#全恋 マガジン vol.12 取締役 加藤順彦です
カナダからの手紙
主に日本の皆様、こんにちは。
ひろのぶと株式会社 取締役 加藤順彦です。
僕は現在、シンガポールにて営むコンタクトレンズの越境EC会社
LENSMODEのグループ法人が2013年から北米市場向けに拠点を構える
カナダに滞在しています。
西海岸の都市バンクーバーへは、
実に6年ぶりにオフィスの様子を観に来ました。
そして、大陸を横断してトロントへ向かうところです。
カナダへの出発前夜、シンガポールに初版が
さて、この #全恋 マガジンを毎回お読みいただいてる方々、
そして当社株主各位におかれましては、
ひろのぶと株式会社の出版第一弾、そして稲田万里さんのデビュー作となる
短編小説集『全部を賭けない恋がはじまれば』を囃して頂き、
ありがとうございます。
そして早くもご購読くださった皆様には感謝感激です。
僕の手元にはシンガポールを離れる直前に届きました。
…間に合ってよかったです。
改めて出来上がった本書を読み直しました。
作家と編集者が読み手に伝えようとしていることが、
ページをめくるたびに打ち寄せてきました。
良い書籍を世の中に送り出したい。
本の「ファン」、この会社の「ファン」に
なってくださるみなさん「と」出版物を創る。
そんな僕らが取り組みたかったことが目の前でかたちになっている。
そう思ってちょっとだけ胸を撫でおろしました。
ここに辿り着くまで三年近くの時間をかけて取り組んできましたが、
振り返ると…真っすぐ歩んできた!と自賛できます。
寄り道した気もしますが、それは思い違いなのです。
僕らは考え方ひとつで過去を変えることができるのです。
電子書籍版について
ところで
『全部を賭けない恋がはじまれば』の出版に際しては、
電子書籍での販売はいったん見合わせることにしました。
いわゆる経営判断的に。はい。
ひろのぶと株式会社は、
本を書いて生活できる社会つくりに取り組んでいます。
具体的には印税率を引き上げることで
出版業界を変えたい、と志しています。
日本に於いては著者に用意される一般的な印税は1割なのですが、
当社の印税は2割スタートです。
更に独自の累進印税™によって、
10万部以上 印税3割
50万部以上 印税4割
100万部以上 印税5割
といったダイナミックなプライシングを定めました。
『全部を賭けない恋がはじまれば』は
初版3000部と発売前重版(2刷)2000部で5000部を刷りました。
本の価格は1980円(消費税込)で、本体価格=上代は1800円です。
すなわち著者にお振込みする印税は
一冊当たり360円であり、5000部で180万円です。
しかし、
電子書籍ではこの計算が成り立たない。
紙の書籍のように著者にお支払いができない。
なにが言いたいのか、というと、我々は思い違いしておりました。
電子書籍って、出版社が戴ける入金(上代に対しての払戻率)が、
紙の本の構造と違ったんです。
不勉強&調査不足でした。
一冊あたりの上代に対して25~40%というのが、
日本の実態だったのでした。
一方で、紙の本は
印刷・製本、流通、取次からの返本等の費用リスク があるのですが、
電子書籍はそこがないんですよね。
各電子書籍スタンドの規格に収まるデータを納品したら、
あとは販売冊数に対しての払戻。
すなわち原価の内訳もまったく異なっていました。
ここで電子書籍の善し悪しについて議論したいわけではありません。
ならでは!のユニークなことも多くあります。
二次流通がないとか、図書館などの公共に資しないとかね。
なによりエコだし。
ただ当社が掲げた印税率のテーブルにどうも合わないな、
と気づいたのです。
なので、いったん電子書籍の出版は見合わせました。
隣人に『全部を賭けない恋がはじまれば』を
買った/持ってることを知られたくない人や、
僕のように海外に住んでて、
紙の本を買うのに流通コストがけっこうかかる人はいる、と思います。
わかります。
読み手と書き手のフェアな関係を築ける新しい時代を築くために、
しばし猶予をください。
取り急ぎ読みたい方は紙の本をご購読くださいませ。
費用掛かりましたが、シンガポールにちゃんと届きました。
電子書籍がないことで不満や不便を感じる方もいるでしょう。
いやいやそうかもしれませんが…
かたやひろのぶと株式会社がご用意したかった
素晴らしい体験が今あなたを待ってます。
僕らは考え方ひとつで、現在を変えることができるのです。
広告出稿、そして『ダ・ヴィンチ』での取材記事掲載
あと、先日もお伝えしましたが、嬉しいご報告を2つ。
11月1日付の『デイリースポーツ』首都圏版(半五段)、
および11月1日発売の『 女性自身』 11月16日号(4C1P)に
ひろのぶと株式会社として #全恋 のカラー広告を出稿しました。
広告枠の照会/手配は昔取った杵柄で不肖加藤が担当し、進行を加納さんが。
制作は上田豪さんが、
男性向けと女性向けで違うクリエーティブを用意してくださいました。
女性自身は、お近くの本屋さんの店頭に並んでおります!
どうしても広告実物を見たい方は立ち読み…もといご購読ください。
さらに!
11月5日発売
本とコミックの情報マガジン『ダ・ヴィンチ』12月号
巻頭特集『Book Mark EX of This Month』で
『全部を賭けない恋がはじまれば』がカラー見開き2ページ取り上げられ、
稲田万里のロングインタビューが掲載されます。
作品を熟読してくださった記者、皆川ちかさんによる、
作家としての稲田万里掘り下げ、
そして冨永智子さん撮影の素晴らしい著者近影をお楽しみに。
ここからが本番です
小説集『全部を賭けない恋がはじまれば』と世の中の関わりは始まったばかり。
どうか皆様、この作品を愛していただき、
小説家・稲田万里の背中を押してあげていただきたい、
と願ってトロントへ飛びたいと思います。
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