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お香との出会い

こんにちは。香りのコミュニケーターHIROです。

先日は筆者の母が旅たって4年が経った。我が家では、母との挨拶としてお線香を立てる習慣が始まった。

その8月の初盆、読経のあと、お坊さんにお焼香の質問をさせてもらい、ご自身の焼香を特別に調合してもらっていることを伺った。旅たった方のご家族の元でお経を読むような特別な時に使われているとのことだ。季節によっては調合を変えてもらっているという。

この会話がきっかけで、お線香を作ってみたい気持ちが募り、東京と京都でお香の製造業や流通業を営む会社がお香創作ワークショップを開催していることを知る。思ったら即行動する性格なので、2ヶ月後の10月には日本帰国(当時はシンガポールを拠点としていた)の折に6時間かけて、お香の勉強をしながら、線香練香匂い袋を創作した。

もともと香りの知識はあった、香水の調香したこともあったが、お香の原料との関わりやその先にある自然界、ものづくりに関わる中で今まで感じたことがない楽しさであった。

筆者にとってお香は母を亡くした後のヒーリングであったこと、と同時に人とつながる空間作りになった。のちに知ることになったが、宗派によっては過去と現在と未来をつなぐためにお線香は3本あげるのだそうだ。お線香は和の香りと認識されがちだが、キリスト教のミサ開始時、司祭が入場して祭壇へ向かう際にもお香が焚かれる。先日のクリスマスミサでも微かなフランキンセンスの香りが心地よく、これから神聖な儀式が始まる気持ちのサインとなった。

日本ではここ数年で、お香の人気にも(再び)火がつき、部屋の芳香に使われていることを、初めてお香を作った翌月に欧米のコスメ業界ウェブメディアCosmetic Designに記事を書いたことがある。アロマ(テラピー)もリラックなど心身への効果を求め香りを使用するが、お香にもその効果がある。今思えば、お香の人気が単なる香りのトレンドだけでなく、ストレスフルな社会で生活していることを象徴しているのかと考えられる。

それまでは香水だけを扱っていた筆者の香りの引き出しが増えてから4年、日本へ活動拠点を移し、お香が生活者にとってより身近に存在することを目にしている。消費者にも香りの選択肢、タッチポイントが増えたと思う。

今日も香り満ち溢れる素敵な一日を!

お読みいただきありがとうございます!香り(嗅覚)の世界は徐々に注目を集め始めていますが、まだ多くの方々には未知の領域です。試行錯誤中ですが、スキをクリックしてくださったり、シェア・コメントなどいただけたらとても嬉しいです。