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タブ譜のメリット、デメリット

 ギターを始めた頃は、独学だったので
タブ譜にもずいぶんお世話になりました。
タブ譜とは、6本の横線上(ギターの弦の視覚化)に
数字が書かれていてどこを押さえて
弾けばよいかが一目瞭然になったもの。
もちろん、今でも初心者の方の持ってくる
タブ譜を利用してレッスンすることはありますが、
ぼく自身のギタートレーニングにおいて
タブ譜を読むということは、
もうありません。

 タブ譜は、便利なものですが
そのメリット、デメリットを
まとめてみたいと思います。

メリット

1.ギターを始める時の心理的障壁を弱める
2.正規の楽譜を読むトレーニングがいらない
3.弾くポジションで迷わない

デメリット

1.リズムが甘くなる
2.知らない曲は弾けない
3.自分の弾きやすいポジションに変更できない
4.音の方向性がわかりにくい

 では、デメリットについてもう少し
深掘りしてみましょう。

デメリット1
「リズムが甘くなる」


 タブ譜はどこを押さえるかはわかりやすいですが
音の長さを表す表記法としてはちょっと不完全な
ところがあります。
音の長さや、休む長さを伝えるにはやはり
正規の楽譜の方が有利。

デメリット2
「知らない曲は弾けない」

 知らない曲は弾けなくていい!とすれば
どうでもいい話ですが、
ちょっとでも正規の楽譜が読めれば、
知らない曲でも、初めて会った人同士でも
すぐセッションすることも可能になるので
単純に楽しいことがたくさん起こる。

デメリット3
「自分の弾きやすいポジションに変更できない」

 ギターは同じ音が異なる弦に
複数存在する楽器です。
そのため、フレーズを弾くにもコードを
弾くにもプレイヤーによってポジションや
運指の可能性がいくつも考えられます。
もし、タブ譜しか読めなかったら、
書かれた通りに弾くしかないですが、
正規の楽譜が読めれば、自分の弾きやすいように
変更することも容易になります。

デメリット4
「音の方向性がわかりにくい」

 例えばあるフレーズが複数弦に
またがっていた場合、
音程が上昇しているにも関わらず
隣の弦に移動した時に、
数字がそれまでより小さくなることが
よくあります。
生理的には、音程が上昇していくなら
その数字も比例して大きくなっていく方が自然に
感じられます。
正規の楽譜ではこの矛盾は起こりえず、
メロディーの方向性がわかりやすい。


 あくまでも、ぼくの主観ですが
ギターを人生のパートナーとして
長く付き合っていくなら、
ある時期、正規の楽譜を読む訓練は
しておいた方がいいと思います。
これは、ただ単に訓練すれば誰でも
獲得できる技能なので、
特別な才能が必要というものでもありません。
正規の楽譜がある程度、読めるようになると
基礎力が高まり音楽を
より分析的に聴けるようになり、
かつ表情豊かなプレイにも
つながっていくでしょう。


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