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船内での時差調整

造船技師として商船に乗ったことがある。国内なら時差は生まれないが海外を行き来すると当然時差が生まれる。飛行機で欧州や米に数時間や十数時間でひとっ飛びなら到着した際に現地で時差調整すれば良い。ところが、船旅ではせいぜい数日経ってやっと1時間の時差が生じるといった具合。船旅では時間はゆっくり流れる。1時間の時差が生じたとき一日の中のどのタイミングで時差調整するかが問題になってくる。航行中の船内は一つの閉空間だから(勝手気ままにとまではいかないかも知れないが)船長の指示で決めたら良い。西に向かって航行中は1時間遅らせる。逆に東に向かって航行中は1時間早める。操船するために当直制度はもちろんあるが基本は陸上の生活と同じで昼間8時間の勤務時間がある。1日の勤務時間は拘束時間でもあり増えるより減る方が嬉しい。なので時差調整で1時間遅らせるときは夜の勤務時間外にする。逆に、1時間早めるときは仕事中の昼間に調整する。東に向かっているときは勤務時間が1時間減り7時間になる。西に向かっているときは夜の自由時間が1時間増えることになる。通常船内には各部屋に時計があり電気式でマスターの時計を調整すれば一斉に変わる。一言付け加えれば、客船ではどの様に時差調整するかは知らない。クルーズ会社毎に決まったプラクティスというか決まり事があるのではないか。

時差調整が必要なのは東西方向へ航行する場合だ。南北への移動は時差は生じない。時差はないが季節が変わる。船旅はいろんな変化があって楽しい。


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