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経済経営用語摘記

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2020年10月の記事一覧

アセットファイナンス asset finance

アセットファイナンス  資産証券化について、今日はそれをアセットファイナンスと呼んでいいかを問題にします。大事なことは、アセットファイナンスという言葉に、手元資産を売って資金繰りをつけるとか、中小企業が主として頼る手法であるなど、消極的な響きがあることです(写真は鬼子母神堂)。  アセットファイナンス。銀行のサイトでは、保有資産を活用した資金調達とでてきます。これは積極的な言い方です。しかし事業そのもの評価ではなく、保有資産の評価である点や、新規設備投資のための資金の話しでは

資金の内製と外製

「資金の内製・外製」概念の提起  資金調達を考えるときに、内部資金・外部資金と表現することがあります。内部資金とは、主として利益の留保(内部留保)を指し、外部資金とは借り入れ、社債発行、増資(株式発行)など、企業の外からの資金の取入れを指します。この区分けの場合、企業間信用の問題は、外部資金の問題に区分けされます。  しかし私は、企業のお金についても、商品を製造する時と同様に、内製・外製の区分けが可能ではないかと考えます。ここで内製とは企業内の判断や意思決定により、資金を生み

シナジー効果とコアコンピタンスー進出・撤退の論理 

事業展開で他社との関係はなぜ生ずるか  企業が、事業展開に際して直面する選択は、自社だけでやる(stand alone)か、他社と提携する(alliance)か、あるいは他社を買収する(takeovers)に至るか、といった選択です。なぜ自社だけでやるにとどめられないかというと、一つはspeedの問題です。重要なことが迅速性agilityであれば、自社だけでやることにこだわれなくなります。  つぎに事業展開の中身ですが、同業のまま規模を水平的に拡大する、川上(原材料方面)、川