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布袋寅泰 「HOTEI the LIVE 2022 Still Dreamin' Tour」 2022/8/6 仙台公演 インプレッション(※セットリストあり)

いつもと毛色の違うエントリーですw
ほぼほぼ自分語りのウザい内容になりますが、よろしければお付き合いください・・・。
また、今回のツアーはこの仙台公演をもって終了していますのでセットリストがネタバレということもないとは思いますが、このエントリーでは公演での各曲のインプレッションを綴っていますので、結果セットリスト状になっております。気にされる方はこの先はお読みにならず、そっとウィンドウを閉じいただきますようお願いいたします。

◯はじめに

さて2022年で齢53にもなるワタクシでありますが、35年も前となるとまだまだケツの青い高校生。当時はプレイするほうのバスケットボールと、若者のあいだで絶大な人気を博していた伝説のバンドBOΦWYのレコード(まだCDが普及する前の話・・・)を聴くのに夢中になっていました。

その頃はBOΦWYも自身のツアーの他に今でいうフェスへの参加などで、我が故郷秋田にもちょいちょいきていたものです。そのころにどっかの夏のフェスに行ったっけかな。

大学生になって仙台に出たら、高校生の頃は行きたくてもあまり行けなかったBOΦWYのライブにバンバン行くんだ、菅生のロックロールオリンピックに行くんだ・・・などと思っていたらBOΦWYは大学に進学したその年の4月に東京ドームでの「LAST GIGS」をもって解散、メンバーたちはそれぞれの道に進んでいきました。

その後ワタクシも会社勤めをし、所帯をもつなどライフスタイルが変化すると大好きだったバスケットボールをプレイしたりミュージシャンのライブへ行ったりなどは滅多になくなってしまい、40歳を過ぎた頃にはサッカーやバスケットボールなどのスポーツ観戦のほうに楽しみを見出すと、ミュージシャンたちのライブからは遠ざかるばかりの生活が続いていました。


◯きっかけ

そんな日々を過ごしていたワタクシが今回ライブに行こうと思ったきっかけは今年リリースされたアルバムのタイトルチューン「Still Dreamin'」のPVをなんとなしにYou Tubeで見かけたことに始まります。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより

前の年の2021東京パラリンピック開会式での布袋さんの秀逸なパフォーマンスも記憶に新しいところで聴いたこの曲、シンプルな中にも躍動感のあるギターサウンドとともに「君は今も夢を追いかけているかい?」という詞がグッサリと心に突き刺さってしまいました。

そしてこの「Still Dreamin'」というタイトルはBOΦWY時代から聴いてきた人なら間違いなく代表曲の一つである「Dreamin'」を思い出すはずです。

ワタクシもそのフレーズがココロに刺さったまま、You Tubeで「Dreamin'」の動画を探してみると布袋さんのもの、氷室さんのもの、BOΦWY時代のものなどたくさんあるわけですが、布袋さんがオフィシャルで上げているライブ動画にココロに追い討ちをかけられてしまいました。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより

10年ぐらい前のライブのダイジェスト映像でしたが、初っ端のシーンが「Dreamin'」。しかしこのシーンの間中、布袋さんは「Dreamin'」を一切歌いません、歌うのは満員のオーディエンスたち。そしてオーディエンスの様子もインサートされるわけですが、多分ワタクシと同じように若い頃から聴いていたのでしょう、言っては失礼ですが若者というよりは妙齢の方々が大半。このオーディエンスが歌ってる時点でかなり気持ち的にグッとキていたのですが、決定的だったのは布袋さんが花道を上っていたシーンで2階最前列席にいたスーツ姿の男性を見たとき。

一心不乱にそばにいる布袋さんに向かって手を振りながら歌うその方の姿はかつて若い頃もそうだったのでしょう、本当に少年の眼差しで、すっかりその方に感情移入してしまい気づけばポロポロ涙を流していた自分がいたのです。

「君は今も夢を追いかけているかい?」と問いかけられたあとにこの動画を見たことで、「Dreamin'」を毎日のように聴きながら、あれやこれやと夢を見ていた過ぎ去りし少年時代を思い出すと熱いものが後から後から込み上げて仕方がありませんでした。

果たして、ライブに行ってオーディエンスの一人として一緒に声高らかに歌い上げたい、との思いが自分の中にふつふつと湧いてきてしまうのですが、そうなると面白いもので、いつもならば気にも留めていなかった会社のそばにあるホールに掲げられた今回のツアーの告知がバン、っと目に飛び込んでくるのですよね。

