ノートルダム大聖堂002

世界遺産検定受検を考えてるあなたへ

自己紹介(世界遺産アカデミー認定講師として)

この春、晴れて世界遺産アカデミー認定講師という肩書を手に入れた藤川ひろしです。

「認定講師」ってのは、世界遺産検定の1級のさらに上、「マイスター」に合格した人の中で、世界遺産検定を主催する世界遺産アカデミーが不定期に開催する「認定講師研修」を受けた人がもらえる肩書。

僕が世界遺産検定を受けようと思った経緯は置いといて、はじめに2級を受けようと考えてから2年弱で1番上までいけた。

ちなみに、プロフィールにも書いてるけど、

2級は96点/100点、(合格ラインは60点)

1級は179点/200点、(合格ラインは135点前後)

という、割と余裕の得点で合格できた。(マイスターは得点非公開、だけど一発合格)

なので、世界遺産検定を効率よく攻略することに関してはかなりの自信がある。

いちおう証拠の写真をあげておく。嘘じゃないもん、トトロいたもん。

世界遺産検定ってどうなの? 何がいいの?

世界遺産検定は、少しずつ知名度が増してきている気がしないでもない。

取得することで、一体何のメリットがあるのか。

よく言われていることだったり、僕自身が受検、合格を通して感じたことをざっと列挙すると、

・資格として履歴書に書ける。(旅行関連の仕事をしたい人にとっては、その重要度は他よりも増すらしい)

・「世界遺産」って言葉の持つ異常なまでのキャッチ―さから、老若男女問わずあらゆる世代との話のタネにできる。

・世界遺産関連のニュースに対する理解度が上がる。 (見出し画像のノートルダム大聖堂の火災は本当に悲しい)

・世界遺産の知識がカバーする範囲は、歴史、建築、自然、宗教、芸術と幅広いので、いろんな事に関する知見が増す。

ざっとこんな感じ。

他の検定と比較はしづらいけど、社会とか生活に結び付く部分がすごく大きい、そういう意味ですごく面白い検定だと思う。いつか旅行で訪れたいとか妄想すると、勉強するのも楽しいし。


世界遺産検定を受けるなら

もしあなたが大学生以上で、仕事や就職の為、個人的な楽しみの為、どんな理由であれ世界遺産検定を受けようと思っているとしたら、

まず2級を目指して受検することをオススメする。

3級から始めるにしても、その後の2級を見据えて挑む方がいいんじゃないかと。

理由はいくつかあるので、順に説明する。

①2級の破壊力

例えば履歴書に「世界遺産検定~級取得」と書くとして、

それを見る面接官の人は、何級がすごいのかよくわからないから、英検、漢検という「2大履歴書に書かれる検定」の2級、3級の難易度をそのままスライドしてイメージすることが多い。

漢検で言えば、「3級は中学卒業レベル、2級は高校卒業レベル」というところなので、3級だとそこまですごいとは思われないが、2級だと「なかなかやるやん」ってなる。

僕自身、英検は高校の時に2級まで取ったけど、いまだにプロフィールには遠慮なく書く。3級だと「まぁ、一応ですが……」感が否めない。

2級は履歴書、プロフィールに自信をもって書ける。

「そりゃ、どうせなら2級って書きたいけど、難しいから……」とお悩みの方、そんなこたぁない。

②2級、3級テキストの「難しさ」は同じ

2級と3級の大きな違いは、公式テキストのタイトルからもわかる。

2級公式テキストは『くわしく学ぶ世界遺産300』、

3級公式テキストは『きほんを学ぶ世界遺産100』である。

2級が世界遺産300件を対象にしていることに対して、3級は100件の世界遺産。

しかし、

テキストを読み比べてみると、書かれている知識の深さ(ここではこれを指して「難しさ」としている)はあまり変わらない。

1級のテキストと比較すると、違うところはかなり出てくるけど、2級と3級の間ではそれはあまり見受けられない。もちろん精査すると違うところはあるは思うけど、3級のテキストでも、本当に大事なことはほぼ網羅されている。(編集の苦労がうかがえる)

なので、ものすごく乱暴な言い方をすれば、2級と3級では単純に掲載されている日本以外の世界遺産の数が違うだけ。

実はこれ、すごーく重要なこと。次に続く。

③世界遺産検定の配点がキーポイント

世界遺産アカデミーのHPに書いてあるけど、

2級は、

世界遺産の基礎知識 20%、日本の遺産20%、世界の遺産45%、その他10%

3級は、

世界遺産の基礎知識 25%、日本の遺産30%、世界の遺産40%、その他5%

合格点は、2級も3級も60点/100点、全体の60%正解すればいい。

つまり、基礎知識と日本の遺産だけで、配点の40~45%で、残り20点分くらいを世界の遺産で取れればほぼ合格、ということになる。

ちなみにテキストの中で、基礎知識と日本の遺産の占める割合はそこまで多くない。

なのに、配点としてはものすごく大きい。

そして、先にも述べたように、2級と3級で扱っている知識の深さにそこまで差はなく、扱う世界の遺産の数から難易度の差が生まれている。

逆に言えば、扱う遺産の数をクリアできれば、2級も3級も大差はない、ということになる。

だけど、2級と3級とでは、これも最初に書いたように、履歴書やプロフィールに書いた時の印象がけっこう違う。

これが、僕が「世界遺産検定を受けるなら2級を目指すべき」と主張する理由である。

ちょっと疲れたのでアーヘンの大聖堂に癒されよう。あぁきれい。


100件と300件の差はでかい?秘密兵器のご紹介

「扱う世界遺産の多さをクリアすれば2級も3級も変わらない、っていうけど、200件プラスアルファで覚えるのはきついっす」

そう思う人の為に、僕はとっておきの秘密兵器をこのnoteでシェアする。

これこそが、ほぼ最短で1級、マイスター合格までを可能にした世界遺産検定攻略テクニックのキモの部分。

(実を言うと1級は一度落ちたけど。当時あまりにも私生活がズタボロ、バタバタ過ぎて。それにしても合格点に4点足りないだけのところまでは行けてた)

