見出し画像

佐伯祐三アトリエ記念館

 佐伯祐三(明治31年1898年ー昭和3年1928年)は人気のある洋画家である。その佐伯が大正10年1921年の米子との結婚を機に、下落合に自宅とアトリエを構えた。その場所に、佐伯旧宅のうちアトリエ部分だけが再建され、佐伯祐三アトリエ記念館として公開されている。
 しかし大正12年1923年から26年2月、さらに昭和2年27年27年9月から肺結核で客死する昭和3年1928年8月まで佐伯は6年近くをパリで過ごした。つまり佐伯がこのアトリエで過ごした時間は多くはない。とはいえ記念館内の説明によれば、このアトリエを彼自身が設計建築したと思える。そこで何を考えたか。当時の下落合のことを参考にして少し考える。今は西武新宿線下落合駅から徒歩10分だが、佐伯は渡欧前にこの駅を使ったろうか?。下落合の駅は昭和2年1927年4月井荻―高田馬場間が、村山線として開業したことに始まる。渡欧直前、彼はこの駅を使ったであろう。しかしこの駅ができるまで、ここは不便な場所だったように思える(目白の駅から徒歩20分)。ただしここは目白に通ずる丘陵台地で、見晴らしや水はけはよかった。なおアトリエ近くにある聖母病院は建築開始は昭和4年1929年、開院は昭和6年1931年末とされる。下の写真の2枚目は佐伯が描いた当時の下落合の姿(昭和元年1926年頃)。そしてここに住んでほどなく佐伯は欧州に旅立った。そして二度目の渡欧中のパリで31歳の若さで客死した。
 アクセス 西武新宿線下落合駅より聖母病院方面に向かう。徒歩10分。聖母病院をすぎて、歩いてきた坂道の先を見ると左に入る路地を示した標識が上方に見える。車が入れない路地を進んだ左手。住宅に囲まれた緑の中にアトリエがある。月曜休館。
    私の東京案内

画像1
佐伯祐三のアトリエ(復元)
画像2
下落合風景(テニス) 新宿区落合第一小学校蔵


main page: https://note.mu/hiroshifukumitsu  マガジン数は20。「マガジン」に入り「もっと見る」をクリック。mail : fukumitu アットマークseijo.ac.jp