『短歌人』2019年2月号掲載五首

小雨降る里山しろく雲に入りわが庭の木は色づき始む

上弦のこころぼそかる霜月に虫の声さへ少なくなりぬ

一人づつ消えてゆきたり霜月の公衆浴場天窓を開き

休みでも出かける朝に頬冷えて遠き山には白きものみゆ

朝日さす石には石の高さありわが影もまた等しく伸びる