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中央組織部 中国特色社会主義八講 2013

 「社会主義初級段階理論」についての党員向け説明。中共中央組織部党員教育中心組織編写「自分の道を歩め(走自己的路) 中国特色社会主義八講」人民出版社,  2013年9月,  pp.120-123, 125(写真は成城池に面して成城大学3号館)

p.120 1956年に我が国社会主義制度が開始されて(建立)以来,数十年の発展を経過し、わが国はもともとの基礎に加えて大きく発展した。しかし発達した国家と比べると、わが国の生産力水準は低く(比較低)、わが国はなお社会主義初級段階(階段)にある。今日、わが国はなお社会主義初級段階にあるという国情は変わらず、人民の日増しに拡大する物質文化需要と遅れた社会生産の間の矛盾が社会の主要矛盾であることは変わらず、わが国が世界最大の発展しつつある国家であるという国際的地位も変わらない。いかなる情況においても、社会主義初級段階というこの最も重要な(最大の)国情をしっかりと把握し、すべての方面(任何方面)に対して社会主義初級段階という
p.121  この最も重要な(最大の)実際の状況(實際)にしっかりと立脚して改革発展を推進せよ。そうすることで、中国特色社会主義建設はしっかりとした基礎(縂依据)をもてる。
    社会主義初級段階の基本理論に関しては、(1987年10月に趙紫陽により行われた 訳注)党の十三大報告のなかであらゆる側面について論述されている(全面的闡述)。  1987年3月21日、中央の責任者(趙紫陽のことだが名前を出すことを避けたと思われる。訳注)は十三大報告大綱の構想(設想)を提出した。全編が社会主義初級段階を立論の根拠に定めて(擬以)併せて社会主義初級段階の内容(内涵)に科学的定義を与えている(作了科學界定)。社会主義初級段階は、一般に指摘される無産階級が政権を奪取して以後の初級段階ではなく、中国の歴史条件と社会条件が決定したところの、必ず経過しなければならず飛び超えることができない初級段階のことを特に指している。中国は(すでに 訳注)社会主義に入ったが、資本主義から脱皮したのではなく、半植民地半封建社会から脱皮した。それゆえに生産力、生産関係、上層建築に一連の特徴が生まれた。中国はまた発展中の大国である。先進国(發達國家)と同じでないだけでなく、その他の多くの発展中の国家とも同じでない。このことは中国の社会主義建設はほかの国家のモデルをなぞる(照搬)ことはできないことになるし、必ず自身の国情から出発し自身の道を歩かねばならないことを決定する。鄧小平は(構想を 訳注)査閲後、「この方法(設計)でよろしい」と意見を表明(作出批示)した。

党の十三大報告が提出した社会主義初級段階理論
 党の十三大報告は改革開放と社会主義建設の歴史経験の総括において、社会主義の前進(進行)を再認識し、現代中国の国情について、再び考えること(進行再思考)を基礎として、わが国社会主義初級段階の性質、内容、特徴、歴史地位と主要矛盾について、さらに党の社会主義初級段階の基本路線について、全面的で重要な論述を行い(作了全面深刻的論述)、完全に整った社会主義初級段階理論を作り上げた。社会主義初級段階の基本内容として、十三大報告は、この論断には二重の含意が含まれていると指摘している。第一に、わが国社会はすでに社会主義社会である。我々は必ず社会主義を堅持し離れてはならない。
p.122 第二に、わが国の社会主義社会はなお初級段階にある。我々はかならずこの実際から出発しなければならず、この段階を飛び越えることはできない。現代(近代)中国の具体的歴史条件もとで(は)、中国人民は資本主義の十分な発展段階を経ないで(も)社会主義の道を歩くことができることを承認しないことは、革命発展問題上の形式的議論(機械論)であり、右傾のあやまりの重要な認識の源だが、生産力の巨大な発展をすることなく社会主義初級段階を飛ぼ超えることができると誤解することは、革命発展問題上の空想論であり、左傾の誤りの重要な認識の源である。

 1987年8月29日、鄧小平はイタリア共産党の指導者ベルリンゲルとの会見で指摘した。「我々の党の十三大は中国社会主義がいかなる段階にいるかを述べるだろう。それはすなわち初級段階、初級段階の社会主義である。社会主義はもともと共産主義の初級段階だが、われわれ中国はその社会主義の初級段階、未発達(不発達)の段階にある。すべてはこの実際から出発しなければならず、この実際に基づいて規則を制定しなければならない。」
 1997年に党の十五大は中国社会主義初級段階の内容をさらに詳しく(進一步)示した。この歴史段階は未発達の状態から次第に脱皮し、社会主義現代化の歴史段階を基本実現する。農業人口の比重がとても大きく,主として手工労働に依存した農業国から、次第に、非農業人口が多数を占め、現代農業と現代サービス業を含むものが工業化された国家の歴史段階。自然経済そして半自然経済がとても大きな比重を占めるところから、次第に経済市場化の程度が高い歴史段階。文盲あるいは半文盲がとても大きな比重を占め、科学技術教育文化の遅れたところから、次第に科学技術教育文化が発達した歴史段階へ。貧困人口が人口の大きな比重を占め、人民生活水準が低いところから、次第に人民全体が富裕な歴史段階。地域ごとの経済文化がとても不均衡なところから、あるものは先にあるものは後に発展することで、次第に格差が小さくなる歴史段階。改革と探索を通して、成熟し活力に満ちた社会主義市場経済体制、社会主義民主政治体制そしてその他の方面の体制が開始されより良いものとされる歴史段階。広範な人民が中国特色社会主義の共同理想をしっかりと樹立建設し、怠けることなく(自强不息),堅い意思で前進し(銳意進取),困難のなかで奮闘し(艱苦奮鬥),勤勉と節約で国を作る(勤儉建國),物質文明を建設すると同時に精神文明の建設に努力する歴史段階。世界の先進水準との差異が次第に縮小し、社会主義の基礎上に中華民族の偉大な復興が実現する歴史段階。
(中略)
p.125  1986年9月、党の十二届六中全会は社会主義現代化建設の全体の配置図(布局)を明確に提起した。全会が可決した《中共中央の社会主義精神文明建設指導方針の決議》が表明するところは「経済建設を中心とする。経済体制改革を固い決意で(堅定不移地)実施する。堅い決意で政治体制改革を実施する。堅い決意で精神文明建設を強化する。併せてこれらを互いに組み合わせ互いに促進する。」経済建設、政治建設、文化建設を同じ速さで推進する考え方(思路)はすでに明確である。1987年10月、党の十三大は社会主義初級段階の基本路線を、富強、民主、文明の三大目標に経済建設、政治建設、文化建設が対応するものとして「一つの中心、二つの基本点」とまとめている。

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