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地方創生に向けて

<1月に書いた文章の再掲です>

新年が明けて早くも3週間が過ぎようとしてます。その間、コロナ過になってからと同じ生活が続いてます。そんな中であえて変わったことといったら、年賀状のやりとりくらいでした。年賀状は、年々減っていき、いまでは、一桁の9枚ほどになってます。多い時は30枚くらいはありました。

その9枚の内訳は、大学時代の友人へ3枚,会社の知り合い3枚,そして親戚3枚でした。会社の知り合いは、もうかれこれ20年くらいはとぎれがなく続いています。カート・サーモン・アソシエイツ(現在はアクセンチュア)、i2 Technologies、そして日本コカ・コーラといったところです。知り合いとは会社を去った後も都内でよく会ってました。

大学時代の友人は、すべて名古屋市。親戚は、愛知県豊田市。そんなこともあって東京よりは、やや地方色があります。8時半になると百貨店のシャッターはしまり、人がいなくなります。人口200万人でしたので、一都三県の3千万人に比べたら、人口密度は低い。

そういえば、地方ってどうなっていくんだろう、と片隅にあった。それあってか、ここ1年ほど参加しているオンラインイベントで地方創生をテーマにあげられたのをきっかけに聞いてみました。

実際に4年前に地方創生をやっていたこともあります。イベントの中で大学生の方と対話する機会がありました。そんなことから、大学生が地方創生に向けてどのようにアプローチしたらいいか。それ体験をもとに書いてみます。プライバシー保護のため、実際に出てきたひとの個人名は出しません。

お勧めは、学び、応援し、そしてやってみることです。

まず、地方から人がいなくなっていく。そして東京に人が集中する。産業ばかりでなく、行政も大学も。そこで過疎化が起きる理由です。この理由を原理を使って理解しておくと後々ためになります。

その原理を理解するには、思考法をまとめたものがあります。過去に未来予測をテーマにした発表がありました。そこで思考法としてよく使われる9つの分析手法が説明されてます。その中のひとつが原理として地方が過疎化する説明としてふさわしいものです。

ここでは解答は書きません。大学生の方は、ちょっとクイズだと考えてチャレンジしてください。この分析手法を理解することで他の事象、例えば、気候変動や環境破壊といった社会問題も同じ原理で発生していることが理解できます。

それらの問題には、均衡が必要であることも見えてきます。原理を理解し、いろいろな事象を説明できるようになります。地方創生は学ぶためには格好の題材でしょう。

学ぶというのは、最初の一歩です。次に実際にやっているひとたちを応援しましょう。応援といってもどんな人たちがやっているかです。応援する際には、実際にやっている人たちの中でも本気でやっているひとを応援しましょう。いい加減にやっている人とやっても時間を無駄にするだけです。

これは、イベントの中で地方の人たちはどこまで本気でやっているのかという疑問が出たためです。

わたしは、4年前に島根県益田市、津和野町、そして吉賀町で地方創生プロジェクトに参加していました。他の地方創生プロジェクトにはあてはまりません。現在の地方創生はどうなっているかは未知数です。それを前提に話します。

益田市、津和野町、そして吉賀町、あわせて人口6万人です。面積は、千葉県の27%です。千葉県は、人口650万人ですので、人口密度は千葉県に比較して100分の1以下です。

かろうじて行政職員が窓口となって地方創生をしていました。わたしは、総務省の関係人口ポータルサイトから申し込み、参加をしたものです。

結論からいいますと行政主導ではうまくいきません。また、行政の方たちは、予算ありきで条例の範囲で関わるのが前提です。ですので国の予算が出ないと動きません。また、動き方も行政職員としての仕事をするわけで直接、産業を興すことはしません。あくまで、税収をもとに役所の仕事をします。島根県で選挙があれば、そっちを優先します。

また、国から予算が出て、東京の人たちとの関係人口を増やすということをしますけれども、プロジェクトの期間中は、毎週のように萩・石見空港から羽田空港を往復して、食事をして帰っていく。そして来るひとたちが数人でなく、何人も引き連れて東京にやってきていました。

それは別に悪いことではありません。ただ、メールのやりとりもだらけてくると絵文字を使ったりします。それを役所の就業時間中にでもしてきます。facebookのグループに参加してややおちゃらけたけたことも。別に暴露をするわけではありません。国の税収でそういうことをするひとたちと学生の方が本気で創生サポートをしたいかです。それでもがまんできるのであればいいでしょう。

行政は本気ではありません。

一方で、ほんとうにそうなのか。必ずしもそうとはいいきれない。半年のプロジェクトの途中で都内でセミナーがありました。そこでは、高知県の尾関知事が六本木にある政策大学院でプレゼンテーションをしました。そのプレゼンテーションは、とてもうまく、原理をとらえ、地方創生の難しさを語っていました。15年以上かけて取り組んでいます。それでも難しい。

また、同じ四国の中に徳島県があります。そこで国際交流からスタートしたNPOグリーンバレーというのがあります。ここでは、大南さんという方が徳島県の地方創生にたずさわっており、雑誌にちぎんで紹介されていました。そこは、日比谷にあるBaseQの責任者もグリーンバレーを推薦してくれました。BaseQは地方創生についてよく知って活動をしている。

高知県や徳島県の取り組みを見てみましょう。

さて、原理を知り、本気でやっている人たちを応援しましょう。そのあとは、実際にやってみましょう。人から話を聞いただけでは役に立ちません。総務省のポータルサイトは現在でも募集をかけているはずです。コロナが落ち着いたら、応募してみてください。参加費はほぼゼロです。応援で知り合った人がいれば、紹介してもらいましょう。

実際にやってみるとわかるのですが、地方創生にはアントレプレナーシップが必要です。調査ばかりしていてもしかたなく、思い切って、なにかに飛び込んでやってみるというのもありです。調査だけというのはあまり歓迎されず、問題は特定できていますので、経営コンサルティングも必要ありません。コンサルティングはいらないとはっきりいわれます。

産業が限られています。島根県のプロジェクトでは、お茶、わさび、ぶどう、そしてはまぐりしかありません。そこからなにかしら都会に向けて売るものを生産します。わさびはつくれば売れるのだそうです。ですのでつくる人が欲しい。

観光も一工夫です。どのような自然があるのか。その自然を利用して都会のひとを呼んでどんなイベントにするか、です。これは実際にプロジェクトに参加して15人くらいのメンバーと原案を練っていくうちにできあがっていきます。やりながら案を練ってもいいです。

以上、大学生に向けて書きました。原理を理解し、本気でやっている人たちを応援し、自分もやってみる。こんなアプローチが地方創生に向けてお勧めです。

有意義なプロジェクトになりますように。