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Monopoly by George Sigler from Econlib.com 独占 スティ―グラー

By George Stigler, Monopoly
Cited from Econlib.com

(著者は1911年ワシントン州シアトル生まれ。1991年シカゴで亡くなる。シカゴ大学経済学教授など。1982年にノーベル経済学賞受賞。)
 企業が財貨あるいはサービスの唯一の売り手であることを独占という。政府の介入がなければ、独占企業は価格を自由に決めることができ、最大可能な利潤が得られるところに価格を設定する。独占企業は、競争に直面している企業に比べ儲かっているprofitableとは限らない。その市場はとても小さく、一企業をかつがつ維持できるものかもしれない。しかし独占企業が、実際に競争企業より儲かっている場合、経済学者は他の企業家がより高い収益を得ようとその事業を参入させることを予想できる。もし十分な競争相手が参入すれば、その競争は価格を押し下げ、独占力は消え去るだろう
 古典派経済学(おおよそ1776年から1850年)時期の前とその時期の間、ほとんどの人は、新しい競争者により独占が侵蝕される過程はまっすぐに進むものpervasiveだと信じていた。彼らの考えでは、持続できる唯一の独占は、政府が競争相手を排除するものだった。この信念はPenny Cyclodepia(1839 Vol.15, p.141)の独占についての優れた論文の中で十分に述べられている。

「独占という言葉は、英国法の中では一度も使われなかったように思われる。例外は国王の勅許により誰か何人かにだけ、特定の商品・財貨の取扱・販売の権限が与えられたときである。もし多数の個人が何か特定の財貨商品を生産する目的で連帯し、もしかような財貨を幅広くそしてほとんど唯一、売ることに成功するならば、かような人々は大衆の言葉で独占しているmonopolyと言えるだろう。(しかし)今これらの人々は法によって他の人々を超えた優位は与えられていないので、彼らがその商品を売ることができるのは、その商品を生産する他の人より、より安くよりよく生産することによってのみであることは明らかである。」

 今日においてすら、独占あるいは独占に近いものの維持は、政府の政策に依存している。(中略)政府の支援から独立して存在する独占は、市場が小規模であること(町で唯一の薬剤師)や、あるいはイノベーションにおける一時的な指導権(第二次大戦前のthe Aluminum Company of America)に依存している
 経済学者はなぜ独占に反対するのか?独占に反対する純粋に「経済学的な」議論は、非経済学者が期待するかもしれないこととかなり異なっている。成功した独占企業は、競争時にそうであるよりも上の価格を請求する、それゆえ顧客はより多く支払い、独占企業(そしておそらくその従業員も)利益を得るgain。奇妙に思われるかもしれないが、経済学者は、単純に顧客から独占者に富が移転することで独占者を批判することには根拠がないと考える。なぜなら経済学者は生産者と顧客のどちらの方がworthy(富を得るのに値する)かを知らないからである。もちろん(経済学者を含む)人々は、富のの移転を道徳的なものも含めほかの理由で批判するかもしれない。しかしその移転自身は「経済学」の問題を提供していないのである。
 独占に反対する純粋に「経済学」の問題caseはそれが経済的厚生welfareの総量を減らすことにある(等量ずつある人を悪くしたり、ほかの人を良くしたりというのとは異なり)。独占企業が価格を競争レベルより独占利潤を刈り取るために引き上げるとき、顧客はより少なく生産物を買い、生産はより少なくなる。そして社会全体の(経済的厚生)全体として悪化している。短く言えば、独占は社会の所得を減少させるのである。(以下略)


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