウン症で知的障害のある息子のサポートが私のキャパシティを超えようとしていました。 娘に続いて私の「もうあかんわ」でございます。 そんなこんなでnoteの更新もままならず、気

          バリアフリーな生活で最も楽しいことは掃除だった〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          聖火の道を歩き・・・いや、走り終えて〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          4月14日、聖火ランナーとして、娘に支えられ、息子と一緒に大阪を走りました。 退院してからまもなくひと月がたとうとしています。 お陰様で、術後の痛みも体を動かす恐怖も随分と減ってきました。寝ている時間よりも、起きて何かをしている時間の方が長くもなりました。 入院中は、大きな病気をしたことで、この先の想像上の不安に押しつぶされそうになりながらも、聖火ランナーとして走ることを目標に前向きに頑張ってこれました。 感染性心内膜炎になってから今日まで、苦しくて泣いて落ち込んで、笑

          聖火の道を歩き・・・いや、走り終えて〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          障害者差別解消法と、良太とスイミングスクールにまつわるエトセトラ 〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

          障害者差別解消法という法律をご存知でしょうか? 2016年4月に施行された法律で、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が障害のある人に対して「不当な差別的取扱い」を禁止し、「合理的配慮の提供」を求めています。 ※詳しくは内閣府のHPをご覧ください。 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet.html 残念ながらこの法律が社会に浸透しているとは言いづらい状況なんです。 また、「障害者

          障害者差別解消法と、良太とスイミングスクールにまつわるエトセトラ 〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