その場でチケットサイトをのぞくとまだ発売中だったので、あの映像で見たライブの空気の中に身を投じてみたい、とその場で公演チケット購入をポチるに至り、何年かぶりのライブ参加に臨みます。


◯2022年8月6日

今回の仙台公演はチケット購入時点では5/27に東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)での開催予定だったのですが、3月中旬に発生した大きな地震で受けた甚大な被害のため9月末まで復旧工事でホールが使用不可能になってしまい、中止を余儀なくされました。

幸いその後振替公演が決定、奇しくも仙台七夕まつりの初日にしてツアーのファイナル公演として8/6、仙台サンプラザホールでの開催となったのでした。

仙台サンプラザホールエントランス
ホワイエ:ツアー名タペストリー
ホワイエ:本人サイン・メッセージ入り
アルバムジャケットビジュアルのタペストリー
ホール内:公演開始前のステージ緞帳

8月初頭は未だ収束が見えないコロナ禍の中、仙台市や宮城県下でも陽性になる方がかなり増加に転じていた時期でもありましたが、ワタクシもどこかでもらわぬよう拾わぬよう、体調管理に注意を払いこの日に臨むことができました。

この仙台サンプラザホールでの音楽ライブ参加は初めてでしたが、半円形状の座席配置となっていて今回の席は2階席だったにも関わらずとても見やすく、ステージが遠くに見えないとてもいい感じのホールです。


◯インプレッション

さて、ライブ当日は実に極上の時間を過ごせて、いまだライブの余韻が身に残っているわけですが、僭越ながらも今回演奏された各曲への個人的なインプレッションなどを綴ってみたいと思います。ずっと布袋さんを追いかけ聴きこんできた方たちにとっては「お前は何を言っているんだ」というような突っ込みどころ満載とは思いますが、そこはご笑納いただけますと幸いです・・・。

Still Dreamin' 

収録アルバム:Still Dreamin'

オープニングからいきなりこの曲。この曲に惹かれて来ようと思ったライブですから気分的にも大盛り上がり。ステージ上には真っ赤なドレススーツに身を包んだ布袋さんがいる。本当にいる。ギターを弾いてる。歌ってる。かっこよすぎ。布袋さん、本当に還暦迎えたの?wここでまず泣き1回目。

このご時世のライブですから、一緒に歌いたくても歌うのはグッと堪えながら、ステージすぐ前に陣取るライブに通い慣れているであろう熱心なファンたちの身振り手振りやクラップのタイミングを真似ながらついていきますが、うーん実に楽しい。

今後のライブでも定番にしてほしいナンバーです。

RADIO!RADIO!RADIO!

収録アルバム:GUITERHYTHMⅡ

非常にご機嫌で極上なソロ最初期のロックンロールナンバー。ライブでも定番の曲ですかね?ライブ映像などを見たときにオーディエンスの一人として一緒に歌ってみたいな、と思った曲。

サビで声を出しそうになりましたが我慢我慢。

Starlight

収録アルバム:Still Dreamin'

最新アルバムからのミディアムテンポなナンバー。しっとりと歌い上げる布袋さんがカッコいい。電飾を使った星空をイメージした演出がとても綺麗でした。

オペラ

収録アルバム:Still Dreamin'

こちらも最新アルバムから。AメロBメロではどこか軽妙な感のあるPOPSのような曲調ですが、サビにくると一転、非常にドラマチックなメロディーラインと人生讃歌的な歌詞がグッと胸に迫る曲。泣き2回目。

歌詞の中に「地球に堕ちてきた男」ってあるのですが、敬愛していたデヴィッド・ボウイをオマージュしたのかな。

理由

収録アルバム:Still Dreamin'

こちらも引き続き最新アルバムから。少しR&Bに近い感じの曲調で男女関係の緊張感を纏わせながら不透明感や閉塞感漂う今の世の中をシニカルに歌い上げるナンバー。ライブではその緊張感がむしろ高揚感に繋がるような感じが面白かったです。

BE MY BABY

収録アルバム:ALL TIME SUPER BEST (COMPLEX:COMPLEX)

ご存知の方も多いでしょう、吉川晃司と組んだユニット、COMPLEXの代表ナンバー。活動期間は長くはありませんでしたけれどもとてもカッコよかったですよね。

今回の演奏はそのCOMPLEXバージョンというよりも後にセルフカバーしたバージョンに近いんでしょうか。オリジナルはもちろん好きなんですが、ビートが強調されたこちらのバージョンも好き。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより


