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趙紫陽 資本主義過程の必要性 1993/04/28

宗鳳鳴《趙紫陽軟禁中的談話》開放出版社,2007年,86-87

  1993年4月28日 趙紫陽は言う:国有企業の改造について、公有制を選択して主体とする株式制では問題は解決に至らない。というのもすべて公有制では過去と大差ないからだ、自身に損益を負わせるだけでは解決にならず、ただ国有企業の経営メカニズムの転換をしても同様に解決に役立たない。これはかならず所有制問題の解決を必要としていたと。趙紫陽は国有民営方式、リース方式更に中外合資方式を検討し、国有資産の価値を増やすことを確保する点から中外合資を比較適切だと考えた。当然、その他のやり方、請負、売却そして株式化、小さな予算単位にして、独立予算などの方法も採用が検討された。いずれにせよ、全ては国有企業を市場に向かわせ、自ら損益を負わせるようにすることにあった。(中略)
 趙紫陽は言う:東欧を経て、ソ連と中国で進んだ半世紀余りのあの社会主義の実践が説明しているのは、後進国や発展途上国で、革命勝利後、すぐに社会主義を建設はできず、必ず資本主義のこの過程(這一課)を経ねばならないということだと。趙紫陽は考えた:このような国家は社会主義を建設する条件が備わっていないだけでなく、まだ成熟もしていない。社会主義建設を強行すると、必然的に畸形発展となり社会主義は変形してしまう。無理に行おうとして、多くの大衆が不同意であると、ストや反対が起きる。これは結果として強迫手段の採用、高圧政策の実行、鎮圧といった方法をやむなくさせ、自然に独裁、統治強化、個人独裁となり個人崇拝(迷信)を作り出す;同時に異なる政治的意見の者を批判闘争、鎮圧となる。スターリンと毛主席はこのように進んだ悲劇である。ソ連では農業集団化が強迫実行され、中国では権威の力で「一大二公」の人民公社制度(ここで一大二公とは人民公社の規模が大きく、公社の公有化の程度が高いことを指している。)が実行されたが、そのことによる生産力の破壊は莫大であった、(そして)死んだ人がいかに多かったことか!それゆえゴルバチョフはソ連で行われた社会主義の実験(試験)は「痛ましい教訓」だといい、エリツインは「災難」だといったのだ。これはすべて資本主義のこの過程(這一課)を補わなかったために生じたことなのだ。
 (中略)
 趙紫陽は重ねて言った:必ずマルクスのこの原理を回復(恢復)せねばならない、(すなわち後進国や途上国で革命が勝利したら)必ず資本主義のこの過程(這一課)を補わねばならない(という原理を回復せねばならない)、これは人類社会発展の自然な過程である;ただ(現在)このことは議論できない領域(禁区)となっている。もしこのように問題を提出すると、極「左」派に、資本主義の復活を図っているとして襲われる(反撲)危険がある。(しかし)はっきり言うべきだが、この原理が回復しなければ,(社会主義という?)真理で人を心服させることは難しい。

#趙紫陽 #資本主義 #社会主義 #一大二公 #ゴルバチョフ


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