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陳独秀、胡適、顧准

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陳独秀(1879-1942)を中心。胡適(1891-1962)、顧准(1915-1974)も扱う。
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2019年4月の記事一覧

王元化「世界には寂しさを感じないこのような人がいる」1989年2月24日

王元化“世界上有這樣的人不會感到寂寞”載《從理想主義到經驗主義》光明日報出版社2013年pp.1-3は1989年に予定された大陸での初版のために用意された序文。しかしこの初版は六四事件に到る政治的混乱の中で実現しなかった。この文章は以下にも収められている。王元化<懷顧准>載 《顾准追思录》中央编译出版社 2017年pp.13-16。 p.1 顧准の《理想主義から経験主義へ》は発表のため書かれた著作ではない。これは作者がその兄弟の求めに応じて時々に書いたメモであり、時間

李鋭「一時(いっとき)も理論を欠くことはできない思考」1996年2月

李銳《一刻也不能沒有理論思維》原載《東方》1996年第2期 罗銀胜《顾准追思录》中央编译出版社, 2017年,144-153 p.144 《顧准文集》は王元化同志が私に送ってくれた。その前は、私は顧准その人その事情その文を知らなかった。彼は私より2歳年上で我々は同世代人である。しかし九一八事変の時、私は長沙で高等中学に在学しており、彼は上海ですでに立信会計士事務所に入っていた。我々はともに民族存亡の危機に際して(在民族危亡的關頭)革命に身をささげた。日本の侵略に直面

衛興華《社會主義經濟學》2004

陳東琪主編《1900-2000中國經濟學史綱》中國青年出版社, 2004より第1章社会主義経済学pp.1-22 を抄訳。この章の分担執筆者は中国人民大学の衛興華(1925-2019)である。(写真は成城大学1号館中庭 2019年6月21日) p.1 第一節 社会主義経済学の萌芽時期    一、社会主義経済学の最初の探索  20世紀に入るところで、マルクス主義が中国に伝播し世界で最初の社会主義国家ソ連が建設され、社会主義生産関係を研究対象とする社会主義経済学が生み出され

顧准:探索的過程 by 張曙光 2018

張曙光《中國經濟學風雲史》八方文化創作室,2018 p.948 顧准(グー・ジュン 1915-1974)の探索(人生上の大きな疑問に対して答えを得ようと探し追い求めること)は前世紀の50年代初めに処分を受けてから始まった。その思想の発展と探索の内容からみて、3つの段階を経ている。  第一段階。発芽期(萌芽期)。1952年から1956年ソ連共産党20回大会前後。党校での学習期間が進んでいる。顧准の探索はすでにマルクス主義理論から開始され、(しかしまだ)完全にマルクス主義の範囲に