TWO OF US

収録アルバム:King & Queen

個人的には耳馴染みの薄いナンバーでしたが、ツイッターなどを眺めていると「やってくれて嬉しかった!」みたいなものが多かったですね。

この曲が収録されていたアルバムは「スリル」や「ラストシーン」、「命は燃やし尽くすためのもの」といった代表曲として名高いものが多かったですが、こちらも知る人ぞ知る名曲といったところでしょう。ダンサブルなビートが心地よいナンバー。

VAMPIRE

収録アルバム:fetish

今回のツアーの前に布袋さんが自らツイッターで「何か聴いてみたい曲がある?」という問いかけに対してあるファンがこちらをリクエストしたところ「いいね!」と採用が決まったものの一つみたいです。

タイトル通り、歌われる内容は布袋さんが醸し出すエロティックな雰囲気が素敵なナンバーで、ホーンセクションが印象的でした。

Pandemoniac Frustration

収録アルバム:Paradox

比較的最近リリースのアルバムからのナンバー。このアルバムがリリースされた頃は、布袋さんの移住先であるイギリスがEUを離脱した頃だったですかね。「大流行の欲求不満」というタイトル通りに今に続く世界の混迷を予測させるような歌詞を重厚なビートに乗せて紡いでいますが、その歌の内容とは裏腹にそのビートが心地よかったです。

本人も昨今の世相にはいろいろ思うところがあってこの曲をセレクトしたとはMCで語っていました。今後のお気に入り曲の一つになりそうです。

MATERIALS

収録アルバム:GUITERHYTHM

1stアルバムからのセレクト。切りつけるようなギターのリフの疾走感が印象的でカッコいいナンバー。

30数年前の老若男女、世の中皆が浮かれていたようなバブル景気のころに作られた曲だったと思いますけど、「物欲にまみれた世界に囚われて何ができるんだい?自分を解き放とうよ」というメッセージが、今このコロナ禍の下で閉塞感に囚われる世界に生きるワタクシたちに改めて向けられているようでした。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより


ヒトコト

収録アルバム:Paradox

こちらも比較的新しい時期のナンバー。メロディーラインがとても美しい珠玉のバラード。「ラストシーン」や「薔薇と雨」、「FRY INTO YOUR DREAM」などバラードに名曲が多い布袋さんの中でも屈指のナンバーでないでしょうか。

タイトルでいう「ヒトコト」は「アイシテル」というフレーズのことを指すのですが、歌われる内容はラブソングでありながらも「Pandemoniac Frustration」と同様に混迷する世相を憂い、世の中や人の心の平和を願うもので胸に深く突き刺さります。こんな素晴らしいナンバーをライブで直に聞ける幸せ・・・。泣き3回目。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより


DANCING WITH THE MOONLIGHT

収録アルバム:GUITERHYTHM

こちらもソロ1stアルバムから。エレクトロな曲調とメロディーラインが耳に心地よいロマンティックなナンバー。ここまでメッセージ色の強い曲が続いていたので少しホッとする感じも。

Rock & Soul Music

収録アルバム:Still Dreamin'

再び選曲は最新アルバムから。タイトル通り少しソウル色の強めなナンバー。歌詞は言葉遊び的な印象的なワードが並びますが、この曲も昨今のSNSなどでよく見られる流言飛語をばら撒く不埒な輩を腐すようなところがありますね。そんなものに惑わされないよう自分にしっかり芯をもっていないとな、と思わされる曲です。

バンビーナ

収録アルバム:当初シングルリリースのみ→後にベスト盤に収録

布袋さん代表曲の一つで、ライブで外すことはあまりないのではないでしょうか?イントロが始まると思わず踊り出したくなるような最高のロックンロールナンバー。

やっぱりイントロでの「Let's Go!」って叫びたかったなぁ・・・。と言ってもそれはまだ我慢しなければいけないので、「Let's Go!」のタイミングで大きく跳ねるしかなかったよねw

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより


アドリブ

バンビーナのアウトロからそのまま今回演奏されなかった数々の名曲のギターリフをメドレーの形で演奏。

多分このアドリブは公演ごとに違う内容なんだろうなーと思いながら楽しんでいると布袋さんが「C'mon Everybody」のリフを弾き始めるのですが、布袋バンドの皆さんが「エッ?エッ?」って感じに。それまでのアドリブのリフにはしっかりついてきていたのですが「C'mon Everybody」は今のメンバーではあんまり演奏したことなかったのかな?とか思ったらしっかり対応していた布袋バンドの皆さんもすごいw

POISON

収録アルバム:当初シングルリリースのみ→後にベスト盤に収録

「バンビーナ」と並んでライブでは定番のロックンロールナンバーでしょうか、ベースラインの短いイントロが始まるとオーディエンスも大盛り上がりです。

閉塞感漂う、なにかあればすぐ炎上とかしてしまうSNSなど言いたいことも言えないこんな世の中ではありますが、この曲を聴いて踊れば気分もハイに。この雰囲気だよなあ、これが味わいたかった。一緒に歌えるならなおよかったんだけどな・・・。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより


