ono hiroshi

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ono hiroshi

インスタ: www.instagram.com/hiroshimilano/ Twitter: @hiroshimilano ブログ: http://ameblo.jp/milanotimes Facebook: www.facebook.com/hiroshi.milano

最近の記事

朝ご飯などの話

さて、とあるところでおいしい朝ご飯の話を読んだので、おいらも朝ご飯の話を書こうかと思い立ちました。 日本の朝ご飯は、1日3食の記念すべき1食目的に、昼食や夕食に負けず劣らずの品ぞろえで食べることになっていますね。外で食べるランチは軽食で済ませ、朝と夜にしっかり食べるスタイルの人もいるのではないかと思います。ご飯、みそ汁、おかずには魚、漬物などが並ぶのが少なくとも戦後の日本の一般的朝食のイメージだったのだと思います。 ところが、例えばイタリアでは、朝食は食事という位置付けで

    • 続、偶然に偶然が重なることもあるのだ

      さて、月日の流れは早いもので、おいらが独立して自分のデザインスタジオを立ち上げて仕事をするようになってもう20年ほどになります。 長女が彼と住み始めた家が彼女の生まれた家の同じ階の隣の家だったことは前回の話で書きました。 ミラノの運河に近い家で、実はその家の通りの隣の通りに数年前からおいらの友人が住んで知るのです。その友人は元ボスのところで一緒に働いていた人なんだけれど、彼はその後CADソフトの販売やコンサルタントのビジネスを始め、事業がうまく行き、イタリア以外にもスイス

      • プレゼント

        あなたが私にくれたもの 黒塗りのり弁森友書類 あなたが私にくれたもの 世界に伍する加計学園 あなたが私にくれたもの ニューオータニの招待状 あなたが私にくれたもの 唐揚げ増した請求書 あなたが私にくれたもの あいまいになった反社定義 あなたが私にくれたもの コロナに効かない布マスク あなたが私にくれたもの かさ上げされたGDP あなたが私にくれたもの 50年前の購買力 大好きだったけど、カルトといたなんて 大好きだったけど、最後のプレゼント バイバイ マイ スィート ジミン

        • 【連載小説】吾輩はガットである⑧

          さて、吾輩は人間の喜ぶスポーツというものにはとんと興味がわかないのではあるが、それでもパオロや誰かしら友人が家にいるときにカルチョの中継を見ていればいやでもある程度の知識は持つに至っている。 普段パオロが見るボローニャだのインテルだのミランだのというのはオトモダチのチーム同士が試合を行うので、同じチームにイタリアの人やらブラジルの人やらアルゼンチンの人やら、外国人も多く一緒にプレーしているようである。そして、大体勝つのはお金持ちのオトモダチチームだそうで、パオロの好きなボロ

        朝ご飯などの話

          【連載小説】吾輩はガットである⑦

          ミラノという街は観光で遊びに来る人は割と少ない街らしい。聞いた話をまとめると、イタリアでも、ヴェネチアやローマ、フィレンツェなんていう街では、それこそ遊びに来てあちこち見物して行く人が多いから、そういう人のためのお店もいっぱいあるらしい。佳子は日本からイタリアのそういう街に遊びに行く人の案内役のガイドをしているのでよくそういう話をしている。観光の人は外国から空を飛ぶ飛行機でローマかミラノにやって来るから、ミラノは観光で見るところは少ないけれど、大きな空港があるため飛行機で到着

          【連載小説】吾輩はガットである⑦

          あの日

          あの日のことを覚えているかい? ああ、覚えているとも。 90年代後半、我が家には子供が3人いて、夏になればというか、初夏になれば妻と子供達はミラノからJALの直行便(今はもうないのです)で日本に一時帰国していました。 イタリアの小学校や幼稚園は6月初旬から3か月の夏休みになるので、ええ、そうです、3か月の長い長い夏休みになるので、6月の中旬に日本へ一時帰国すれば、我が家の子供達は日本で幼稚園や小学校へ7月の間丸々1か月ゲスト的に受け入れてもらえていました。 このちょっと

          コンチェッタ

          我が家の近所にシチリア島出身のおじいちゃんとおばあちゃんが住んでいました。コンチェッタとジュゼッペ。この老夫婦の子供達も割と近所に住んでいて、しょっちゅう家に遊びに来て一緒にご飯を食べていました。子供達と言ってもおいらよりも年上の子供たちなので、そこの家族に子供がいる家もあり、孫達もよく顔を出していました。 週末にはその大家族が集まって食事をすることも多く、コンチェッタの家のオーブンは一般家庭のオーブンの1.5倍のサイズの大きなものでした。 我が家の、今では成人した末っ子

          コンチェッタ

          阿呆飛行

          内田百閒という人の名著「阿呆列車」では用事がないのにわざわざ列車に乗って出かけ、用事のない目的地についてお酒を飲んで帰って来る随筆があります。目的地に着いたら行きっぱなしというわけにもいかないので、今度は帰って来る用事ができます。だから随筆の内容には帰って来る間のことは書かれていません。 この百閒先生は何でもない日常の話を面白おかしく書くのに長けたひとですが、本人は「そんなことは当たり前で、そもそも人生にはあれやこれや事件が起こることは災難で、何もないことに越したことはない

