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CAROLE KING & JAMES TAYLOR -2010- 僕と音楽と(29)

2010年4月15日

CAROLE KING & JAMES TAYLOR "THE TROUBADOUR REUNION" TOUR 1st night at BUDOKAN

僕が17歳のあの'70年の11月。
Los AngelesのThe Troubadourという老舗のnightclubで、Carole KingとJames Taylorが共演した。

Jamesは、ワーナー・ブラザーズ移籍後初のアルバム、あの傑作"Sweet Baby James"をリリースし、
Caroleは、この直後に2ndアルバム、不滅の名作"Tapestry"を世に送り出す。

この二つのアルバムは、日本にいた僕もたちまち虜にしたが、
Chicago、Grand Funk Rail Road、Led Zeppelin、Elton Johnと相次いで来日し、
僕のライブ遍歴が本格化するのは、翌'71年から。
The TroubadourのCarole King & James Taylorが、来日することはなかった。

それから10年を経て、'81.9.11、James TaylorはLinda RonstadtとJ.D.Southerと共に、横浜スタジアムへやってきて、僕はJamesの暖かな歌声に包まれた。

それから更に10年を経て、'90年にCaroleは遂に初来日を果たすが、この年は、僕が一回もライブ会場に足を運ばなかった初めての年に当たる。

僕がCaroleの歌声を生で聴くことになるのは、
2007.11.13の二度目の来日を待つことになる!

翌2008年にも、Caroleは来日してくれたが、
Jamesの暖かい歌声に再び包まれるまでに、30年の歳月が流れ、
この夜がやってきたのである。

Los AngelesのThe Troubadourでの共演から40年。
ついに彼らは、初めて二人で一緒に、この武道館のステージに現れる。

日本で2夜限りの武道館初日(横浜が追加されたけど)。
この日、この場所で、僕はどうしても二人に逢いたかったのだ。

暗転

show started 19:05

それにしても、この夜は一応アリーナとはいえ、珍しくも最後列!
ステージが、と、遠い!(爆)
ふつうこの位置では、流石に高揚感も萎えるのだが、そうはならなかったのが、この夜が素晴らしい所以。

下手から、スポットライトが当たる中、手を繋いで登場したCaroleとJamesの、和気藹々とした姿を見ただけで、40年来の感慨が込み上げる。

オープニングは、Jamesの、あの"Blossom"から!
ステージ左手の、Caroleのpiano伴奏に加えて、気がつくと中央やや右手には、
長い白髪と白髭のLeland Sklar (b.)が、仙人のように立っている。

続いて、今度は、Caroleの、あの"So Far Away"!
今度は、Jamesのあの何ともいえないアコギが伴奏に加わる。
一昨年のCaroleのステージでも聴いた曲だけど、二人の音は違うのだ。

ここでbandが登場し、メンバー紹介。
今回は、嬉しいことに、当時のバンド、伝説の"THE SECTION"から、
Russ Kunkel(ds.)、Danny Kortchmar(g.)、Leland Sklar(b.)3人の匠が、
ステージ右手に。

Caroleのpianoのバック・ラインには、コーラスの3人、
Kate Markowitz(cho.), Arnold McCuller(cho.), Andrea Zonn(cho./fiddle)が。
更に左手に、Robbie Kondor(keys./acc.)。 

「Danny Kortchmarの書いた曲だ。」と言って始まったのは、伝説の"Jo Mama"のアルバムから"Machine Gun Kelly"!

予想を越えて、今回のステージが素晴らしかったのは、このメンバーが当時の若々しい音を一緒に創った仲間であるから。
このメンバーなら、40年の歳月が流れても、当時の若かりし頃の音が出せるのだ。

例えば、Caroleの前回の来日でも、前々回の来日でも聴いた、名曲"It's Too Late"。
いつ聴いても名曲だけど、僕らを虜にしたあの音は、このメンバーなら出せるのだ!

もう一つ。
Jamesは僕より5歳年上だけど、実はCaroleは11歳も上なのだ。
一人でステージを通すのはとても大変なのだけど、二人でなら、お互いにソロを譲ったり、伴奏したり、コーラスしたり、デュエットしたり。

若き日の仲間と、オーストラリア/ニュージーランドと10夜ほどの演奏して、
Caroleは気力体力十分で、とても若々しいのだ。

1st setの最後は、あのCaroleの永遠の名曲"Natural Woman"を客席と大合唱!

2nd setは、Jamesの比較的新しい"Copperline"から。

「次はCaroleがEvery Brothersに書いた曲で、僕がArt Garfunkelとcoverした曲」
「今夜は、私がArt Garfunkelよ!(笑)」
と寄り添う二人。名曲"Crying In The Rain"!

「実は、まだ行ったことがないんだが(笑)」と、懐かしい"Mexico"

「子守唄だけど寝ないで。甥っ子が生まれた時に書いた曲だけど」
おー! あの、あの"Sweet Baby James"!

ファンキーなCaroleの"Jazzman"。

セトリにはないけれど、
途中、客席から「"Pleasant Valley Sunday"!」と、声が掛かると、
Jamesがちょっと歌ってみせ、「僕が歌えるのはここまで」と言うと、
Caroleがワンコーラス弾き語ってみせる。凄すぎる(笑)

「昔々の、曲だけど・・」あぁ"Will You Love Me Tomorrow?"

Danny Kortchmarのギターが炸裂する"Steamroller Blues"。

そして、そして、"It's Too Late"!、"Fire And Rain!、"I Feel The Earth Move"!
す、凄すぎる!(笑)

そして、Caroleが書き、Jamesもヒットさせた、エバー・グリーン、
大好きな、大好きな、"You've Got A Friend"

そう、友達は絶対に作るべきだ。

そして、ステージの上部には、あの頃の彼らの写真が次々に・・
これは禁じ手だろ。まるで映画のエンドロールのよう。
どうしたって涙が溢れてくる。

遂に客席はスタンディング・オベーションへ。そのまま総立ち。

アンコールも、"Up On The Roof"、"How Sweet It Is"と強力そのもの!
一同並んでの御挨拶の後は、"Locomotion"で全開!!

あー。

手に手をとって、二人は仲良くステージを降りて行った。

show ended 21:35

当初2夜限りとの二人の夢のステージ。
流石に追加の横浜は見送ったけど、
明日の夜、もう一度、二人の優しい歌声に包まれて、二人の姿を、心に焼き付けてこよう。

set-list

1.Blossom
2.So Far Away
3.Machine Gun Kelly
4.Carolina On My Mind
5.Way Over Yonder
6.Smackwater Jack
7.Country Road
8.Sweet Seasons
9.Your Smiling Face
10.Song Of Long Ago
11.Long Ago And Far Away
12.Beautiful
13.Shower To The People
14.A Natural Woman
(break)
15.Copperline
16.Crying In The Rain
17.Mexico
18.Sweet Baby James
19.Jazzman
20.Will You Love Me Tomorrow?
21.Steamroller Blues
22.It's Too Late
23.Fire And Rain
24.I Feel The Earth Move
25.You've Got A Friend
(encore)
26.Up On The Roof
27.How Sweet It Is
28.Locomotion

本日の一曲
Carole King & James Taylor「Will You Love Me Tomorrow

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