Dreamin'

収録アルバム:BOΦWY(BOΦWY)

何が今回のライブで聴きたかったって、やっぱりこれが聴きたかった。布袋さんの足上げパフォーマンスが見たかった。見れてよかった。でももう途中から感極まって半分ぐらい泣いちゃってたのであまりしっかりパフォーマンス見れてなかったかも・・・。泣き4回目。

曲自体はBOΦWY時代の代表曲の一つとしてあまりにも有名。以前はこの曲に限らずBOΦWYの曲は氷室さんのボーカルがあってだよなあ、と思っていたところがありましたが、氷室さんのライブに行ったときのバックバンドの演奏に少し物足りなさを感じていたのも事実。布袋さんが奏でるギターサウンドもあってこそなんだなあ、と改めて思いいります。もっとも、布袋さんのボーカルも非常に味があって好きなんですけどね。

でももう何度も書いてますが一緒に歌うの我慢しなければならないのがつらい・・・。早くマスクありでもいいから声出しOKにならないものかなあ・・・。マスクなしのほうがもっといいけど。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより


Let's Go

収録アルバム:Still Dreamin'

再び最新アルバムから。のっけから詞の内容がポジティブなメッセージに満ちていて、閉塞感漂う今の世の中でも「何度でもやり直せばいいのさ」と前向きに進んで行こうという気持ちにさせてくれる気持ちのいい曲です。

Do you wanna dance?

収録アルバム:Still Dreamin'

続けて最新アルバムから。タイトル通りにダンサブルなビートのナンバー。でもその独特のリズム感はちょっとクラップがしづらいかな・・・。でもこの曲は声出しができるようになるともっと化けそうな気がしなくもない・・・かなw

Encore:さらば青春の光

収録アルバム:GUITERHYTHMⅣ

この曲も布袋さんの代表曲の一つですよね、っていうかお笑いコンビのコンビ名にもなってるほどw2021年大晦日の紅白歌合戦で演奏された記憶も新しいです。

この曲が発表された時はその詞の内容からBOΦWY、そして盟友だった氷室さんとの訣別の想いが込められているのか?などとも囁かれたものですが、今となっては詮無きこと・・・。

年齢を重ねれば重ねるほど、自らの若かりし頃を思い出して胸が熱くなる曲です。泣き5回目。

※参考映像:HOTEI Official YouTube Channelより


Encore:コキア

収録アルバム:Still Dreamin'

最新アルバムから。爽やかなアコースティックギターのイントロが印象的な、ボズ・スキャッグスなどのようなAORテイストのナンバー。

布袋さんご本人がツイッターで「ライブで化けるよ」と言っていたのですが、確かにアルバムのAORテイストからロックのスパイスが加わるとまた別な顔になったのは面白かったです。

Encore:世界は夢を見ている

収録アルバム:Still Dreamin'

大トリは最新アルバム収録のバラードナンバー。「Still  Dreamin' Tour」を締めくくるにふさわしい壮大なスケールで歌い上げられました。この曲にも「夢」というワードが入っているとおり、「夢」「Dream」は今回のライブの大きなテーマの一つだったのかも。泣き6回目。

◯おわりに

新アルバム「Still  Dreamin'」をメインに、BOΦWY時代、COMPLEX時代、ソロ以降と満遍なくセレクトされたアンコール含めて全21曲のセットでしたが、全体を通じて根底にあるものは「我々は今混迷を極める世の中を生きているけど、それでも夢を見ることを忘れずに音楽を通じてハッピーになろうよ」という布袋さんからのメッセージだったような気がします(MCでもそんなようなこと言ってたっけかな?)。

しかしアルバムツアーですから最新アルバムの曲がメインになる中、こうして以前の曲からもバランスよくセレクトしてくるのは大変だったろうなぁと思いつつ、どれもライブでこんなに楽しめる曲ばかりなのはやっぱり布袋さんはライブというものを重視してるんだな、と感嘆することしきりです。

布袋さんがソロになってからは初めて訪れたライブでしたが、本当に楽しく、感動しっぱなし、泣きっぱなしの2時間半は最高の「宇宙一のロックンロールショー」でした。個人的には今回セットに無かった曲で聴いてみたかった曲もまだまだたくさんありましたが、それはまたの機会の楽しみにとっておくことにしましょうか、次の機会は会場のオーディエンスが一緒に歌いあげられることを願いながら。

それでは。

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