「濡れ落ち葉亭主」に成り下がってしもた
フロリダは摂氏30度を超える暑い日が続いています。
こういう日はワイフとふたりでパームツリーに囲まれた二階のバルコニーで、本を読んだり、とりとめのない話をしながら煙草をふかしたりして過ごします。
バルコニーには小鳥に餌をやるフィーダーが吊るしてあり、真紅のカーディナルがひっきりなしに飛来します。
芝生にはお隣さんの飼っているウサギが遊びに来ます。
時折り、サーッと驟雨が来ると道路が洪水のようになりますが、すぐに水が引くとまた蒸し暑くなります。
ワイフは『大草原の小さな家』を読むのが日課となっており、同じ本を繰り返し、何度も読んでいます。不思議と心が落ち着くのだそうです。それを読むときのワイフは、童心に帰り、真剣そのもの。
こういう瞬間は、話しかけないに越したことはありません。
さわらぬ神に祟りなし。
「わたしが折角、ひとりで静寂なひとときを過ごしているのに、話しかけないで!」というわけです。
そういうとき、僕が思い出すのは、マリリン・モンローの言葉です。
"I'm selfish, impatient and a little insecure. I make mistakes, I am out of control and at times hard to handle. But if you can't handle me at my worst, then you sure as hell don't deserve me at my best."
ワタシは利己的で我慢するのは嫌い。それに弱いおんなよ。いつも間違いを犯すし、ハチャメチャだし、扱いにくい女ってわけ。でも若しワタシが悪女モードになった時、ちゃんとフォローできないような男なら、ワタシが良い娘モードの時に付き合う資格はないわ。
(マリリン・モンロー)
「はいはい、わかりました。それじゃあ姿をくらませます」といって、サッサと退散します。
「いちいち、あっちに行きなさい! と命令するのも、かったるいのよね」
これがワイフの言いぐさです。
亭主の権威など、あったもんじゃありません。
「わたしが落ち葉の柄を持って、無言でひょいっとそれを上げたら、それは来ないで! というシグナルよ」
これは「濡れ落ち葉」という表現を、ワイフがとても気に入っているところから編み出された無言のコミュニケーション手法というわけです。
Long Hot Summerは続きます。
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