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駅ホームの乗客者向けサインから、動線デザインとその先のデザインについて考える

地味な写真で失礼します。

先日ふと気付いたのですが、最寄駅のホーム床面に表示してある乗客者用のサインが変わっていました。

中央に残っている、文字が消された白い部分がこれまであったサインで、この位置にドア正面が来るように電車は停止していました。
左右の新しいサインは、ドアの左右に位置することになります。
これまでの乗降者の流れとしては

①乗りたい人たちはドアの正面に2〜3列で並んでいる
②電車が到着し、まず降りる人がドア正面から降りてくる
③正面から降りる人が来るので、乗りたい人は並んだ列から左右にバラけて、降りる人を待ち、降りる流れが落ち着いたら乗る

でした。
これが、新しいサインでは

①乗りたい人たちはドアの左右に2列ずつで並んでいる
②電車が到着し、まず降りる人がドア正面から降りてくる
③乗りたい人はあらかじめ左右に並んでいるので降りる人を避ける必要がなく、降りる流れが落ち着いたら左右から乗る

という流れになります。
サインの変更によって、

・乗りたい人にとっては③で左右にバラける必要がなくなるので、無駄な動きが減る
(あと、3列で並んでいると真ん中の列の人は右側に避けるか左側に避けるか微妙に迷うと思うのですが、その悩みがなくなる)
・これまでのサインでは左右に避け損ねたりホーム中央あたりで左右に避けない人もいる可能性があり、降りたい人にとっては、そういった人とぶつかるリスクが軽減する

ということになります。
降りたい人と乗りたい人、両者のストレスが軽減される非常に理にかなったサイン表示の変更だと思いました。

ー ー ー

動線デザインの先(あるいは前)のデザイン

まだ少し続きます。

この施策は素晴らしいと感じましたが、乗り降りのストレスを軽減するだけでなく、電車に乗ることそのもののストレスを減らす方法があります。それは満員電車をなくすことです。

何かをデザインする時にひとつ気にしておきたいのはここで、
「この量の乗客を効率よくさばくためのサインは何か」
「膨大なボリュームの文章をどうやってストレスなく読ませるか」
といったことを考えることが多いのですが、それにとどまらず
「どうやったら乗客数を平準化できるか」
「これだけのボリュームの文章が本当に必要なのか」
まで考えたいところです。
勿論それが難しいこともある、むしろ難しいことの方が多いですし、いちデザイナーの権限で解決できない可能性もあるのですが。

それにしても満員電車なくせないかな、、。

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