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エド・シーラン「=」

エド・シーランが作った究極のポップネス

ニューアルバム『=』がリリースされた。
前作『÷』も相当にポップな作品だったが、新作のポップネスはかなり突き抜けたものになっている。

今どき感のある打ち込みと80年代風のシンセサイザーに乗せられるメロディーは、どれも強力なフックを持っており、本作からも数多くのシングル・カットが切られるであろうことが容易に予想できる。

実は先行シングルを聴いた段階で私個人的には、ポップに舵を切りすぎなのではないかな…と不安を感じていたのだが、アルバムとして通して聴いた時には、あまりのグッドメロディー満載に白旗を上げるしかない、もう好き嫌いのレベルではなく、よくぞここまで印象深い楽曲を揃えたなと感心してしまったのだ。

日常にフィットするポップネス

ここ数日間、本作を毎朝の通勤中にブルートゥース・イヤホンで聴いているのだけれど、少しずつ普通を取り戻しつつある2021年11月の日常にスッとフィットしてくれるサウンドなのだ。
革新的なサウンドや過激な表現で聴き手を惹き付けるのではなく、メロディーと歌の素晴らしさを最大限に発揮するからこそ、何気ない日常生活のシーンに溶け込む音楽を鳴らすことに成功しているのだろう。
日常の傍らにそっといて、生活に溶け込んでいる音、むちゃくちゃポップだけど、それだけではない。そんな音楽をエド・シーランは奏でてくれる。

シンプルなメロディーこそポップネス

最近の日本のポップ・ミュージックを聴くと、そのメロディーの複雑さがどうにも引っかかって気持ちよく聴けないことが多い。
一体どこがサビなのかも分からない大袈裟な展開で息をつくヒマもない。
歌メロも複雑過ぎて覚えることが出来ない。ましてや、カラオケで歌うなんて至難の業だと思う。
一方、エド・シーランのニューアルバム『=』で奏でられるメロディーは忙いところが全くなく、息をつく余裕がちゃんと用意されている。
余裕のある音楽は、何か妙に落ち着くんだよな。すんなり入ってきて、サッと馴染む感じなんだよな。
無理やり作り出したポップなメロディーではなく、自然に生み出されたメロディーの心地良さが滲み出ている。
だから、生活に溶け込む音楽になり得るのだとつくづく感じた次第なのだ。

ポップネスの解答を示した本作

「=」という記号は解答を出す時の記号ですよね。
本作『=』には、エド・シーランから出されたポップへの究極の解答なのではないかと思うほどに充実した傑作だ。
万能感が溢れる究極のポップが鳴っている。



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私、岡田浩史は、都内、主に多摩地区でDJとしても活動しています。私のプロフィールページで紹介しますので、併せてご覧いただき、ぜひご参加ください。 


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