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ALICIA KEYS Premire -2010- 僕と音楽と(38)

2010年1月14日 ALICIA KEYS Premire @ Billboard Live Tokyo

2008年の夏、僕は、無謀にも2日間通しで、それまで敬遠していた灼熱のサマソニの場に参加した(笑)

およそライブは生もので、行って聴いてみなければわからない。
そして追体験を望んでも、それは天のみぞ知る世界である。

Aliciaは、もちろん大好きなArtistの一人ではあったけれど、
ライブ遍歴40年、500を越えるライブを体感してきた僕も、
あれ程の夜が訪れようとは、思ってもみなかった。
端的に言えば、弱点の全く見当たらないあの完成度の高さ、
あの夢のような一時間が過ぎ去った後の、身体中の血の泡立ち、
これほど音楽好きな僕が、当分、もう音楽など聴けそうもない満足感。

あの夜から、Museの化身、Aliciaはもう一度逢いたいHead Linerとなった。

果たして、あの夢のような夜はもう一度訪れたのだろうか。
それはYesであり、Noであり、やはりYesである(笑)

期待を抑えきれず、早々に会場に着いてしまった僕は、
席はどういう風になっているか訊ねてみた。
すると帰って来た答えは、「立見です。」「えっ?!」

これは、もう少し、ものも言いようというものがあるよ。
まさか、あのフロアが、all standingに化けているなんて、想像もつかなかったので、実際に会場に入るまでは、かなりガッカリしていたのだ(爆)

寒空のレッド・カーペットを観て、会場に入ると、予想に反して、
スイスイと、ステージ・フロアにまで入れてもらい、
そこは、ZEPPか、BLITZかと言わんばかりのライブハウスに!
赤いリボンテープで会場は、いわゆるAブロック、Bブロック風に仕切られていて、僕らは当然Bブロック。ま、しょうがないよな!
もっと悲惨な立見を覚悟していた僕は、すっかり気を取り直していた。

このAブロックが、異様と言えば異様。
Bブロックは僕らで早くも満席になっていったが、Aブロックは閑散としている。普通、逆だろ?(爆)
BBLの人が、テープを何度か、前の方にズラしてくれて、僕はその度に喜んでいた。

で、Aブロックに続々と入ってくるのは、どうやらモデルさん達らしい。
そうか、さっきのレッドカーペットに入って来たのは、この娘達か・・。
いったい、東京にはどれほどのモデルさんがいるのだろうというほど、
似たような顔立ちの、僕とは無縁の娘達が集結して、
なにやら同窓会風に、記念撮影など。

いつも60分遅れのMADONNA、140分遅れのLauryn Hillに比べれば可愛らしくの45分押し。

暗転

show started 20:45

カーテンが開き、マンハッタンに劣らないTOKYOの夜景とともに、
R&Bらしく呼び入れに応えて、いつもの下手口より、Aliciaの登場だ!
黒のレザーベアトッブにグレーを羽織って、居並ぶモデルたちを一蹴する。

当日のset-listに僕は13~14曲程を予想した。
ちょっと欲張りだが、BBLでのライブということで、
いつもの70分までとはいかなくても、60分位かなと。

12月のNOKIA Theaterでもそのくらいだったし、
ニュー・アルバムのプロモーションということからすれば、
アルバムの実質的なstart trackの"Love Is Blind"がオープニングだと、
教えてもらった、YouTubeの特別なfull concert liveもそれを裏付けていた。

Aliciaがopeningに持ってきたのは、1st Singleの"Empire State Of Mind"!
それでも掴みのよいこの曲は、あの"New York~♪"の一発で、
Aliciaの無比の力強いhigh-toneが全開になるので、瞬く間に僕らを虜にする。

Bandは、中央のAliciaの右翼に、Keys, B./Keys, G.のRythme陣。
左翼に、女声と男声vのchorusの二人がスツールに腰掛けただけの小編成。
だが、繰り出す音の異質な完成度は、サマソニのR&Bのフル編成のbandに劣らない。
これが、AliciaのLiveでの音楽をとても特別なものにしている。

僕は、歓声や手拍子は、それが自然に自分のなかから沸き起こる時以外は、
静かに聴き入るold schoolの世代だ。
でもAliciaの音楽は、最初の曲から全6曲、声が出てしまうのだ。

ニュー・アルバム"The Element of Freedom"からは、続けて、
"Doesn't Mean Anything"と"Try Sleeping With A Broken Heart"の計3曲。

"Empire State Of Mind"と"Doesn't Mean Anything"は、これからも、
set-listの大切なレパートリーとして、Aliciaは歌い続けていくだろう。

ニュー・アルバムで、Aliciaは、その歌詞の方に少し比重を移したような気がする。そのおかげか、今までの曲よりも、歌われている歌詞が直接的に耳に飛び込んでくる。

その最も顕著だったのが、"Try Sleeping With A Broken Heart"。
この曲をこうして聴くことは、もう二度とない気がする。

そして、サマソニのあの圧倒的なAlicia Musicを思い出させてくれたのが、次の曲"Karma"。

僕は、album "The Diary of Alicia Keys"に収録されたこの曲は好きではない。
old schoolのsoul fanには、現代的な音すぎるのだ。

だがLiveでは、ひとたびAliciaのpianoのbeatが力強く変化すると、
そこには圧倒的なLatin Magicが、最高に魅力的な世界を繰り広げる。

前日のTVでは居たはずのDs.+1さえ、何故か外したこの小さな編成で、
あの音がもう一度、体感できるなんて、僕には最高の贈り物だった。

デビュー・アルバムから"Fallin'"
でもこの頃のAliciaは、僕にとってただのAlicia Keysだった 。

最後は"No One"の大合唱・・と言いたいところだが、
僕も、喜んで、また歌ったのだけど、
Bブロック最前列にいた僕より後ろから聞こえてるなんて、
やはりそれはないだろう?!(爆)

show ended 21:20

Aliciaはstageを降りて行った。

歌うその姿は、顔から上だけとはいえ(笑)、
Aliciaを眼の前10mで聴ける機会なんてもう二度とないだろう。

でもやはりAliciaに次に逢う時は、この身には危険かもしれないが、
アリーナの大勢のmusic loversたちと一緒に、"No One"を喜びあいたいと思うのだ。

set-list

Empire State Of Mind
Doesn't Mean Anything
Try Sleeping With A Broken Heart
Karma
Fallin'
No One

Aliciaは、2年後、NY、マジソン・スクエア・ガーデンでのハリケーン・カテリーナ被災支援コンサート12・12・12で、多くのスーパースターの居並ぶ中で、大トリを務め「New York〜♪」と歌い上げる。

本日の一曲
Alicia Keys「Empire State Of Mind

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