          阿呆飛行

          【連載小説】吾輩はガットである⑥

          気が付くと吾輩は今でくつろぐパオロの膝の上にいた。マウリツィオと夏休みの話をしているらしい。 「夏はどこか行くの?」パオロが聞いている。 「うん、今年も母の実家のサヴォナに行ってゆっくりしようと思ってね。海岸沿いを車で走ればニースくらいまではすぐだから、毎日同じビーチにいなくていいしね。ずっと同じ場所にいると佳子がすぐ退屈しちゃうし。」 「そうだよね。うちも去年の夏にマルケに行ったらそうだった。友達の海の家がポルトレカナーティにあって、8月の中頃から月末まで使っていいよって

          【連載小説】吾輩はガットである⑥

          食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋

          イタリアは8月になれば特に製造業、飲食業などは1か月の休みを取る企業が多かったのですが、近年は夏休みも3週間とか2週間に縮小される傾向があるようです。でも2週間で順番に休みを取って会社やサービスの持続性を保つところが都市部では増え、その2週間を2回にして6月から10月までに好きなところでバカンスするスタイルもあります。特に都市部ではそうやって街に残っている人へもサービスを持続させるお店が増えたので、20年前のように8月はすっからかんなミラノではなくなりました。 我が家は子供

          食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋

          スペインの話

          もう20年近く前の話だけれど、ミラノで知り合った友人のオランダ人とスペイン人のカップルが結婚することになり、結婚式は新婦の母国スペインで、でも、両親の住むマドリードでなくコルドバでするという話になり、招待されました。おいらは一人でミラノの友人達と一緒にスペインへ行ったので妻は一時帰国で日本へ帰っていた夏の話ですね。6月末あたりかな。 コルドバはアンダルシア州にある古代ローマ時代からの歴史を持つ都市。特徴的なのは10世紀ごろのイスラム統治時代があったことによりイスラムのモスク

          スペインの話

          藤戸饅頭

          内田百閒の本にはよく大手饅頭がでてきます。岡山名物の饅頭です。「阿呆列車」にも岡山駅で停車する度に幼馴染の友達がお土産に持って来てくれる饅頭として登場します。大変おいしい饅頭で、日本三大饅頭に数えられることもあると読みました。しかし、しかしですよ。実は岡山と隣の倉敷では大手饅頭派か藤戸饅頭派かという問題が生じるのです。この倉敷市藤戸町天城に本店がある藤戸饅頭も長い歴史があり、そして何より、大手饅頭に瓜二つなのです。 双方の饅頭屋の歴史を比較すると、藤戸饅頭の方が創業が古いこ

          藤戸饅頭

          ウィンナーコーヒーの話

          ミラノからはお隣のオーストラリアは近くウィーンまで飛行機で1時間ほど。とは言うものの、なかなかいく機会がないです。ドイツには大きな見本市会場があり、仕事で割とよく出かけるし、スペインも仕事でもヴァレンシアによく行ってたしバルセロナ近辺も何度も旅行してます。フランスはパリに何度も仕事で出かけたし、旅行でも何度も立ち寄ってます。多にもスイスやオランダ、スロベニア、イギリスなどは仕事や旅行で立ち寄っていますが、こんなに近いウィーンには縁がなかったのです。 息子が18歳になり、イタ

          ウィンナーコーヒーの話

          スフォリアテッラ

          ナポリに行くのだ。ピッツァを食べに行くのだ。魚を食べに行くのだ。モッツァレラを食べに行くのだ。そうだ、ナポリでは地球上で一番おいしい水牛のモッツァレラが食べられるのだ。 ああ、水牛のモッツァレラなら近所の(それがどこだろうとナポリ以外の)イタリア料理屋さんにあるから食べたことあるよなんて間違っても思ってはいけない。なぜならナポリから離れた場所のそれは冷蔵して運んでいるため、常温で保存する本物ではないのです。あの「本物」を味わいたければ、やはりナポリまで足を延ばすしかないので

          スフォリアテッラ

          二ッポイタリアーノ その2

          ここだけの話ですが、日本語とイタリア語は発音が似ています。別にここ以外で話してもらっても一向にかまわないで、大きな声で日本語とイタリア語は発音が似ていることを宣言できるかもしれませんね。そんな移り気な気分にさせるのがイタリアの魔力とでも思ってください。もちろん最初はなれない発音もあるかもしれないけれど、基本的にカタカナ表記で練習できる読みがほとんどなので、アクセントのコツさえ覚えれば意外と通じると思います。初心者の人でも。 つまり、英語や中国語、フランス語の発音で外国語に挫

          二ッポイタリアーノ その2

          【連載小説】吾輩はガットである⑤

          パオロが料理をしている。今夜は奈緒美のお友達が遊びに来て一緒に夕食を食べることになっている。お客さんが来てから料理を始めてもいいのだろうけれど、今夜は日本人のお客さんが三人いるから約束の時間にやって来るという推測に従い、集合前から料理を始めてもみんなが揃うまでに料理が冷めることがないと見越してのことらしい。吾輩のように最初から冷めた料理を食べる習慣にしとけばこういう気苦労もないのだろうに、人間はわざわざ気苦労を自分で増やしては「大変だ大変だ」と大騒ぎするのが好きなのだから仕方

          【連載小説】吾輩はガットである⑤