秘密兵器とは何か、それは……


『語呂合わせ』

である。

ババーン、って書いた割に、「なんだそんなもんか」と思われてしまいそうなくらい、勉強テクニックとしてはありふれたものではある。

でも、世界遺産検定の勉強ほど、語呂合わせが有効に働くものはなかなかない、と個人的には思う。

例えば、すごく頻出な日本の世界遺産の登録基準、それぞれの遺産が登録された年(登録された順番)、世界遺産委員会諮問機関の設立年と本部所在地、

これらは語呂合わせでするっと覚えられる。

そして、先ほどから「数の多さをクリアすれば大丈夫」と豪語している世界の遺産

これこそ語呂合わせの活きる真骨頂

「遺産の名前」、「説明文の赤文字・太文字事項」、「遺産保有国」

これらを一つの語呂合わせフレーズで覚えてしまうことで、

遺産名から赤文字・太文字事項を問う問題でも、

赤文字・太文字事項から遺産名を問う問題でも、

遺産名や赤文字・太文字事項から、保有国を問う問題でも、

全方向的に対応できる。

語呂合わせをまとめた記事は有料記事としてシェアさせてもらうけど、

例として、下にひとつ語呂合わせを紹介しておく。

世界の遺産を覚える語呂合わせの例

遺産名『イエス生誕の地:ベツヘレムの聖誕教会と巡礼路』

赤文字:「緊急的登録推薦」(漏水による建物破損が理由)

太文字:聖誕教会

保有国:パレスチナ

語呂:「イエス生まれてパレス水漏れ、緊急的に別へ連行」

イエス生まれて=聖誕

べつへれんこう = ベツヘレム

他はそのまんま。

これで、仮に「ベツヘレムに関しての記述で正しいものを選べ」

という問われ方をすれば、

「水漏れなどを理由に緊急的登録推薦された」や、

「イエスが生まれたとされる場所に建てられた聖誕教会がある」

などの記述がある選択肢を選べばいい。

保有国を問われる場合もある(特にこのあたりの遺産はイスラエルだったりエルサレムだったりヨルダンだったり出てくる)が、「パレス水漏れ」から「パレスチナ」を選べば正解となる。

こういった、一つの遺産に関して必要な情報を一つのフレーズでまとめた語呂合わせを、僕は全ての遺産に関して作成してきた。

1級の1000以上の遺産に関しても同様で、それが自己紹介に書いたとおりの179/200という合格点を余裕でクリアしての合格を可能にした。

基礎知識の語呂合わせの例

配点の大きい基礎知識の分野に関しても、一つ語呂合わせを紹介しておく。

問われることの多い、「日本の遺産の登録年」に関して、

日本で初めに登録された遺産は、

法隆寺

・姫路城

白神山地

屋久島

の四件で、登録年は1993年

この四つの遺産名と、「1993年」というのを覚えるために、

語呂:「りゅう姫、紙を焼く、くさい」

とできる。

りゅう=法隆寺

姫=姫路城

紙=白神山地 (※「白」の方は『白川郷』とかぶるので不使用)

焼く=屋久島

くさい=93 =1993年

という具合である。僕が受検した当時は2016年の『ル・コルビュジェの建築作品』が最新だったので、そこまでは全て同様の語呂合わせフレーズを作った。(2級を受検した日に『神宿る島:宗像・沖ノ島』が登録されたのを鮮明に覚えている)

これをただの知識として覚えようと思うと、法隆寺と京都と奈良が頭の中で混同されたり、白神山地と白川郷とか紀伊山地だとかが混同されたり、割としんどい。

しかし、語呂合わせのフレーズで覚えれば、そのリスクはほぼ無くなる。「りゅう」は法隆寺だし、「かみ」は白神山地だし、間違えようがない。

ということで、この語呂合わせフレーズをシェアするので、世界遺産検定を攻略したい人は活用してみてほしい。(語呂合わせまとめは有料記事)

無料記事でも世界遺産検定学習のコツとか、検定とは関係ない世界遺産の話とかはどんどん書いていくので、乞うご期待。

当分は2級のテキストをベースに語呂合わせをシェアしていく。だから頑張って2級に挑戦してみてほしい、頼むから。4級からなんて言わないで。(これはあくまで僕の個人的な意見であり、世界遺産アカデミーは受検者それぞれのレベルに合った受検を期待している、はずです)

この記事のまとめ

・藤川くんは世界遺産検定をいい感じに合格しました

・世界遺産検定は面白いし、履歴書に書けるし、いいもんだ

・世界遺産検定を受けるなら2級を目指そう

・2級も3級も大して変わらない

・語呂合わせは世界遺産検定に超有効

・語呂合わせをシェアしていくので、受検者諸兄はご活用のほど

世界遺産検定のとは別に、『日光の世界遺産を全部撮影する旅日記』も書く予定なので、お楽しみに。(写真は東照宮仁王門)

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