追いつかれないように
マンガの最終回みたいにきれいに方がついて終わり、なんて死は存在しない。
死は、人を誰しも待ち受ける終点ではない。
背後から忍び寄り、あらゆる思考の途中で追いつかれてしまうのだ。
そういうことを2019年の暮れ頃からなんとなく考えていた。
死は平等ではないし、死んですべてから解放されることもない。
臨終の瞬間にうっかり浮かんでしまった未練が、自身の脳神経に焼きついてとどまったまま暗闇に落ち込んでいくのだ、と細かに想像して、あああやっぱり進んで死ぬもんじゃねえよなとすっかり縮み