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陳独秀、胡適、顧准

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陳独秀(1879-1942)を中心。胡適(1891-1962)、顧准(1915-1974)も扱う。
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#王元化

王元化「世界には寂しさを感じないこのような人がいる」1989年2月24日

王元化“世界上有這樣的人不會感到寂寞”載《從理想主義到經驗主義》光明日報出版社2013年pp.1-3は1989年に予定された大陸での初版のために用意された序文。しかしこの初版は六四事件に到る政治的混乱の中で実現しなかった。この文章は以下にも収められている。王元化<懷顧准>載 《顾准追思录》中央编译出版社 2017年pp.13-16。 p.1 顧准の《理想主義から経験主義へ》は発表のため書かれた著作ではない。これは作者がその兄弟の求めに応じて時々に書いたメモであり、時間

『理想主義から経験主義へ』出版追記 陳敏之 1992年8月

顧准『從理想主義到經驗主義』光明日報出版社,2013年,pp.190-196 (陳敏之(1920-2009)は顧准(1915-1974)の弟。顧准について多くの貴重な証言を残している。)(写真は渋谷スクランブル交差点 2020年6月2日) 私は運命は信じないが、実際は時に運命の存在を認めざるを得ないことがある。五番目の兄である顧准の運命は良くなくて、生涯苦労の連続(坎坷)であった。死後の運命も良くなく、不幸続き(多舛)であった。彼の遺著『理想主義から経験主義へ』は、整理

李鋭「一時(いっとき)も理論を欠くことはできない思考」1996年2月

李銳《一刻也不能沒有理論思維》原載《東方》1996年第2期 罗銀胜《顾准追思录》中央编译出版社, 2017年,144-153 p.144 《顧准文集》は王元化同志が私に送ってくれた。その前は、私は顧准その人その事情その文を知らなかった。彼は私より2歳年上で我々は同世代人である。しかし九一八事変の時、私は長沙で高等中学に在学しており、彼は上海ですでに立信会計士事務所に入っていた。我々はともに民族存亡の危機に際して(在民族危亡的關頭)革命に身をささげた。日本の侵略に直面