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劉少奇 天津講話 1949/06/04

(1949年6月4日 劉少奇が民主党派および党の各クラス責任者を前に行った講話である。労働者による争議の拡大、経営者資本家の逃避により、社会の混乱が広がる中、劉少奇は天津にゆき、現地の産業界そして党幹部と懇談。この講話はその直後のもの。天津でなにがあったかを報告したものと思われる。その核心部分、劉少奇が資本主義搾取を肯定したとされ天津講話として批判された該当部分を訳出する。ここで確認できる資本主義肯定のロジックは2つ。一つは迅速な生産の再開・拡大、それは失業者を救済するためにも必要があったこと。またもう一つはより長期的な視点として(どこまで本心かは別にして)、経営者のもっている経営ノウハウの肯定である。『劉少奇自述』国際文化出版公司, 2009, pp.131-143 写真は1950年6月中国人民協商会議における劉少奇。)

p.138 彼(東亜企業股份公司の宋経理)はまた尋ねた。わずか数百元の株主も資本家なのか?と。私(劉少奇)は答えた。社会生産は当然問題はない。すべての生産は社会性がある。商品経済があれば、小生産者の生産品でさえすべて社会生産だ。しかし問題は建物だとか機器こうした生産手段がすべて占有され、私人に属しており、私人占有であることだ。社会主義とは将来このような私人占有の生産手段を社会所有に変えることだ。現在はあなた方が建物、機器を占有し、また生産された商品もまたあなた方の所有に帰している。いくらで買ったかは関係がない。利益の3分の1を配当とするのも4分の1を配当とするのもいずれでもよいが、搾取は客観的に存在する。1万株あるいはもっと多い株主だろうとなかろうと、あなたは経理で、株主の総代表であり、株主に対して責任があり、義務からしてそして職責として株主に配当を払わねばならない。あなたは(それでも)搾取者ではないのか?問題はあなたが好んで搾取するかどうかではなく、その社会制度があなたが搾取しないかするかを決定するところにある。あなた方が労働者を搾取し、四大家族と帝国主義とがまたあなた方を搾取する。それゆえあなた方は二重の身分にある。あなた方は反帝反封建であるので、我々はあなた方と連合でき、それゆえあなた方は革命の友人だ。新民主主義革命は3人の敵と4人の友人がいる(敵とは帝国主義、封建主義、官僚資本主義。友とは労働者階級、農民階級、都市小資産階級、民族資産階級)。我々はあなた方を友人の中に放つのであって、敵の中に放つのではない。搾取は事実存在する、しかし搾取は悪いことだろうか(好不好?)。周××先生は搾取は罪悪だといい、あなた方も有罪だという。私は有罪だが功績もあると言う。失業している労働者が復職を求めるのはあなた方に搾取してくれと求めているということだ。現在1000人余りの労働者が、もし2000人余りになるのは悪いことだろうか?いいことだ。・・・資本主義搾取は一定条件のもとで進歩性があるもので、いつも反動あるいは進歩というものではない。

p.141 これ(社会主義)は数十年以後のことで、現在私(劉少奇)は具体的に説明できない。彼らは固く(一定)私に説明を求めた。私は社会主義は私人工場を没収することだと言った。マルクスはこれを革命といい、毛主席はこれは平和裏に達成できると言っている。平和裏に進めるには関(閘)を設けて、少しずつ進める必要がある。どのような和平が可能か。話すのはむつかしい。…たとえばあなた方東亜毛織の宋××経理は管理が上手で、我々より進んでいる。我々はあなた方に学ばねばならない、あなた方の生産力は高い。…もしも我々が国家労働者の生産力をその高さまで引き上げられればそれは進歩ではないのか?…確かに20年後こうした工場は国有に帰するかもしれないが、もしあなたが反対でなければ、あなた宋××先生が適任なら(有本事)工場長をお願いしたい。…これこそ社会主義であり、国家は喜んであなたに仕事を与える。(このあと株主の扱いについての回答がある。有償でつまり株を国が買い取るとするが、買い取りは1年では無理で分割で10年それ以上かかるかもしれないことや、一部は国家に献上を求める可能性があると説明している)

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