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高齢化・人手不足と社会の進化

 人口の減少と高齢化が続いている(写真は諏訪山吉祥寺経蔵。文化元年1804年の再建)。総務省の人口推計によれば、2018年10月1日現在の外国人を含む日本の総人口は1億2644万人 前年比26万3000人少ない1億2644万3千人。減少は8年連続、減少幅0.21%は過去最大。他方、外国人は6年連続で増加、人口構成比は1.76%に達した。70歳以上の人口構成比が初めて20%を超えて20.7%、人口高齢化が改めて確認され、15歳から64歳までの生産年齢人口構成比は60%を割って59.7%となった。
 こうした人口の変化に対応した、新たな生活スタイルが生まれる必要があるだろう。すでにその兆しはある。大都市・観光地では平日から人で賑わうようになった。この人出は明らかにビジネスのチャンスになっている。
 他方で人手不足(labor shortage)のために失業率がさがり、女性・高齢者・外国人の雇用が進む。完全失業率は2012年末の4.3%から2018年末に2.5%に低下(失業率は働く人が増えると下げ止まる傾向があり、2018年頃から下げ止まる傾向が顕著 求人倍率も上昇がとまり横ばいになる 完全失業率は2019年2月に2.3%の低い水準を記録。有効求人倍率は横ばいで1.63倍)。15~64歳の女性就業率は2012年から2018年の間で60.9%から70.0%にまで上昇した(女性や高齢者の就業増加は消費を支える側面がある)。結果として人手不足は新たな雇用と消費を生み出し、日本経済を活性化した。
 また人手不足に悩む企業の中には、賃上げ・値上げのほか正社員化・自動化・システムの見直しなど、踏み込んだ対策に乗り出すところも出ている。コンビニにおける24時間営業モデル、宅急便における再配達、などがシステムそれ自体が限界にある典型とされ、様々な試行(例 コンビニにおけるセルフレジ導入など)が続いている。
 人口構成の変化はあらゆる産業にとって、ビジネスモデル見直しの追い風となり、都市と社会の進化を促している。

#生産年齢人口比率 #諏訪山吉祥寺


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