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教える立場で気をつけていること

 ぼくも常に何か新しいものを学び
続けているような気がします。
そして人生の折り返し地点を過ぎてから
誰かから何かを学ぼう(お金を払って)
とすると、その先生が自分より
年下である可能性は
どんどん増していきます。
たとえ年下であったとしても、
その道では大先輩。
自分の方が人生経験が豊富だ・・・、
なんて驕りはズバッと
切り捨てることにしている。

 だから、逆の場合、
つまりぼくが先生の立場の時、
様々な年齢層・習熟度の
生徒さんたちに対しても
謙虚な気持ちで接していたいと思う。


レッスンで気をつけていること
(あくまでもぼく個人の見解)


1.否定しない

 個人の嗜好や個性を、尊重する。
指導者は、ややもすると
自分に初心者時代があったことを
忘れてしまう。
楽器を弾く際の、生徒さんの
運指やフォームや解釈に
まず理解を示し、
もし気づくところがあれば、
こういう別の方法(楽とか合理的な)も
あるよと提案します。
最終判断は、生徒さん自身に任せる。

2.褒める

 人間は、自分の良いところを
見つけてもらって
褒められたら、だいたい悪い気はしない。
なんなら、嬉しい。
キツイ物言いで、伸びる人もいますが
やはりそれは少数派かな。
(もちろん、時と場合によるけれど)
ぼくは基本、人を褒めて
成長させたい。
こんな配分かな・・・。
”3回褒めて、その後1回
アドバイスする”

3.他の生徒さんと比較しない

 生徒AさんはBさんより
教科書の進みがはやいとか、
生徒CさんよりDさんの方が
練習量が少ないとかは、
言わないようにしています。
一人一人、特性や生活リズム、
目標とするものが異なるからです。
自分は自分!

4.名前で呼ぶ

 生徒さんは、”きみ”とか”あなた”とか
呼ばず、名前で呼ぶようにしています。
1度に何十人、何百人と教えていれば
なかなかそうもいかないでしょうが、
マンツーマン・レッスンだったり、
少人数規模のグループレッスンだったら
そうすべきでしょう。
自分の名前をしっかり覚えてくれる
先生はやはり信頼できると感じますよね。


5.間違ったら、謝る


 先生も人間です。
間違うことも当然、あります。
先生というのは、どうしても
生徒さんより立場が上と考えられますが、
年齢や社会的地位によって、
人に接する態度というものを
変えるということは
絶対にしたくない。
ですから、自分がもし曖昧な知識で
誤ったことを喋ってしまって、
それに気づいたら、
相手が誰であれ、すぐ謝る。
(しょっちゅう、小学生の生徒さんに
頭を下げている気もするが・・・)
とにかく謙虚を忘れず、いつも
”〜させていただく”という
感謝の心を忘れないように。


6.答えを与えない

 音楽の解釈や、表現に唯一の答えと
いうものはありません。
その人のこれまでの勉強や経験が
ある時点においての最適解を
導き出せるだけのこと。
正解が”複数ある”と言う
前提を理解して
教科書や先生の言うことを
鵜呑みにせず、
自分の頭で考える人間であるべき。
何か問題にぶち当たったら、
思考停止せず、工夫して
切り抜ける。
そんな地頭を鍛えるような
教育がしたい。


7.価値に気づいてもらう

 人が幸福度を高く感じるものは
簡単に手に入ったものではなく、
時間がかかったり、苦労して
成し遂げたお金では買えないようなもの。
”楽器がまともに弾ける”
ようになるのもこれにあたります。
様々な困難を乗り越えた分だけ
人生にとって大きな財産となる。
音楽が価値の高いものであると
気づければ、少々の壁にぶち当たっても、
それすら喜びに転化できる。


7.楽しませる

 これ、大事だと思います。
何十年も、ほぼ毎日、
ギターレッスンしていますが
何気ない生徒さんとのレッスンの場で
感動で胸が熱くなる
瞬間がけっこう、
ゴロゴロところがっています。
例えば、2人で一緒に演奏している時。
調和したハーモニー、
呼吸がシンクロしたリズム、
言語を超え音のみのコミュニケーションで
成立する即興演奏・・・etc。
まさに”音楽する喜び”がレッスン室で
生まれます。
こんな空間があることに気づき、
誰とでもそれが共有可能になれば、
日々の練習も楽しくなるはず。
とにかく、楽器練習を始めてみる、
そして続ける。
続いたら、人と一緒に演奏してみる、
人前で演奏してみるなど
ステージを徐々に上げていきます。
音楽することが、楽しくなるヒントが
いっぱい詰まったレッスンにしたい。




 

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