今回はエッセイ的に、婚外恋愛について思うところを書いていきたい。タイトルを見て分かる通り、テーマは婚外カップルの「組み合わせ」だ。

もちろん、他人の婚外恋愛は基本的に他所事だと思っているので、それにとやかく言うつもりはないし、この記事にデータやエビデンスがあるわけでもない。ただやはりモヤモヤはするという、それだけといえばそれだけの、言いたいだけの話だ。

婚外恋愛の組み合わせ

不倫や婚外恋愛は普通の恋愛と違って、婚姻関係がなにかしらの形で背景に潜んでいる。

2人でいるときにはまるで普通の恋人のように見えたとしても、どちらかあるいは両方が既に婚姻関係を持っていることによって、できることが制限されたり、遠慮したり、気を遣ったりということが必ずあるはずだ。

独身男性×独身女性というのは婚外ではない普通の恋愛なので、婚姻状況による婚外恋愛の組み合わせは、次の3通りあることになるだろう。

既婚男性×既婚女性の組み合わせ

まずは、既婚男性×既婚女性の組み合わせだ。いわゆる、W不倫と呼ばれるタイプの婚外恋愛。俺もこれに属している。

婚外恋愛という言葉に明確な組み合わせの定義はないのだが、なぜかこの「既婚男性×既婚女性」の組み合わせが婚外恋愛には多いイメージがある。

リスクも大きいがお互いに既婚者なので、それぞれの状況に理解を示しやすかったり、秘密厳守がしやすいというメリットもあるだろう。

独身男性×既婚女性の組み合わせ

次に、独身男性×既婚女性という組合わせもあり得るが、こちらは先ほどの既婚男性×既婚女性の組み合わせに比べると、あまり見かけない組み合わせだ。ネット上で見かけたり話を聞いたりしたなかでは、

• 会社の上司(既婚)と不倫関係にある一方で、会社の後輩(独身)とも婚外恋愛している既婚女性

• 仕事先のアルバイトの学生と不倫関係にある既婚女性

というケースがあった程度だ。

上のケースでは既婚女性が婚外恋愛の分散相手として独身男性を据えていたり、下のケースでは既婚女性のほうが積極的に学生の独身男性に会いに行ったりと、既婚女性に少なからず主体性がある、火遊び的な印象を感じてしまうのがこの組み合わせだ。たしかに独身男性は若くて逞しいとか、都合をあわせてくれるとか、既婚女性にとってのメリットもあるだろうと思う。

既婚男性×独身女性の組み合わせ

そして、既婚男性×独身女性の組み合わせだ。既婚男性×既婚女性の組み合わせほど多くはなく、独身男性×既婚女性の組み合わせほど少なくもないような印象を持っているが、いかがだろうか。

思い返してみれば、2000年頃までやっていたTVドラマやサスペンス映画でも、この既婚男性×独身女性の組み合わせがとても多かったように感じる。

お金持ちだったり社会的地位の高い既婚男性が、若い女性と恋をするような構図を想像してしまうのは、俺だけではないのではなかろうか。

"既婚男性×独身女性"が気になる

さて、ここからが今日の本題なのだが、この3つめの"既婚男性×独身女性"という組み合わせに、いまの自分はなぜかとてもモヤモヤしてしまう。冒頭で「他所事」といったにも関わらず、だ。

このモヤモヤはいったいなんなのか、背景を2つ考えてみた。

既婚男性が独身と偽っているケースがある

まず1つ感じたのは、既婚男性が独身と偽って婚外恋愛しているケースが少なからずあることだ。マッチングアプリの中には既婚者利用禁止のものもあるそうだが、そこに既婚者が紛れ込んでいるという話はよく目にする。ニュースコメントで取り上げたような特殊な男性のケースは除いて、何も知らされずにいた独身女性は「騙された！」と憤慨、落胆するのではないだろうか。

ちなみにこの逆で、既婚女性が独身だと偽って独身男性と婚外恋愛しているというような話は、いまのところ見たことがない。

未来に対する不安や不透明さがある

つぎに、もし独身女性が既婚男性との同棲や結婚のような将来を願っていて、現状我慢を重ねているとしたら、それはあまり良くないだろうと思う。特に既婚男性が独身女性に「いつか一緒になりたい」とか「離婚するつもり」のように言っていたとしたら、なおさらだ。

独身女性の未来が日ごと狭まるような状況に、モヤモヤを感じてしまうのだろう。

モヤモヤの正体は"純粋な恋愛感情"か

こうして考えてみるとモヤモヤの正体は、"既婚男性が独身女性の純粋な恋愛感情を弄んでいること"のような気がしてきた。

基本的に婚外恋愛は秘密を抱えているので、秘密を抱えているもの同士でするぶんには、まぁフェアだとは思う。どんな事情や背景があったとしても秘密を抱えている限り、婚外恋愛は基本的に悪行であり、悪人がすることなのだ。だからこそ、そこに独身女性の純粋な気持ちが混ざってくるのは、どうもいい気分がしない。

相手が既婚男性と知りながら不倫や婚外恋愛を続けている独身女性は、少なからずいると思う。そこまで本気ではないとか、別に恋人がいるとか、あなたにも悪人であるという自覚があるなら、特に何もいうことはない。だがもし相手の既婚男性を思いながら、同時に我慢や悩みを抱える日々を過ごしているのなら、自分を大切にする選択肢を考えてもらえたらどうかと、願ってしまう自分がいる。

あなたはまだ、悪人になりきれていないのだから。