見出し画像

アエロフロート・ソビエト航空

 飛行機は早いけど怖い乗り物だ。正直何度乗っても離陸時と着陸時、それから揺れている時は緊張する。それでもパイロットを全面的に信頼することにしているが、航空会社や使用機材によっては、それもなかなかそうもいかない場合がある。今回はそんなケースを紹介する。
 最新鋭機ボーイング787がいろいろ問題を起こしている(この記事を書いた当時の話です)が、そのB787と旧ソ連の飛行機、どちらを選ぶと訊かれたら、皆さんはどうされるか。アエロフロート・ソビエト航空の当時の使用機材は、長距離はイリューシン62、中距離はツポレフ154。これらは両方とも席の配列が3-3列の150人乗り程度の中型機。機材の軽量化が進まなかったので、大型の飛行機を長距離で飛ばすことができなかったらしい。飛ぶときの音がキーンと甲高いのが特徴で、はっきり言えばうるさい。だから最近騒音の基準が厳しい日本の空港に乗り入れることができなくなっている。
 当時のアエロフロートはいろいろと秘密のベールに覆われていて、それが噂となる。例えば、アエロフロートの旅客機は、非常時には席を取っ払って、軍用機に変身する、だから席が薄っぺらい、とか。実はソ連国内では結構墜落事故を起こしているが、情報が漏れてこないとか。軍用機になるかどうかはわからないが、たしかに席の構造は若干ちゃちだ。その結果どういうことが起きるかというと、着陸時にブレーキがかかると席の背もたれが慣性の法則で前に倒れる。それが人の座っていない全ての席で倒れるので、人の座っていない後ろの方で「バタバタバタ」と音が漏れてくる。後ろを見たら、すべての席の背もたれが見事に前に倒れていた。まるでドミノ倒しだ。核ミサイルを作る前に、飛行機の席の構造をなんとかした方がよいのではないか。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?