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情報デザインの観点から考える、動画の可能性

何かしらの情報を表現し伝えるにはいくつか方法があります。

文章、写真、画像、動画などなど。

中でも動画は、記憶に残りやすい、拡散されやすい、エンゲージメント率が高い、などと言われていますが、実際のところはどの程度効果があるのでしょうか。


画像優位性効果

動画について触れる前に、写真や画像の効果について述べておこうと思います。

人間の脳は、文字よりも写真や画像といった「イメージ」のほうが圧倒的に情報処理が速く、記憶にも残りやすいと言われています。

これは画像優位性効果(Picture Superiority Effects)というもの。

文字と言葉だけの伝達では、72時間後、そのうちの10%しか記憶に残っていないが、これに写真や画像を加えた場合、65%が記憶に残ると言われています。

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まさに「百聞は一見にしかず」ですね。

つまり、写真や画像などの「イメージ」の効果が高いことはすでに明らかであり、動画も「イメージ」である以上同じ効果を持っていることになります。

ただ問題は、わざわざコストをかけて、”動く”画にする必要があるのか、ということ。


動画ならではの効果

動画ならではの効果として考えられるのは、単純に「動き」で目を引くというもの。

人間は止まっているものよりも動いているものに目を奪われやすい傾向があります。

また、動画は静止画よりも多くの情報を表現することができます。

限られたスペースやひとつの画面内に時間軸を作り出し、コンテンツに奥行きを持たせることができる。

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動画は静止画よりも表現の幅が広く、工夫次第では多くの情報をより効果的に伝えることができるでしょう。


ラーニングピラミッド

以下の図は、アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」というもの。

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これは、学習方法と記憶定着率の関係を表したもので、下に行くほど記憶の定着率が高い。

これによると、読書などの文字を読むスタイルの学習の記憶定着率が10%なのに対して、視聴覚(動画と音声による学習)の記憶定着率は20%となっています。

つまり、文字や静止画だけの情報よりも、動画と音声による情報は10%も記憶に残りやすいということです。


問題はコストとの兼ね合い

画像優位性効果や、動画ならではの表現方法、ラーニングピラミッドなどから、動画が効果的であることは明らかですね。

ただ、唯一の問題は、制作にある程度のコストがかかるということ。

しかし、逆に言えばこの「コストの問題」さえ解決できれば、動画を活用しない手はないとも言えます。

今後、通信環境の発達や、ツールの進化によって、もっと手軽に動画を制作できるようになれば、今以上に動画コンテンツの需要は増えていくかもしれません。

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